社会科学部3年
長島未来
昨年の12月12日に、早稲田で珍しいイベントがあったので参加してきました。
ICCのトークセッション「スローフード×日本酒~Slow Sakeから学ぶ日本文化とは~」というものです。私の中では、参加する前までは、スローフードと日本酒の関係性が結びつかず、そもそもスローフードって聞いたことあるようで、よくわからない概念でした。
日本酒が大好きな私にとっては(笑)、日本酒の試飲ができてスローフードのことまで学べるこの機会を逃すまいと思い、足を運んでみました。
開催場所は22号館のWILLラウンジ。留学生がよく利用する建物であるのに加え、ICCのイベントであったからか、日本酒イベントにも関わらず多くの留学生が参加していました。
講演してくださったのは、田畑さんというSlow Food Nippon Slow Sakeプロジェクトリーダーを務めていらっしゃる方で、当日は着物を着て、日本酒の説明からスローフードの説明をしてくださりました。私自身も日本酒の酒造見学などもしたことがあったのですが、改めて日本酒ができるまでの過程や、温度管理の難しさを知ることができました。
何よりも衝撃的だったことは、日本酒を造っている酒造の数が年々減っていることでした。
都内では、若者にも日本酒を知ってもらうために、ワイングラスに日本酒を入れて提供したり、日本酒の飲み比べなどが人気ですが、それとは裏腹にこのような事実があるのは残念だと感じました。
「何か私た ちにもできることはないのだろうか。」
そんなことを考えながら、日本酒の試飲を味わっていた時、今回のイベントの主旨であり、スローフードの概念である「郷土料理やその食材の背景や歴史を知り、味わい、生産者を想うこと」に答えがあるように感じました。
日本酒の良さを伝えることは、日本文化を知ってもらうことにも繋がります。
今回試飲させていただいた日本酒のひとつは、様々な国の人が集まるノーベル賞の晩餐会にも提供されたお酒で、日本人として誇らしい気持ちにもなりました。
普段口にしているものがどこから来たのか、どういう食文化からできあがったものなのか。そのようなことを考え楽しみながら、感謝の気持ちを持ってスローフードの概念、そして日本酒について、日本のみならず、世界中の人々に伝えていきたいなと感じたイベントでした。