Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

いざICCへ!

寺井 彩夏

早稲田大学文学部4年

ICC学生スタッフリーダー在職期間

2014年11月~2016年7月

駆け込みSSL

DSC04163

2014年10月某日朝8時30分。学部2年生だった私はパソコンの前で顔をしかめていました。どうしたものか…。目の前の画面には「ICC学生スタッフリ―ダー募集」の文字と、締切がその日の17時に迫っていることが示されています。同年9月のウェルカムフェスタでサポーター(ボランティア)としてICCのイベントに関わり、学生スタッフリーダーとして働くことへの憧れは募っていました。しかし、身近で目の当たりにしたスタッフの方々の機敏さ、いかにも意識高い系の募集要項の内容、噂に聞くおよそ10倍という選考倍率を前に、自分には敷居が高い気がして、既に開催されていた募集説明会にすら行っていませんでした。しかし、ICCのイベントに参加する度に感じる高揚感、イベントをきっかけに仲良くなれた多くの留学生の友人達、そして、それを支える学生スタッフの輝いている様子などが脳裏でグルグルと回転し続けました。そう、私は元々ICCのファンだったのです。そのICCの運営側に立てたら、どんなに素晴らしいだろう。ダメで元々、挑戦だけはしてみよう。

そのように決断してからの自分の行動力は今でも驚くほどです。思いは溢れるほどだったので、あとはそれをどう伝えるかだけでした。A4二枚の履歴書と自己PRをみっちり書きあげ、イベント企画案資料をパワーポイントで作成。片道1時間半の通学距離をひたすら急ぎ、16時にはオフィスへ駆け込み提出することが出来ました。

そして選考を経て、わたしは幸運にも、SSL(Student Staff Leader)になることができたのです。

職場は、SFの宇宙船?!

DSC04757

私は厳密には100%「純ジャパ」(生まれも育ちも日本である生粋の日本人)というわけではないのですが、小学校から大学まで日本で教育を受けた者として、ICCで働くということは、異世界に迷い込んだようなものでした。それも、例えるならSFなどに登場しそうな宇宙船。色々な星から来た者たちが、同じ言語を話して目的地まで旅をするような船です。見かけや名前だけでは判断できないような様々なバックグラウンドの人々が、日本語と英語を主に共通語として、問題に立ち向かい働いている。天性の楽観主義者の私はこの中でやっていけるのかな、と一抹の不安を抱えつつ、それでもそんな新しい刺激的な環境を楽しみながらSSL生活がスタートしました。

リーダーは顔で笑って心で泣いて

DSC04227

SSLになってまず驚いたのが、その仕事の幅広さです。カウンター対応などの通常オフィスワークを始め、数百人を相手にした広報プレゼンテーション、年間300以上のイベントにおける司会や会場設営、イベント企画立案、外部交渉、協賛依頼、ポスター掲示、スタッフ会議、など枚挙に暇がありません。SSLはそんな仕事を学業と両立させながら、バリバリこなさなければならないわけです。そして、これが想像以上に骨の折れるものです。

そのような様々な業務を行っていくと国際交流に「職」として携わることの難しさを感じます。そもそもICCへの関わり合い方には大きく3通りあります。参加者としてイベントに参加すること、サポーターとして運営のボランティアスタッフをすること、そしてSSL(学生スタッフリーダー)として働くこと。コミットする深さが後ろにつれて大きくなります。SSLは有給のアルバイトという「職」である以上、責任を持って行動し、成果を出すことを意識しなければなりません。

では、ICCにおける責任と成果とは何でしょうか。責任とは、どんなに辛くて泥臭い仕事であっても最後までやりきることです。イベントには多くの人々が関わっており、それを途中で投げ出すことは決して許されません。ダイバーシティな人間関係で立ち回るためには、ある種のコミュニケーション能力を心得ねばなりません。そして、イベント以上に多くあるどんな小さな庶務も正確に行う必要があります。その辛さと泥臭さに負けないタフさが責任です。次に、成果とは、イベント参加者数の他に参加者の満足度があると思います。イベントの質を高めるために、どれだけ周りに心配りが出来るかが成果につながります。責任と成果と向き合っているSSLですが、心の中で葛藤しつつも、にこやかに仕事に臨む姿勢は、同僚ながら皆頑張っているなと互いに鼓舞し合うものでしたし、リーダーだからこそ「顔で笑って心で泣いて」を体感できる経験が多々ありました。

あれ、ところで君ってどこの人だっけ?

SSLとしての日々を送っているうちに、自分の中である大きな変化が起きていたのに気づきました。ある日、オフィスで他の留学生スタッフと話しているときのこと、「あ、そういえばこの子は留学生だった!」と思ったんです。どういうことかと言うと、相手が留学生であるとか、自分とは異なる国籍であるとか、そういうことの持つ意味が自分の中で大きく変わっていたのです。つまり、SSLとして多くのスタッフ仲間、サポーターや参加者、イベント関係者など、ダイバーシティな方々の中で奔走しているうちに、国籍、人種、年齢、性別などの違いだけでは、相手を本当に理解することは出来ないということを学び、そうした情報よりも、目の前にいる相手と向き合って自分自身が感じたことの方が大きな価値を持つようになっていたのです。SSLになったばかりの頃は、イベントにおいて留学生の参加者に話しかける第一声が「どちらの出身ですか?」だったのが、気が付けば、「休日とかは何してるんですか?」など、よりパーソナルな質問に代わっていました。国際交流というと少し仰々しい感じですが、本質的には日常における交流の延長線上にあり、1人と1人として、相手への思いやりや敬意が必要であることには変わりはないのです。

いざ、ICCへ!

自分の企画したイベントが目に見えるカタチとなって実現でき、新しい何かを世の中に提唱出来ること。大勢のサポーターの方々をまとめることに葛藤しながらも、「参加する前は不安だったけど、あなたがいて安心して活動出来た」と言ってもらえること。イベント前は緊張した面持ちで現れた参加者が、目をキラキラと輝かせて交流を楽しみ、新しい仲間達と帰っていく様子を見られること。ICCにおけるSSLとしての日々は、確かに一筋縄ではいかぬタフな面もありましたが、それ以上に得られたものは、形容しがたいほどのかけがえのないものです。1年9カ月前のあの日、応募書類を握りしめてオフィスに駆け込んでよかったなぁと、心の底から感じています。

日本一の留学生数を誇る早稲田大学。その国際交流を担う、ICC(異文化交流センター)では、日々様々な交流の物語が生まれています。本日もスタッフたちが参加者として、サポーターとして、そしてSSLとしてICCに関わりたいと来て下さるのをお待ちしております。

さあ、ここまでお読みくださったあなたも、いざICCへ!

DSC04879

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる