2023年10月25日(水)に開催いたしました「権利と健康を守る性的同意〜加害者にも被害者にもならない〜」についてご報告いたします。
今年6月、性犯罪に関する刑法の改正案が可決・成立し、性犯罪に的確かつ厳格に対処する方針が盛り込まれました。また、同時期には、大手芸能事務所において所属タレントが性被害を受けていたことも明らかになりました。このような事象の背景として、性に対する正しい知識が十分に広まっていないこと、そもそも日本では性教育がネガティブかつ消極的に扱われる傾向にあることが挙げられます。上記のような現状を踏まえ、本イベントでは大手前大学国際看護学部学部長の藤井ひろみさんをゲストにお招きし、問題を“自分事”として捉えるとともに“加害者にも被害者にもならない”という意識を持つことを目的として開催いたしました。
講義
イベント前半では、藤井さんから性に関する基礎知識にはじまり、性的同意について多角的な視点からご講演いただきました。これまであまり触れる機会がなかった、そして自ら進んで知識を得ようとすることにどこか躊躇いを感じていたテーマである分、大変学びになるお話ばかりでした。全体を通して、性的同意は人間の尊厳を守るためのものであり、性に関して相手と躊躇なく話せる関係を構築することが自分自身や相手の健康および権利の保障につながるのだと強く認識することができました。
質疑応答
質疑応答コーナーでは、藤井さんに加えて、大手前大学大学院国際看護学研究科セクシュアリティ看護特論院生の仲村礼子さん・小山千里さん・土屋航季さん・大橋磨呼さんがサポートメンバーとしてご協力くださいました。個人情報保護の観点から具体的な内容をご紹介することはできませんが、事前に参加者から寄せられた質問に丁寧かつ真摯にお答えいただき、日常生活の中でなかなか周囲に話しづらい性に関する悩みを打ち明ける場を設けることの重要性を再認識することができました。
アンケート
当日は約20名の学生および教職員の皆さんがご参加くださいました。イベント開催後に実施したアンケートでは、約92%の方に「満足・やや満足」とのご回答をいただきました。参加者の皆さんの声からもある程度本イベントの目的が達成されたことが窺える一方で、まだまだ改善の余地があることを痛感しました。本イベントをさらに良いものにするべく、皆さんからいただいたご意見を存分に活かして参ります。
今後も、学生参画・ジョブセンター(SJC)では、皆さんの学生生活の一助となるようなさまざまなイベントを企画・実施して参ります。皆さんのご参加を心よりお待ちしております。