Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

農山村への関心の高まり

近年、大都市に住む若者の、農山村への関心が高まっている。かつては地方移住の可能性を問うアンケートで高い数値を示したのは50歳代であったが、今は20~30歳代が最も多くなっている。その背景には、グローバル経済の進行下、市場原理のもとで大都市の暮らしの格差が目立つようになってきたこと、そしてその中で子育てが厳しい状況におかれるようになってきたことがあると考えられる。

総務省は地方に活力をもたらす施策として、2009年に<地域おこし協力隊>を制度化した。これは最長3年間、有給で地域に居住して活動する中で定住の道筋をつくるという画期的な制度で、参加者は2015年度には2,600人を超えた。都市の職場に疑問を感じて転機を図る若者の参加が多いが、大学を休学して参加した学生もいる。

農山村には、手をかけて育てたおいしい野菜など、自然を巧みに扱ってきた人のワザが蓄積されている。協力隊員を終えてその地域に定住した若者が日々の暮らしをつづった『21歳男子、過疎の山村に住むことにしました』(岩波ジュニア新書)という書には、農山村の暮らしのワザに対する感動があふれている。

都市はもちろん経済合理性だけを育てたわけではなく、さまざまなアートなど、文化的価値をも育ててきた。しかし一方で、農山村でしか生まれない価値があることも、“ワセダ”の学生に認識してもらいたい。就職活動真っ盛りの時期ではあるが、都市の経済に身を委ねるのとは別の人生もあることを、いろんな局面で思い起こしてほしいと思う。

(TM)

第965回

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