法学学術院教授
下田 啓(しもだ・ひらく)
早稲田大学とは切っても切れない関係にあるスポーツといえば野球ではないでしょうか。私はこれまでさまざまな形で野球を長年楽しんできました。
プレーヤーとしては、米国のリトルリーグで投手を務めていた子供のころが、私の野球人生におけるピークであったかもしれません。早稲田大学には長い歴史を持つ職員野球部があり、嘱任してすぐに入部しました。毎週月曜日に喜久井町キャンパスのグラウンドで練習があり、シーズン中は他大学や企業チームと対戦もしています。勝負を大事にしつつも、私のような下手な部員でも試合を楽しむ機会を作ってくれる、めりはりが利いている雰囲気が大好きです。毎年恒例となっている慶應義塾大学職員野球部との「早慶戦」は今年でなんと75回目。6月末に予定されていましたが、雨のため秋に順延となりました。両大学とも9イニング、死力を尽くす熱戦は「早慶戦」ならではの独特な緊張感があり、職員野球部を通して私も体感することができました。
プレーする以外に私にはもう一つ野球の楽しみ方があります。それは「Fantasy Baseball」です。これは何名かでリーグを組み、各自が実在するメジャーリーガーを順番に「ドラフト(指名獲得)」し、チームを編成していきます。選んだ選手の実際の成績に応じてポイント化され、ポイントをもとに各チームの成績が決まる仮想オンラインゲームです。日本ではほとんど普及していませんが、米国では1980年代からスタートしており、今では年間400万人もの人が楽しんでいます。
学生時代の仲間と長年に渡りリーグを組んでいますが、上記が今季の私のチームです。メジャーに詳しい方はご覧ください。野手は希代の強打者アルバート・プホルス、エイドリアン・ベルトレといったパワーヒッターとムーキー・ベッツ、チャーリー・ブラックモンといったスピードのある選手をバランスよく並べています。投手はスティーブン・ストラスバーグ、ダルビッシュ有、ジェイコブ・デグロームといった豪腕投手をそろえています。パワーとスピードを兼ねたチーム作りをしていますが、いかがでしょうか。「Fantasy Baseball」は、膨大なデータとにらみ合い、先を予想する遊びなので、私の“オタク心”を擽(くすぐ)ります。
野球にはサッカーやバスケのような時間制限がありません。「テンポが遅い」「試合が長過ぎる」との声も近年ありますが、常に時間に追われている現代人にこそ、野球特有のゆったりとした時の流れに身を委ねるべきではないでしょうか。