ワセダ・カルチャー・トーク’99三日目はフジテレビアナウンサーの菊間千乃さん。講演前にはゼミの指導教授でもある奥島総長と雑談を交わす一幕も。会場は全国のアナウンサーの中でも高い人気を誇る菊間さんを一目見ようとする観客で埋めつくされた。登場するや否やとてつもなく大きな歓声に包まれた!
落ち込んだ時、どうやって復活していくか。駄目になったら自分をとことん追い込む。とことん駄目な自分を見つめて、それを受け入れてしまうしかないと思います。 人間は自分をよく見せようとするところがあります。でも、よく見せようとすればする程結果的にボロが出てしまう。そして、理想の自分と現実の自分のギャップに気付いて、自己嫌悪に陥ることが多いのです。その時に「自分はこの程度の人間。ここまでしかできないんだからしょうがない」と割り切れると、あまり片意地張って物事に挑戦することもなくなるし、失敗した自分を素直に受け入れることもできます。自分で自分を追い詰めることで、自分の悪いところは勿論出てきますが、逆に他人より優れている所も見つけられると思いますね。それが、自分の自信に繋がると思います。そのことを痛烈に感じたのは、昨年の事故でした。
事故が起こってからの一、二週間は「何で私だけがこんな目に遭わなければならないの?」とずっと思っていました。人生で最悪のマイナス思考の時期でしたね。自由に動くこともできないので、天気が良い日は気分が悪くなりました。逆に雨が降っている日は嬉しくなったり。
ふと我に返ると、自分で自分が嫌になりました。ある日、担当医の先生に「十五mの高さから落ちて死ななかったし、下半身不随にもならなかった。四十数年間いろいろな患者さんを見てきたが、そんな人はあなたが初めてだ。落ち込む気持ちも分かるけれど、最終的には元に戻る。そのことを考えれば、ここで一年間休養することをマイナスに捉えていたら罰が当たるよ」と、言われました。その言葉が心に響き、今までのマイナス思考だった私に踏ん切りが付けられたと思います。
「人生の中でいいことと悪いことは同じだけ起こる」とよく言われています。今悩んでいることがあっても、逃げないでそれを一生懸命見つめて、自分をとことん追い込んでいくと、その先には灯りが見えてくると思います。私も頑張りますので、皆さんも自分に自信を持って頑張ってください!