Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

一度きりの早大生生活

加藤 遥菜

早稲田大学 政治経済学部 4年

ICC学生スタッフリーダー在職期間

2014年11月~2017年3月

 

附属校から進学した私は、大学1年生にしてすっかり早稲田に慣れ親しみ、新歓期を終えサークルにも所属すると、はやくも「早大生」になった気分でいた。だが、しばらくすると、高校と大学では学生生活の在り方が大きく異なることを思い知る。所属していたサークルはなんだかしっくりしなかったため辞めることとなり、無干渉とも思えた大学と自分との繋がりの薄さにショックを受け、次第に自分から行動しないと言葉通り「何もしないで」大学生活を終わることになるのではないか、と恐怖さえ感じていた。

そのような想いのまま1年生を終えようとしていた時、春休みに行われたICCのノーボーダー・スキー&スノーボードキャンプ(後にスタッフとして2回担当させて頂くこととなり運命ともいえるイベント)のイベント情報が目に留まり、悩んだ末に参加することを決意した。2泊3日のキャンプは、ただスキーをするだけでも、ただ友達を増やすことでもなく、異文化理解についても考えさせてくれる素晴らしい機会だった。それ以上に、約120名の参加者をリードし、キャンプを円滑にかつ楽しく盛り上げてくれていた学生スタッフの姿から目が離せなかった。同年代の学生がこんなにたくましく、キラキラと生き生きと活動していることに衝撃を受けたと同時に、「私にはこれかもしれない!」と心のどこかで感じていたことを今でも鮮明に覚えている。

元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田さんのトークセッション

縁があって学生スタッフとして働き始めると、実施したかった元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄さんのトークセッションの企画に早々に取り組んだ。このイベントを企画したきっかけは、彼の想いが詰まった著書や講演に触れ、早大生により広い視野を持って今を生きてほしいという自身の思いと相まって、より多くの早大生に彼のこころざしを伝えたいと感じたことだった。ICC内でイベントを提案するための企画書、講演の依頼、広報文、ポスター作成、会場設営、進行など、すべて一から行うことは容易ではなかったが、高いモチベーションを持っていたうえ新しいことに取り組めることが楽しくて仕方がなかった。イベント当日、講演に先立って述べてくださった「スターバックスで働いている学生スタッフの加藤さんの熱い想いを受け、今回早稲田での講演を引き受けた」という岩田さんのお言葉は、貴重な経験をさせて頂いているという実感をいまこの卒業のときまで忘れさせないでくれた宝物となった。

ミッションを持って働くこと

夢だった岩田さんのトークセッションも実現させ、日々の業務をこなしながら様々なイベントの運営を任されるようになり、学生スタッフとしての誇りや自信がつき始めるのと裏腹に、「自分はICCにどう貢献できるのだろう」、「いまの私のミッションは何なのだろう」と不安や悩みを抱えるようになった。そう思ってしまうのも、周りには個性あふれる優秀な学生スタッフの仲間がいたからだ。そしてこう考えるようになったのだ。

「より多くの人を魅了できるICCにするには、ICCを創るスタッフの姿勢や環境をより良くすることも大切だ。」

スターバックスでのアルバイトと掛け持ちしていた私は、働く環境やスタッフの仕事に対する姿勢を比較することができた。当時のICCでは、ICCを訪れてくださる方々への気遣い(挨拶や来訪者の求めているものを察すること)やスタッフ同士の育成能力が乏しく、目標や働く意義に個人差があると感じられることがあったのだ。自身の気づきをもとに、限られた残りの期間でICCをより良くすることに貢献しようと決心したのである。

パッションを持って働くこと

就職活動を終えICCに復帰すると、新たに採用された個性豊かな学生スタッフが加わっており、センター内の雰囲気も変化しているように感じた。もともと世界各国からの留学生や帰国子女など、様々なバックグラウンドを持つ学生スタッフが集結していたICCではあったが、先輩SSLとなっていた私はこれまでの学生スタッフが築いてきた伝統が崩れていくのではないかと恐れていた。そう、この伝統というのが難しい。以前「具体的になに?」と職員の方に聞かれた際も言葉にして答えることができなかった。それはこれまでのスタッフが成してきた功績や、先輩の姿、言葉すべてに宿っているからなのである。ならば、学生スタッフの皆が出来るだけ目標とやる気を持って仕事に臨み、早稲田の異文化理解・交流の場をより広げるために努められるよう、動くしかない。その結果、普段からの声掛けや日常業務に対するアドバイス、海外研修や他のイベントでの認識の共有を積極的に行うよう試みた。卒業を迎えるいまとなって、時間の足りなさと自身の半人前さを痛感するが、少しでも受け継がれてきた学生スタッフの想いが今後支えるスタッフに伝わっていることを祈るばかりである。

 ICCでの活動がなければ、いまの私は確実に存在しない。人生一度きり。学生生活をICCに捧げることができて本当に良かったと改めて実感する。

このような貴重な体験をさせてくださった早稲田大学、海外研修にご支援くださったWASEDAサポーターズ倶楽部の皆様、ICCのイベントを盛り上げてくださった協賛企業や参加者の皆様、そして誠心誠意向き合ってくださったICCの職員・学生スタッフの皆様に感謝申し上げます。。約2年半、本当にありがとうございました。そしてこれからもICCをたくさん愛してください。よろしくお願いいたします。

岩田さんとの写真

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