Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

日本庭園や寿司屋もある、バンクーバーの大学で過ごした2年間

緑豊かなブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)

商学学術院教授
久保 克行(くぼ・かつゆき)

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、ロンドン大学Ph.D.(Industrial Relations)取得。一橋大学経済研究所専任講師などを経て2010年より現職

2015年から2017年春まで、特別研究期間でカナダのバンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)に滞在していました。ここでは、その時に体験したことをいくつか書いてみたいと思います。

UBCはアジアとのつながりが強い大学です。学内に新渡戸稲造博士を記念した「新渡戸ガーデン」という、素晴らしい日本庭園がありますし、アジア言語を学ぶコースも充実しており、毎年2,000名もの学生が日本語のコースに登録しています。キャンパスを歩いていてもアジア系の学生がとても多いことに気付きます。

こちらはBCロールではありませんが、このような創作巻き寿司が地元の人に人気

そもそもバンクーバーという都市自体、アジア系が大変多いことが知られており、人口の43%を占めています。この43%という数値は地元の『Vancouver Sun』紙の記事に掲載されていたものですが、この記事のタイトルは “Vancouver is the most ‘Asian’ city outside Asia”というものでした。また、アジア系の食材を購入できるお店やレストランもたくさんあります。早稲田大学の早稲田キャンパス内にお寿司屋さんはないかと思うのですが、UBCのキャンパスの中にはお寿司のお店が何軒かありました。同じ『Vancouver Sun』紙に“Vancouver may be sushi capital of North America”というタイトルの記事もあったのですが、思わず納得しました。味はかなり現地化しており、サーモンを用いたBCロール(British Columbia Roll)という巻き寿司が人気です。

マンションが立ち並ぶ市内

バンクーバーで大きな問題となっているのが地価の高騰です。いわゆるバブル時代の東京のような光景が繰り広げられています。不動産業者の広告は至るところにありますし、地元の新聞でも関連するニュースが頻繁に取り上げられています。外国人の不動産投資に課税するなどの政策も取られているのですが、地価の高騰を止めることは難しそうです。日本から訪問した立場では、昔見た光景をもう一度見ているようで、いろいろと考えさせられます。ちなみに『Real-estate Board of Greater Vancouver』によると、バンクーバーエリアの居住用住宅の価格は2017年7月時点で、3年前と比較して60.4%上昇しているとのことです。このペースの地価高騰が長期的に維持可能とはあまり思えないのですが、バンクーバー全体で不動産の供給は続いているようです。UBCはキャンパス内で一般向けの住宅を供給しているのですが、今後も森を切り開き住宅を供給し続けるようです。

バンクーバー稲門会とバンクーバー三田会の合同新年会(2列目の右から3人目が筆者) 写真提供:バンクーバー稲門会

2年間の滞在中は、さまざまな人にお世話になったのですが、特にバンクーバー稲門会の方々には大変お世話になりました。バンクーバー稲門会は、慶應義塾大学の卒業生を中心とするバンクーバー三田会ともいろいろな行事を行うなど活発に活動しており、訪問者として大変心強く感じました。これらの会は日本からの交換留学生にもさまざまな支援をしていただいています。校友の方々のサポートに、あらためて感謝したいと思います。

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