ICC 学生スタッフリーダー Chinatsu
こんにちは!SSL(学生スタッフ)のちなつです。
いきなりですが、お笑いはお好きですか?舞台上で繰り広げられるテンポの良い会話、コミカルな動き。私は小学生の頃から大好きです。
この記事では先日開催したお笑いにまつわるイベント、「ICC お笑いトークナイト~ユニークな日本のお笑いワールドを覗いてみよう!」の企画裏話をレポートしようと思います。
◆どんなイベント?
このイベントは 2024年7月1日、早稲田大学大隈ガーデンホールにて行われました。
内容は
①神戸女学院大学准教授 ヴォーゲ・ヨーラン先生による講演
②早稲田大学公認サークル お笑い工房LUDOより、チートイツ様・白黒パンダ様による漫才
③参加者とゲストの質問・交流タイム
の3本立てでお送りしました。
協力いただいたゲストの皆様、スタッフの皆様に心よりお礼申し上げます。
◆どうして「お笑い」のイベントなの?パフォーマンスに漫才を選んだわけって?
イベントの企画背景を私①と私②の対談形式でお送りします。どちらも同一人物ですがお気になさらず。
私①:「お笑い×異文化交流」、近年のICCでは珍しいテーマでしたが、どうしてこのテーマを選んだんですか?
私②:「文化を超えてみんなで笑いたい!」というのが端的な理由です。
過去に渡米しホームステイした際、当時大ハマりしていた某お笑い芸人の漫才をホストシスターに見せてみましたが、反応は皆無。それは当たり前で、つたない私の翻訳で漫才を聞いても言語の壁は大きく理解できませんし、面白さは失われてしまいます。更に、アメリカのスタンドアップコメディと違い「漫才」というスタイル。当たり前に楽しんでいた漫才も、日本を出ると面白さを伝えるのは至難の業だと実感しました。
私①:それで、留学生も集まるICCでお笑いのイベントを、ということですね。ひとえに「日本のお笑い」といっても様々な紹介の仕方があったかと思います。今回、なぜ漫才を選んだんですか?
私②:企画当初は、日本の伝統的なお笑い「落語」を紹介するなど他の案も考えました。ただ、イベント参加対象者の大学生同士のユーモアの感覚に触れあう機会を提供したい、という思いもあり、ボケとつっこみがキーとなる「漫才」を紹介しました。
漫才は学術的な研究も確立されておらず、イベントを作るには色々と難しさもありましたが、素晴らしい講師の方に出会うことができました!
◆イベント開幕! ”ユーモア研究家”のお話に一同興味津々
イベントは神戸女学院大学からはるばるお越しくださったヴォーゲ・ヨーラン先生の講演から始まりました。

ヴォ―ゲ先生講演の様子(Photo by ICC)
ノルウェー出身のヴォーゲ先生は、専門は日本語日本文化と社会言語学、なんと、ユーモアの研究もしていらっしゃいます。
講演のトピックは、
「ヨーロッパと日本のユーモアの感覚ってどう違うの?」
「お笑いの構造はどう違うの?」
「ユーモアの背景にあるスクリプト理論って?」
などなど、お笑いの根本にある「ユーモアの感覚の違い」を掘り下げた深い内容に参加者一同興味津々。お笑いの感覚を学術的に研究されている先生は珍しく、私自身も沢山学びを得ました。
英語と日本語、時に「なんでやねん!」と関西弁も織り交ぜながらの、様々なバックグラウンドの参加者に届く内容でした。
全く違う言語・文化・構造を持つ「異文化のお笑い」を留学生にも楽しんでもらうためにはまずは理論を学ぶ機会を届けたい!という思いで講演依頼をさせていただきました。この後の漫才パフォーマンスと相まって、先生のお話をより深く理解できたのではないでしょうか。
◆刮目! 漫才パフォーマンス
ヴォーゲ先生のご講演後に会場が暗転。軽快な音楽が流れ出します。「チートイツ!!!!」「白黒パンダ!!!!」の掛け声とともに漫才パフォーマンスのスタートです。
舞台特有の緊張感の中、次々と繰り出されるボケ・ツッコミに会場は笑いの渦に…!!!
ヴォーゲ先生の講演の中でご紹介のあった「スクリプト理論」が実践される様子に、漫才の裏にあるユーモアの感覚が垣間見えます。
- 白黒パンダ!!(Photo by ICC)
- チートイツ!!(Photo by ICC)
早稲田大学公認サークル・お笑い工房LUDOに所属するお二組。
「留学生にも伝わるように」と英語を取り入れたり、いつもよりゆっくりはっきり発音したりと、実は裏で様々な工夫をしてくださいました。
おかげで留学生の顔にもたくさんの笑顔?
アンケートでも「おもしろい!」「楽しかった!」との声がたくさん寄せられました!!
◆みんなの国のお笑いはどんなのがあるの?交流タイムに突入
その後、参加者とゲストを交えての交流・質問タイムへ突入です。色々な国や地域の「お笑い」の話 から 今日の感想、「何を笑いにしていいのかな?何がタブーなんだろう?」というディープなトピックまで、様々な会話が飛び交います。

交流の様子①(Photo by ICC)

交流の様子②(Photo by ICC)
◆最後に…「文化を超えてみんなで笑いたい」 目標は達成できた?-実は大真面目な筆者-
今回のお笑いイベントには、様々なバックグラウンドを持つ方々が参加してくださいました。エンターテインメントコンテンツとしての「お笑い」の面白さを異文化間で共有するには、「言語・文化・構造」と、他にも様々な壁を越えないといけません。ニュースで世界的な話題になったこともありましたが、タブーに感じる内容も人によって様々。本能的な目標に見えて、実は奥の深いトピックです。
そんな「お笑い×異文化交流」のイベントでしたが、ゲストの皆様の多大な協力のおかげで、私がかつて届けられなかった”異文化出身の友達”にも日本のお笑いの面白さを届けられたのではないかと思います。(参加者のみなさんを勝手に友達呼ばわりしてごめんなさい。)
そして、その笑いの後ろで動いているユーモアの感覚について議論する、という個人間の交流ではトピックにあがりにくいような深い異文化交流の機会を提供できたのではないかと感じています。

ご参加ありがとうございました(Photo by ICC)