後日、WEBで「これだけ質問タイムが充実するということは、そうそうあるわけではなく、私としては、本当にいい時を一緒に過ごすことができたなと、大満足」と振り返っておられるように、示唆に富む講演に触発された早大生から真摯な質問が続出。誠実で的確な答えは、参加者全員に「前に進む元気」をくれた。
「人生を価値あるものにしたい」強い思いが怖い罠になることも
夢はなくても生きられるけれど、あれば毎日の生活が充実したり、思わぬ力を発揮できる。一方で夢が罠になる場合も。オウム事件では二十代の若者が沢山巻きこまれた。「人の役に立ちたい」という学生が、友の入信を契機に、「人生を実現するのはここしかない」と思い込み、坂本弁護士殺害現場にも…。取材すると、麻原彰晃こと松本智津夫は「今後何をすべきか、漠然とした問いでも、直ちに解答がある」から信頼できると思ってしまった人が多いようです。
万人に共通する答えはない。そして夢が見つかる時期もそれぞれ。
自分のいいところを見つめ、心に耳を傾けるのも大切。夢が見つかる時期も方法も十人十色。方程式はない。「これだ!」と思ったことが変わることも。漫然と待つだけでは駄目。少しでも興味を持ったらやってみる。ただ、「こんな場があるよ」と言う人が魅力的で親切でも、不安になることを言ったり、秘密を強いたり、団体名が不明確、誰かが”絶対”正しい、答えは一つとか、そういうグループには気をつけた方がいい。
迷える早大生たちへ~質疑より
Q.ある団体に夢を持って入り裏切られて夢が台なしに…。
A.死刑宣告を受けたのでなければ、いくらでも取り返しがつく。その時期も無駄ではなく、それで自分が辛い思いをしたから、命の重みや輝きが深く分かるんです。
Q.今の大人は勝手に夢を言いすぎると思いませんか?
A.夢は押しつけるものではなく、人の評価を受けるものでもない。驚くような才能を持つ人は僅か。夢はやってみたいこと。日々がより充実するんじゃないかなぁ。
Q.夢を考えるとき、本当にその道に飛びこんでいいのか臆病になる。どこで引き返せるのか?
A.進むべき道に飛びこむことは、組織に心身をささげることではない。芽生えた疑問を大切に。自分が自分の気持ちを大切にするということを忘れない限り、自分の人生や命を守っていけると思います。
■江川紹子ジャーナル
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