まもなく東日本大震災の発生から丸6年を迎える。近年では3月11日が近くなると思い出したかのように震災報道が活発になり、そのことがまた批判されている。しかし、そう遠くない将来、それさえもなくなってしまうことが危惧されほど、被災地への意識関心は低下しているのではないか。
東日本大震災の犠牲者は、死者15,893人、行方不明者2,556人(2016年12月9日・警察庁)合わせて18,000人を超える。想像を絶する被害である。当時は連日、震災報道がなされ、被害の大きさが意識される生活であった。
当時の学生がボランティア活動に参加した理由は、とにかく被災地のために何かやりたい、というものから、現地を見てみたい、果ては、就職活動に有利だから、といろいろだったと聞いているが、人数はそれなりに確保できていた。しかし、今では、震災ボランティアにいく学生の方が珍しい存在になっている。
しかし考えてみると、今の大学生にとって、日常生活から遠いところにある震災の被害や復興を意識しろという方に無理があるかもしれない。だから、皆さんは最低限の礼儀を持ちつつ、ぜひ現地に行って美味しいものを食べ、美しい景色や文化を堪能してほしい。自分が楽しむことが地域貢献になるということである。現地でもこれまで様々な努力をしており「震災を言い訳にしない」というレベルまで来ている。皆さんにはぜひ、そのがんばりに応えていただきたい。
(M.K)
第986回