Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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ICC企画者レポート:世界を繋ぐアイデンティティ サードカルチャーキッズ~ハーバード院卒の企業家から学ぶ、グローバルに活躍するためへの道のりとは ICCトークセッション

 S.Y. (学生スタッフリーダー)

はじめに

みなさんこんにちは!11月20日に実施した「世界を繋ぐアイデンティティ サードカルチャーキッズ〜ハーバード院卒の起業家から学ぶグローバルに活躍するためへの道のりとは〜」へご参加いただき本当にありがとうございました。本イベントを企画しましたICC学生スタッフのS.Y.です。この場を借りて、企画まで至った経緯やイベントを成し遂げて感じたことについて、改めて振り返っていきたいと思います。今回残念ながらイベントに参加できなかったという方も是非ご覧いただければ幸いです。

【イベントポスター】

企画背景

イベント当日に紹介させていただきました通り、私自身「サードカルチャーキッズ(TCK)」として育ちました。参加者にとっては、おさらいとなりますが、TCKの定義は、親の文化を第一文化、パスポートに記載されている国の文化を第二文化とした時、そのどちらにも当てはまらない多様な第三文化の中で育った子供のことを指します。

私の場合、両親はどちらとも日本生まれの日本育ちですが、父親の仕事の関係で数年ごとに海外と日本を往復してきました。「私の実家はここ!」と言い切れる場所が未だにないこと、また、「あの子は帰国子女だから」という偏見を持たれることに対して困惑した時期も長く続きました。大学の進学先として日本を選択したのも、真の日本人として母国とのより深い繋がりを求めていたからなのだと思います。しかし、早稲田に入学してからは日本人としての自己認識が深まるどころか、生まれながらにして培ってきたTCKというラベルに対して誇りを持てるようになりました。自国での生活を再びスタートしたからこそ、価値観や考え方が多くの人と異なっていることに気づくことができ、そういった差異を最大限に活用しながら日本社会に貢献したいという願望を持つようにもなりました。大学内で多様性を促進するICCの活動に関わり始めたのも、TCKとして培ってきた異文化を尊重し、受け入れるオープンマインドを発揮できる場だと強く感じたからです。

日本ではTCKより「帰国子女」という言葉の方が日常的に使われていると思います。当事者でありながら、私はこの言葉を実は避けるようにしています。帰国子女と聞くと、ただ単に「海外へ移住して、帰国した人」という表面的な描写で終わってしまいますが、TCK、そして、サードカルチャーという概念を持ち込むことによって、より自身の異文化体験を人と深く共有できると感じているからです。近年、ますますグローバル化が進んでおり、誰しもが自分とは違う文化を持つ人と接したことがあるはずだと思います。TCKは幼い頃から多文化を受け入れることが当たり前である環境に置かれることで、いくつもの壁にぶち当たりながらも多様性に適応する能力を身につけています。今回、第三文化という概念をより多くの人に知っていただき、TCKの持つ広い視野や異文化適応力の魅力について理解を深めることで、参加者が異文化コミュニケーション力を強化する上での何かしらのヒントを得ることができるのではないかと考え、この企画に至りました。

ゲストとしてお招きした水田様はハーバードビジネススクールへ留学していた際、「自分の全能力を使って、一つだけ人のためになる課題を解決できるとしたら何をしたいか?」と問われたことをきっかけにTCKである子供たちをサポートする会社を起業されました。当日は、自身がニューヨークで過ごした経験だけでなく、教育とビジネスの狭間で多様性を追求されている経験豊富な水田さんに、異文化理解の重要性について語っていただきました!

イベントを通して

当日は自身がTCKの方、そうでない方、TCKの親御さん、友達にTCKが沢山いる方など、幅広い参加者にお越しいただきました。1時間半という長い講演でしたが、多くの方が話されている内容のメモをとられたり、写真を撮ったり、水田さんのお言葉に深く頷いたりと、最初から最後まで参加者の熱心に聞く姿勢が印象的でした。

異文化交流をする際、どうしたら、「あの人は自分とは違うから」という悲観的な先入観を持たずに人と接することができるのかについても、的確なアドバイスをいただきました。中でも一番私の心に残っているのは、「今この瞬間、あなたの隣に座っている人は、たとえ人種や国籍が同じだとしても、「異文化」を持っているんです!」というお言葉でした。文化とは極めて抽象的な概念である上に、一人一人の経験をもとに形成されるものだと思います。自分の属する人種、国、宗教などにより人々は文化を括ろうとしますが、それらは単なるカテゴリーでしかないのではないでしょうか。同じ日本人だとしても、私の持つ文化と、今この記事を読んでくださっている皆さんの文化は全く同じではありません。そもそも価値観や考え方が全く同じ人なんてこの世にいませんよね。文化もそれと同じだと思います。水田様のお話を通して文化という概念は一般的な分類に必ずしも縛られる必要はなく、様々な形として存在するものだということを認識することがいかに大切であるかを痛感しました。だからこそ、「サードカルチャー」といった概念を広めることが真の多様性を推進することへ繋がるのではないかと改めて思います。

最後に

この企画を通じて、TCKである人、そうではない人、双方にとって多くの学びがあったとの声をいただき、とても意義深いイベントとなりました。企画者としてもやりがいのあるものでした。ICCのコアである「多様性」「異文化」について新たな視点から参加者と共に考える貴重な経験となりました。当事者である私にとって、「TCKであることは時間差のある贈り物」だという水田様のお言葉以上に共感し、励まされたことはありません。来年の秋には1年間アメリカへの留学も決まり、またなじみのない国で新たに異文化を体験してきます。本イベントを通して学んだことを活かし、より多様性に対する関心、理解を深めていきたいと思います。改めまして、TCKトークセッションに携わってくださった皆様、本当にありがとうございました!

Dates
  • 1120

    WED
    2019

Place

大隈ガーデンハウス

Tags
Posted

Wed, 18 Dec 2019

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WASEDA University

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