政治経済学部2年
氷沢 遼
今回のトークセッションはカレーの本場インドの人々に日本で普段私たちが食べているカレーを提供するという大胆な挑戦をしているKUURAKUグループの廣濱さんのお話だった。私は今回のイベントまでこの会社のことをぼんやりと居酒屋の会社としてしか知らなかったのだが、KUURAKUグループは実は1999年にオープンしてからまだ20年弱でカナダ、インド、スリランカなどの海外で事業展開を行っていて外食産業のみならず、塾経営を通して教育業界にも進出しているという、非常に成長著しい野心的な企業なのだということが分かった。インドで事業を行っている中で経験した、日本ではありえないインドならではの苦労エピソードの話は興味深かった。インドでは法律がコロコロと変わるそうで、ある日いきなり高速道路の近くでお酒を提供するような一切の営業を禁止する法律が出来て非常に困ったということもあったという。自分たちのやっている店がある日突然違法になってしまうのだから当然だろう(笑)。ほかにも突然街の名前が変わり、ポスターから何から何まですべてを変更しなくてはいけなくなった、などなど様々な印象的な話が聞けた。
今回のイベントでは、私たち参加者にKUURAKUがインドで提供しているというカレーを試食する機会があった。少し辛目のおいしい日本のカレーだった。チキンのうまみがよく出ていてさすがプロという味だった。質問タイムではインドの人々は日本のカレーを偽物のようにとらえるのではないか、インド人からの評価はどうなのかという質問が出されたが、廣濱さんがおっしゃるには、インドのカレーとは違うがカレー風味の別の美味しい食べ物としてインドの人に好評だという。インドのカレーがイギリスに伝わり、ライスと一緒にかけて食べるカレーライスという料理になった後、日本に伝わり日本風のまろやかなカレーシチューライスのようになり、一周回ってKUURAKUのカレーがインドに逆輸入されるというのは感慨深いものがあるなあと思った。これぞ食のグローバライゼーションといったところだろうか。