Waseda Weekly早稲田ウィークリー

キャリアコンパス

就活でよくいう「自分らしさ」って何?

就職はゴールではない

皆さんが、学生時代にさまざまな体験をとおして成長し、自分らしく、将来を切り拓いていく力を身に付けて欲しいと、早稲田大学キャリアセンターは考えています。自分らしく幸せに生きていくことが大切で、就職はその通過点に過ぎません。キャリアセンターに寄せられる相談の多くは、志望企業から内定を得るには、どのようにエントリーシート(ES)を書けばいいかとか、どのように面接で受け応えすればいいかという内容です。

しかし、キャリアセンターが大切にして欲しいと思っていることは「自分らしさを考えること」です。ESの書き方や面接対策は比較的すぐに身に付けることができるのですが、「自分らしさ」(自分らしさとは何なのか、自分は何がしたいのか、働くということは自分にとってどのような意味があるのか、どのような生き方が自分にとって幸せなのか)は皆さんがある程度時間をかけて考えないと明確になりません。明確でないと結果として就活がうまくいかなかったり、就活を終えてもモヤモヤが残ったり、働き始めても仕事が長く続かなかったりします。

では「自分らしさ」を明確にするにはどうしたらいいのでしょうか?

体験の効用

「自分らしさ」を明確する方法のひとつに体験があります。皆さん、日々の授業でさまざまなことを学んでいることでしょう。人間の英知を学ぶことはとても大切なことです。ただ、早稲田大学の教旨「之を実際に応用するの道を講し 以て時世の進運に資せん事を期す」 にあるように、学問と実社会とを結び付けることも大切です。実社会がどのようになっているか、どのような問題があるのか、その問題に直面している人はどの ような気持ちで、どれほど大変なのか? それを知るには、社会の問題が起きているところを直接見聞きすることが一番わかりやすいでしょう。「百聞は一見にしかず」です。これが体験の効用の一つ目です。

体験の効用の二つ目は、体験することで、みなさんがさまざまな人と出会い、交流し、協働して何かを成し遂げることをとおして、次のような力が身に付くことです。

1 自分と価値感の異なる他者の存在を知る→自分の価値観を改めて知る→自分らしさを知る→自分しかできないことは何かを考える→自分しかできないことにより、社会で生きていくことを考える
2 チームで協力して目標を達成するスキルが身に付く

振り返り

では、ただ体験すればいいのでしょうか? キャリアセンターはそれでは不十分だと考えています。グローバルエデュケーションセンター(GEC)設置科目に「体験の言語化」があるように、振り返ることが重要です。体験を振り返ることで、次のようなことが明確になるといわれています。

・自分の感情はどのようなものだったのか
・なぜそのように感じたのか
・自分の価値観とはどのようなものか
・自分らしさとは何か
・社会で起きている課題と自分の価値観との接点は何か
・社会で起きている課題解決・社会への貢献のために自分は何ができるのか
・自分の強みを伸ばすために何をすればいいのか
・次に何をすべきか

いかに志望企業から内定を得るかに関心が向きがちですが…

ここまで述べてきたプロセスにより、体験を通じて「自分らしさ」が明確になっていくことでしょう。就職活動のことを考えると、いかに志望企業から内定を得るかに関心が向きがちですが、それよりも大切なことがあります。繰り返しになりますが、それは「自分らしさ」です。「自分らしさ」は、漫然と大学生活を過ごしていても明確にはなりにくいものです。自分が関心の持てそうなことを行ってみて、その体験の意味を振り返ること、そしてそれを繰り返すことが、それらを明確にする一つの方法だと思います。以下、今年春に就職したばかりの校友に、学生時代の体験と振り返りを語っていただきました。皆さんの大学生活の参考にしてください。

「自分が考える相手のためになること」=「相手が自分に期待していること」ではない

JFEスチール株式会社
儀間 友一(ぎま・ゆういち) 2017年3月 商学部卒業
――学生時代に取り組んだことで、印象に残っていること、ご自身が成長したと感じたこと、身に付いた力などについて教えてください。

 学生時代は沖縄県の離島にて地域活性化のボランティア活動を行う団体に所属しており、この活動を通じて、人の役に立つことの難しさ、相手の気持ちを考え抜くことの大切さを学びました。私自身が沖縄県の出身ということもあり、興味本位で参加した活動でしたが、客観的に地元を見ることができ、今までとは全く違った沖縄の姿が見えてくる感覚に面白さを感じ、自然と活動にのめり込んでいったことを覚えています。その中でも特に印象に残っている体験は、地域のことを考えたつもりで行った企画がかえって迷惑になり、現地の方々からおしかりを頂いたというものです。それ以降、メンバーと「相手が真に私たちに期待していることとは何か」ということについてあらためて考えることにしましたが、何時間議論しても有益な結論が出ない、つらい日々が続きました。もう辞めたいと考えたこともありましたが、「なんとしても島の人々の力になりたい」という一心で最後まで仲間と共に考え抜いた結果、感謝していただけることができました。現地での活動の最後に、「次は友人として島に来てほしい」と声を掛けていただいたときのうれしさは、今でも忘れることができません。

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早稲田大学離島交流プロジェクトの様子

――学生時代の体験が現在の仕事でどのように生きていますか?

現在、営業部門が取ったオーダーを基に、製品の生産計画の立案・管理や製造工程の管理を行う、「生産管理」という仕事をしています。営業部門と製造部門(工場)の橋渡しを行う部門です。仕事でお客さまと会話する機会はあまりなく、社内の関連部署との打ち合わせがほとんどですが、社員同士であっても主張が異なる人々と折衝することが多いので、相手の立場を理解した上で仕事を進めることが大切です。その点で、ボランティア活動を通じて学んだ「自分が考える相手のためになること」と「相手が自分に期待していること」が必ずしもイコールではないという意識をもつことや、相手の気持ちを推し量るために最大限努力するという心掛けが役に立っています。さまざまな意見の中から全員が納得できる落としどころを導くことが、私が仕事を進めていく上で求められるポイントだからです。

――学生時代の体験が、就職活動の際、志望業界や企業選び、採用選考に役にたちましたか?

就職活動を始めるにあたり、自分がどのように社会と関わっていきたいのかについて考えた際に、ボランティア活動の経験からたくさんのヒントを得ることができました。無数にある企業の中から自分に合う企業を見つけるには、的を絞らずさまざまな業界の企業について勉強することはもちろん、自分がどのような人間であるのかについて深く知ることが大切です。私はボランティア活動を通じて、「リーダーシップを発揮して物事を進めることが好き」など、自分の新たな一面を発見することができました。自分自身の特徴を知ることにより、自分にあった働き方ができる企業選びができましたし、また、選考で自身をアピールする際に、具体的な経験に基づいた言葉で説得力を持って語ることができるようになったと思います。私自身、働き始めてまだ3カ月ですが、自分の適性に合った企業で自分に合った働き方ができていると感じています。学生の皆さんには、学生生活を通じてさまざまなことにチャレンジして、自分が本当にやりたいことや、自分の持ち味を見つけていただきたいと思います。

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