Waseda Weekly早稲田ウィークリー

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ワセダ・カルチャー・トーク’99 作家 原田宗典 「脱線の王様」

五日目のゲストは、若者に人気を誇る、“人生相談五段”の作家・原田宗典さん。八四年『おまえと暮らせない』ですばる文学賞入選。エッセイ、小説、戯曲など、幅広い分野で活躍。主な作品に『スメル男』『十九、二十』、近著には『相談しようそうしよう』『百人の王様わがまま王』『少年のオキテ』など。 講演当日は特別ゲストとして、岡山の高校時代からの友人・長岡毅さんも駆けつけ二人で息の合ったトークを聞かせてくれた。いったいどんな話が飛び出してくるやら…。

原田:「うちのじいちゃんは姓命判断を一生懸命やった人で、僕の名前は七十年にわたる研究の成果をもってつけたらしいんだよ。“宗典”という名前はもしかしたら子供の時に死ぬかもしれない位弱いんだけど、それを越したら何をやってもうまくいくから、おまえの一番やりたいと思うことをやってみろと言われて、これをやってる訳」

* * *

原田:「僕はとりあえずモノ書きにはなったから、四十歳から先は作家になる努力をしようと思ってる。作家というのは職業とかじゃないと思うんだよ」

長岡:「作家と小説家と違うわけ?」

原田:「違うよ。小説家は職業だけど、作家は生き方だよね。なんかモノを創ってる感じ。やっぱり作家っていうのはそういう生き方をしている人だよね」

長岡:「今までは自分は作家じゃないと…」

原田:「まだ違うよね。小説家ではあるけど。これから二十年、三十年かけて作家になっていくんじゃないかなぁ。それを考えると、三島でも太宰でも武者小路でもいいけど、そういう昔の人の生き方を見るのが楽しいよね。なるほどなぁって。みんなそれぞれ苦労してるんだよ。その時々でいろんなことがあって。鬱だったりとかもしてさ」

長岡:「お前も苦労してるじゃないか」

原田:「苦労してる。苦労してる。ただこうやってあがいてること自体が作家なんだなと思ってがまんしてるよ」

 

大隈講堂は二階席まで埋まる盛況で、熱気と笑いに包まれていた。しかし、いつも自然体の原田さん。二十歳のころの思い出話しから始まり、鬱病の話、作家のこと、名前のこと、近況やこれからのことなど…「脱線の王様」の面目躍如、いろいろな話を聞かせてくれた。

最後には長岡さんのギター伴奏により、『自分電話』という詩が朗読された。講演終了後には演壇に多くのファンが集まり、気軽にサインに応じ、一緒に写真を撮ったりしながら、歓談が続いていた。

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