国際学術院教授 平山 廉(ひらやま・れん)

1956年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1989年京都大学大学院地球科学研究科地質学鉱物学専攻博士課程、1989年帝京技術科学大学情報学部講師、1996年帝京平成大学情報学部助教授を経て2004年早稲田大学国際教養学部助教授。現在、国際学術院教授(国際教養学部)。博士(理学) 論文 鹿児島大学 層位・古生物学。
私が格闘技に興味を持つようになったのは、日本画家であった父・平山郁夫の影響です。父は野球などスポーツ全般が好きで、特に読売ジャイアンツの大ファンで暇さえあればTV中継を見ていました。しかし私が引かれたのは、格闘技、とりわけボクシングや大相撲です。新聞欄を眺めて、「廉君、今日はボクシングの世界タイトルマッチがあるから一緒に見よう」という調子で、ほぼ毎試合TVで一緒に観戦していたのを覚えています。だんだん熱が高じて、輪島功一さんが世界王座に挑戦する数ヶ月前に、自宅をアポなしで訪問して激励?したこともあります。
私は、中学校までもっぱら見るばかりでしたが、校内マラソン大会で2位になって意外に体力があることが分かってから、高校に入ったら格闘技を実際にやってみようと思っていました。最初はボクシング部に入ろうと考えていたのですが、見学初日で自分には向いていないとしょげていたところ、隣にあるレスリング部のマネージャーから「レスリングやったらオリンピックに行けるぞ!」と声をかけられて入部してしまいました。実際にやってみるとそんな甘い世界ではなく、デビューから連戦連敗、減量もきつくて何度も辞めようと思ったのですが、思いとどまって10試合目ぐらいで初勝利をあげてから面白くなってきました。
高校3年の時は、関東大会で3連勝して次に勝てば3位以内決定という試合で対戦したのが富山英明さん(後のロサンゼルス五輪フリースタイル57kg級の金メダリスト)でした。彼は1学年下でしたが、中学でレスリングを始めていたこともあり、すでにすごく強かったです。私も好調だったので最終ラウンドラスト30秒前ぐらいまでリードしていたのを逆転されて悔しい小差判定負け、結局7位になってしまいました。その彼が10年後にオリンピックで優勝した時は驚くと共に誇らしい気持ちになりましたね。レスリングは大学卒業まで続けましたが、練習や試合で苦しかったことは今でも十分に役立っています。野外での発掘作業はまさに肉体労働そのものですが、レスリングで鍛えた体力や気力で乗り切っています。最近は、出身校が違う同期の連中が集まってワイワイやるようになりました。
ボクシングは時々、試合場で生観戦しています。特に父と一緒に世界ヘビー級王者であったマイク・タイソンの試合を東京ドームのリングサイドで観戦したことは一生の思い出です。最近は、井上尚弥選手の圧倒的な強さに注目しています。私の格闘技好きはやめられそうもありません(笑)。
- レスリング同期会にて(2015年11月)。前列左から2人目は、国士舘大学教授で、世界選手権優勝者の朝倉利夫さん
- レスリングの早慶戦(2015年12月)。実力差が大きく、母校の慶應義塾大学はなかなか勝てないのが残念
- 太田章さん(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)とのツーショット(2016年4月)。太田さんは、ロス五輪、ソウル五輪で連続して銀メダルを獲得