Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

学生生活の集大成 ICC学生スタッフ卒業レポート

Profile-Kim早稲田大学 政治経済学部4年
金 星妍(キム・ソンヨン)
ICC学生スタッフリーダー在職期間
2012年7月~2015年1月

最近友達によく言われるのが、「ソンヨンと言えば、ICCだよね」という言葉である。卒業間近となったいま、SSLとして在籍した2年半を振り返ると、いつの間にかすっかりICC色に染まっている自分が存在している。もしICCに出会えていなければ、私の学生生活はすごく味気ないものになっていただろう。

学生スタッフリーダーになるまで

EそんなICCとの出会いは、2年前期の終わり頃。偶然友達に誘われて足を運んでみた「ICC学生スタッフリーダー(SSL)募集説明会」がきっかけである。当時、私はサークルやバイトに少し飽き飽きしていたので、ちょうど何か新しいものを探しているところであった。しかしそれまでICCの存在は知っていたものの、積極的に自分から参加したことはなかったため、「国際交流イベントを開催している所」という漠然としたイメージしか持っていなかった。でも「国際交流には興味あるし!」と思い、少し軽いノリで説明会に行ったものの、直ちに今まで自分がどれほど甘い認識でいたのかというのを実感させられた。説明会ではSSLがICCの紹介を兼ねて普段の業務内容等を説明していたが、同じ年齢とは思えないほど、ハキハキと喋っていて、すごくカッコいい存在に見えてきた。また、スタッフになると、同じ学生の立場で「早大生の国際交流を支える企画に携わる事ができる」という事に引きつけられ、応募を決意した。それまでもちろん「運営側」で携わった経験はなかったが、自分への挑戦だと考え、応募した結果、幸運にもSSLになることができた。

挫折の連続、失敗から学ぶ日々

いざSSLになってみると、表側では見えなかった運営の裏側の苦労が見えてきた。日々の基本的なオフィスワークはもちろん、カウンターでの対応、メールの書き方、ポスターの掲示方法等、一見簡単そうに見えていても、細かい部分まで覚え、慣れるまでは大分時間を費やした。なかでも私が一番苦手だったのは、SSLの仕事として重要な割合を占める「イベントの企画」であった。自分が興味を持っていることがICCの趣旨と合致し、イベント開催に繋げられれば言う事もないが、中々そう簡単には適わなかった。脳をフル回転させた結果、浮かび上がった企画案は、「韓国関連のイベント」と「グローバル人材の講演会」の2つだった。

まず、自分が韓国人であるバックグラウンドを活かし、韓国文化を体験できるようなイベント案をいくつか出した。しかし、韓国文化はK-POPアイドルや韓国ドラマ等を通して、既に日本に定着していて、気軽に体験できる点から、コンテンツ面での改善が必要となり、先延ばしになってしまった。

もう一つの企画は絶対開催してやる!という気持ちで取り組んだ、グローバル人材関連の講演会。しかし企画に対する思いは強かったものの、またもや大きな壁にぶつかってしまった。それは、「企画書」という壁だった。普段授業のレポートを書く時にも、人の2倍以上の時間がかかっていたため、限られたシフトの時間内に企画書を仕上げるというのは正直苦手だった。そのような「苦手意識」というものが先走ってしまったためか、初企画である「元Apple Japan社長のトーク・セッション」の企画書は7回もの書き直しを経ての完成となった。今振り返れば、企画書から講演料交渉まで、すべてのプロセスにおいて職員の確認や推敲を重ねた、山あり谷ありの経験だった。しかし、失敗と挫折を重ねていく過程で、どのようなイベントがICCの趣旨に合致するのか、どのように説得力のある企画書を書きあげるのか等、自然と考えられるようになっていった。特に大きく変わった点は、以前は「楽しく交流できればいいや」という気持ちで、参加者として国際交流をただ楽しんでいた自分が、SSLになってからは「早大生の国際交流の促進を支えるひとり」としての当事者意識を強く持ち、どうすれば楽しく、有意義な異文化交流イベントを造る事ができるのかという事を、常日頃から考えるようになったことだと思う。

日中韓ホンネ交流キャンプのファシリテーターデビュー

日中韓ホンネ交流キャンプのファシリテーターデビュー

一韓国人留学生として

日中韓ホンネ交流キャンプの担当SSL4人でパシャリ!

日中韓ホンネ交流キャンプの担当SSL4人でパシャリ!

SSLになって間もない頃は、目の前のことで精一杯だったが、1年も経って慣れてくるとICCの課題というものが見えてきた。特に自分が留学生という立場であるせいか、周りの留学生にはICCを活かして、もっと異文化交流をしてほしいという願いがあった。しかし私の周りの韓国人は、彼ら同士で集まる/固まる傾向があるということに気付かされた。もちろん個々人で交流活動をしている学生も少なくない。だが、せっかく日本、いや留学生も多い早稲田に来ているのだから、もっと交流の幅を広げてほしいという思いがあった。その思いから、現状を分析するため、約100人の韓国人留学生にアンケートを実施し、彼らが考えている韓国人留学生の現状とニーズを引き出した。その結果、韓国関連のイベントを開催してほしいという声が多く、まさに新SSL時代からずっと温めてきたあの「韓国文化を紹介するイベント」を指しているようだった。

コリアン・ポップカルチャー・フェア

コリアン・ポップカルチャー・フェア

もともと外国文化を紹介するようなカントリー・フェスタのイベントは、その国の大使に文化紹介をして頂いたり、その国ならではの食べ物を食べながら、留学生と交流するというのが定番のイベント形式である。しかし、韓国の場合はK-POPや韓国ドラマなどを通して、日本でもすでに認知度の高い文化であるため、そのような「典型的な形式」で開催するのは、少し難しいと判断された。また、一回アイディア枯渇で先延ばしとなった企画をもう一度起こすには、一人では限界があると考え、他のSSLを巻き込んだ。皆でアイディアを出し合った結果、いつもの「その国」にフォーカスしたカントリー・フェスタではなく、「K-POP」や「今流行りの文化」という切り口で、最新のコリアン・ポップカルチャーを日英韓トリリンガルで体験できるコーナー形式という新しい形での開催となったのである。 当日は200人を超える集客があり、韓国人の留学生と日本人学生だけでなく、他の国からの留学生同士での交流も深められる理想的な機会となった。この企画を通して、当初課題として挙げていた、韓国人集客問題がすべて解消したとは言えないものの、大きな第一歩となったと確信している。

最後に

ICC留学生カラオケ・コンテスト: 出場者として「ハナミズキ」を熱唱

ICC留学生カラオケ・コンテスト:
出場者として「ハナミズキ」を熱唱

偶然ICCに出会い、数えきれないほど多くの事を学ぶことができた2年半。ICCでの経験が積み重なり、私の学生生活の集大成となったと言っても過言ではないだろう。私はこれから早稲田を卒業し、一社会人としての第一歩を踏み出すが、今までICCを通して恵まれた出会いと経験を大切にし、早稲田を超えて、社会に還元できるように頑張っていきたいと思う。最後にこの場をお借りして、私の可能性を広げてくれたICCに感謝の気持ちを伝えたい。ICCで働けて本当に幸せでした。ありがとうございました。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる