Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

25年間で巡ってきた名城たち ― 攻めたり、守ったり

理工学術院 教授
深澤 良彰(ふかざわ・よしあき)

【プロフィール】1953年静岡県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科で博士課程を修了後、1992年早稲田大学理工学部情報学科教授に就任。2007年より現職。2010年から2014年まで研究推進(総括)および情報化推進担当理事。2014年より図書館長。

のほほんとしているためか、よく「授業をしている時がオフタイム」だとか、「役職としての仕事をしている時がオフタイムでは?」とか、さらには、「研究をしている時に違いない」などと言われます。でも、そんなことは全くありません。

さまざまな「しがらみ」から離れる最も効果的な方法は、旅行をすることだと思っています。また、仕事柄、国内外に出張することが多く、若干の自由な時間があることも多くあります。そんなとき、ただ漫然と行き先を選び、観光するのではなく、何らかの目標を持つことこそが、「オフタイム」だと思いました。

最初の目標は、「全都道府県制覇」で、これは簡単に達成できました。そこで、もう少し難しい目標をと思い、「国宝を全部見てやろう」とか、「日本百名滝を制覇してみよう」とか。しかし、さまざまな理由でイマイチでした。そんなとき、思い付いたのが、「お城巡り」でした。最近は、「日本百名城」というものが制定されており、「制覇」に向いています。こんなことを考えたのは、1990年のころですから、25年ほどの経歴ということになります。

私のお城の見方は、「攻め手の大将」になるか「守りの大将」になるのかをまず決めます。例えば、今日は「攻め手の大将」ということを決めたら、この城を落とすには、どこからどのように攻めるかを考えます。

例えば、昨年、「真っ白」になったことで有名な世界遺産姫路城を攻略してみましょう。姫路城は、姫山という小高い山を利用して築かれていますから、それに負けてはいけません。そこで、北西にあたる男山の頂上に陣取ることにします。ここから姫路城を見るとこんな感じです。下から仰ぎ見たときの威圧感はなく、これなら落とせるかと思えます。

4月14日、熊本地震が起きました。被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。あの西郷隆盛に「わしは、官軍にではなく、清正公に負けたのだ」と言わしめた名城熊本城もこの地震で大きな被害を受けました。

熊本城が素晴らしいのは、多くの櫓(やぐら)、石垣などが現存していることの他に、天守などいくつかの例外を除くと、建築当時の様式で復元しているからです。

私が熊本城で最も好きなのは、この宇土櫓(現存、重要文化財)です。宇土櫓も被害は受けたようですが、それほど大きなものではないようです。次の写真は、復元された飯田丸五階櫓。この櫓は、積み直した石垣が崩れ、大きな被害が出ています。今、この櫓の崩壊を支えているのは、「一本石垣」と呼ばれている南東側の角の細い石組みです。これは、直方体を交互にかませながら築いていく「算木積み」という手法であり、加藤清正が築城した当時の技術です。この頑張りを手本にして、災害に対して踏ん張ってほしいと思っています。

※城の写真:深澤教授撮影。ページ右上は2015年に国宝となった松江城

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