Waseda Weekly早稲田ウィークリー

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ワセダ・カルチャー・トーク’99 政治評論家 細川隆一郎 「日本は興亡いずれの道を選ぶのか-若き学徒の志次第-」

二日目のゲストは辛口の政治評論でお茶の間でもお馴染みの政治評論家、細川隆一郎さん。八十歳になった現在も矍(かくしゃく)とした舌鋒の鋭さは衰えず、今回の演題も「日本は興亡いずれの道を選ぶのか-若き学徒の志次第-」と、硬骨の士の細川さんらしいタイトルだ。

「私は府立四中から早稲田の政治経済学部へ進みました。そして、卒業までの四年半の間、空手部に在籍し、三年生の時には主将を務めました。当時の空手部は日本一の空手部で、全盛を誇った時代だった代わりに、稽古も相当に厳しく、途中で脱落する者が随分いたものです。しかし、私はそこで鍛えられ、導かれて自分の人生が変わったような気がします」

「私は『素浪人の政治評論家』です。今までの人生の中で、政治に関して発言してきたことは、魂を持って話してきたことです。評論とは、己を語ること。それができるのが評論家です。だから、私はどんな場合でも真剣勝負で話をしています。その話を聴いて、私という人間を判断してください。話を聴いて、是は是、非は非で構わない。しかし、それを自分の中で消化してから判断してほしいのです」

「昔の早稲田出身の政治家はもっと立派でした。今の早稲田出身の政治家はダメな奴らばかりだ。今の小渕総理も竹下元首相もダメ。早稲田を出た政治家で偉かったのは緒方竹虎。この人は吉田茂首相の時の副総理だったが、この人は実に偉かった。傑物でした」

「学生時代は四年間しかないんだから、何と言っても勉強が大切。しかし、現象論を勉強するのではなく、基礎の学問をしっかり学んでほしい。生涯学習とは、カルチャー・センターへ通うことではない。自分が教えを受けた先生に、一生教えを乞うことです。私は、いまだにたった一人だが、昔の先生が生きています。そして今も、私の書いたものを送っては教えをいただいています」

 

予定時間をオーバーしての熱弁だったが、聞き入る聴衆も熱心で、時折、細川さんの発言に対して支持の拍手が起きる一幕も。固い話の中にユーモアも交じえ、一時間半に及ぶ細川さんの講演は幕を閉じた。

講演終了後、細川さんは、「母校の大隈講堂で学生の皆さんに話ができたことは非常に嬉しい。次回は秋にでももう一度」と、本学に対する好意を示してくれ、まだまだ意気軒昂な様子を見せていた。秋にはまた細川さんの熱弁が聴けるかもしれない。

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