Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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ICC企画者レポート:「農業」で民族を越えた共生を目指す~南スーダンにおけるJCCPの紛争解決~

K.M. (学生スタッフリーダー)

みなさん、こんにちは。

先日、6月5日に開催された「トークセッション「農業」で民族を越えた共生を目指す~南スーダンにおけるJCCPの紛争解決~」を企画した学生スタッフです。
イベントにお越しくださった皆様、ありがとうございました。

本トークセッションは、先日私が企画したトークセッション「私たちが知らないシリア難民の今 ~子どもたちに教育を~」のちょうど一週間後に開催したイベントでした。今学期、第2弾となる国際協力がテーマのトークセッションの企画であり、私にとってはICCのSSL(学生スタッフリーダ―)になってから同分野において3度目の企画となります。

私は、今まで継続的に国内外からゲストをお呼びし、国際協力分野での最前線における様々な活動を取り上げてきました。ここでは、本企画ならではの背景や想いをご紹介できればと思います。

◆企画背景と想い

私は小学校低学年時にJICAが主催する国際協力イベントに参加した経験があります。そのイベントで日本の農業技術が地球環境を改善し、開発途上国の人々の暮らしを支えていることを学び、幼いながらも感銘を受けたことを覚えています。それをきっかけに農業と国際協力に関心を持つようになりました。中学生の時には、有志を集め大学の農地をお借りし、季節ごとさまざまな野菜を育て栽培を楽しむ経験をしました。鎌や耕運機を使った農地の開拓から行ったため、失敗や苦労も多くありましたが、たくさんの野菜が実った際には、それまでの苦労が吹き飛びました。また、仲間とともに試行錯誤を繰り返したことで、今まで以上に仲を深めることもできました。
その後、高校時には三年間、開発途上国での持続可能な自然農法を提案するために、ミミズを用いた土壌改良について研究を行ってきました。

高校時の研究発表の様子

大学入学後も農業という観点から国際協力ができないかと情報を集めていた際に、日本紛争予防センターの活動に関するインターネット記事を読みました。特に、南スーダンでの活動において、紛争解決の手法で一般的な、現地で暮らす方への平和構築の研修を開催するだけでなく、対立する民族間の信頼を取り戻すために、農作業という手段で対立する民族が共同作業を行い、互いの理解や対話を促進させる活動が非常に印象に残りました。異なる価値観を持つ人々が野菜栽培を通して理解し、助け合う気持ちが生まれることは、私が仲間とともに苦労を分かち合いながら、野菜栽培を通して積んだ経験と重なるところがありました。

私自身も将来、農業や環境の分野に関わりながら国際協力の仕事をしたいという希望を持っていましたが、独自のユニークな手法で人々の異文化理解を促進し紛争解決に取り組む活動について、早稲田大学における留学生および日本人学生にもっと知ってほしいという思いが強くなり、本トークセッションの企画に至りました。

◆企画準備

イベント企画の第一段階である内部企画書を作成してから、広報活動までを振り返ると紆余曲折の道のりでした。外部企画書と資料をもって日本紛争予防センター東京本部でゲストとの企画の打ち合わせを終えてから、詳細が決定するまで4か月以上の時間を要しました。ゲストの途上国への出張なども重なったため、意思疎通と企画の進行には工夫を凝らしました。苦労することもありましたが、開発途上国の最前線、更には一般の人々には渡航が許されていない紛争地帯、南スーダンの知られざるリアルとその活動を知る機会を新たに打ち出すことに使命とやりがいを感じながら、実施まで至りました。

完成したポスター

テーマが分かりやすく、インパクトのあるポスターの作成を心がけました。

国際協力の活動は様々で、多元的な意味を持つ為、多くの人がぼんやりとしたイメージを抱かれると思います。そのため、特に本イベントでは、農業と民族融和といった新たな切り口から紛争解決を提案するユニークさをアピールし、国際協力が持つ独特の色や先入観を排除して、より身近に感じてもらえるように努力をしました。
講演会当日は司会進行役及び、統括を務めながらも、一参加者としてもゲストのお話に聴き入りました。南スーダンの現状や、民族対立の裏側、農業を含めた研修のリアルな現場など、普段知り得ないお話をお聞きすることができる貴重な機会となりました。特にゲストの吉川氏は、実際に現地の方とコミュニケーションをとる際の工夫やアクティビティを講演会中にも実践していただいたため非常に分かりやすく、大変学びの多い時間となりました。

トークセッションの様子

◆最後に

本イベントの様子やアンケート結果からも参加者の意識の高さ、満足度の高さを知ることができ、うれしく思いました。私自身も企画させていただくことができ、貴重な経験を得ることができました。
引き続き、国際協力に関係するイベントの実施にもより力を入れようと考えています。
これからも、参加者の皆さんが自分の興味・関心の幅や世界観を広げるような異文化への「入り口」となる体験をテーマに、イベントやプロジェクトを打ち出し続ければと思います!

それでは、また。

Dates
  • 0605

    WED
    2019

Place

大隈ガーデンハウス(25号館1階)

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