インターネット上での炎上騒ぎが目に留まることが時々ある。ここでは具体的な事例を挙げることを差し控えるけれども、他人に対する暴言、あるいは嘘やデマを書き連ねたことをきっかけとする場合が多いように思われる。かく言う私自身も授業履修者と思(おぼ)しき学生によって様々なことを書かれているのを時折目にする。それは時には授業の改善に役立つ場合もあるけれども、単なる悪口にすぎないように感じられる場合もある。単位認定権のある教員には直接言えないので愚痴をこぼしているだけなのかもしれない。
何にせよ、こうした事例を見聞きするにつけ、直接面と向かっては決して口にできないようなことをコンピューターやスマホ上ではどうして平気で書け、公表できてしまうのか不思議に思われてならない。確かに当事者に直接面と向かってではないので心理的なハードルが低いのかもしれない。しかし、インターネットに公開する以上、当事者を含めた不特定多数の人々が読む可能性を十分に承知しているはずであり、また読んでほしいからこそ公表しているのではないだろうか。
その重要性に気づいていないのか、あるいは軽く考えているのかは定かではない。いずれにしても、他人を尊重し思いやり、自分の意見に責任を持つことは私たちが子供の頃から様々な機会を通して学んできたことであるし、社会人として当然身に付けておくべきことでもある。それはどのような場面でも、そしてどれほど技術が進歩したとしても、変わらないのではないだろうか。
第980回
(K)