Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

18歳からの選挙権

昨年の公職選挙法改正で選挙権年齢が引き下げられ、今年の参議院議員選挙から18歳、19歳の人たちも選挙権を行使できる。4月に早稲田大学に入学した学生諸君も当然、選挙権を持つことになる。

選挙権を有する者の範囲は時代と共に拡大している。納税額や性別で選挙権を有する者を制限していた時代もかつては存在していた。年齢について見ると、1889年制定の衆議院議員選挙法が25歳(男子で直接国税15円以上納付の条件付き)としたものを20歳に引き下げたのは1945年の衆議院議員選挙法改正であった。そして、今回の18歳への引き下げにより選挙権を有する者は約240万人増大したと言われている。

ところで、日本の公債残高は昨年末で807兆円という空前の額になっている。国家は現に生存する世代だけではなく、既(すで)に亡くなった世代、そして生まれていない世代の共同事業だとすれば(E.バーク『フランス革命の省察』)、この巨額の「借金」を、もっぱら若い世代やまだ生まれていない世代に背負わせるのはおかしい(N.ファーガソン『劣化国家』)。そこで、若い世代こそが将来を決定すべきだから一人2票を行使したら良いとの意見もある。ただし、一人1票は憲法上の重要な原則だから現状では実現できないし、そもそも一人2票を認めるなら、昔の制限選挙に戻ってしまう。この問題の解決策を見いだすことは簡単ではないが、「現実」を理解することが第一歩だろう。受験から解放された学生生活においても、時々は、この重い課題を思い出してほしい。

(E.S.)

第962回

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる