Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

英語圏での論文執筆訓練

大学1年生に論文の書き方や口頭発表の仕方などを教える基礎演習を日本語と英語両方のプログラムで担当していて感じたことがある。この授業では「レポート」と「論文」の違いを強調している。レポートは任意のトピックについてこれまでの研究のポイントを要領よくまとめた記述で構わないが、論文は先行研究にはない自分のオリジナルな主張について論理的に擁護する議論である。

日本語プログラムで「論文」を読むと、自分が勉強した順番に作文した報告文や、先行研究の報告がずっと並び、最後の結論で自分の主張が唐突に述べられて終わりになっている文章が見受けられた。論文検討会では、たくさん調査して最後に明らかになったオリジナリティを論文では先に提示し、その主張を資料やデータを通して擁護するために本論を展開するよう促している。

同じ授業を英語プログラムで行った場合、偶然かもしれないが、英語圏で教育を受けた学生ははじめから「論文」を執筆する訓練ができている。例えば、ある学生は、他人の話を聞かず、自分に興味のあることだけを話し、大学で「勉強」する気も感じられない。しかし、彼の論文は自分の主張の擁護論をデータに基づいて展開し、想定される反論に対する再反論まで用意してきた。私は大学1年生のときに「論文」のことがよく分かっておらず、英語圏の大学で勉強して体得するようになった。どこまで一般化できるか不明であるが、大学に入る前までの教育の違いを感じた経験の一つである。

(K.I.)

第1014回

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