Intercultural Communication Center(ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

★ICC★ 実際に面と向かって話せた機会

早稲田大学大学院 日本語教育研究科 修士1年

                    鈴木沙季

 

1.参加のきっかけ

私がこのキャンプに参加しようと思ったきっかけは、ICCのチラシをふと手に取った時に、この機会を逃したら、繊細な問題について中国や韓国からの留学生の本音を面と向かって聞くことができる機会はこの先なかなか無いのではないかと考えたことでした。

私は現在、大学院で日本語教育について学んでいますが、中国や韓国から日本語を勉強しに来た留学生たちと接するようになり、仲の良い友達がたくさんできたため、一人ひとりに自然と好感をもつようになりました。

しかし、そうしてできた仲の良い友達にも、どうしても聞けないことがありました。それは、本当のところ日本についてどう思っているのかということです。私はこれまで中国人や韓国人は怖いというイメージを漠然ともっていました。なぜなら、日本と中国や韓国との間には政治や歴史など、多くの繊細な問題があるため、彼らに反日の気持ちが強く存在するのではないかと考えていたためです。そのため、なぜ日本に来て日本語を一生懸命勉強してくれているのか、彼らが「日本語を勉強している」ことが中国や韓国で周りの人からどのような印象をもたれているのか、といった疑問をもち続けていました。もし、踏み込み過ぎて関係が壊れてしまったらということを恐れ、友達には聞けなかったそれらの疑問について、今回「ホンネで話す」ことを目的として集まった人たちになら直接聞けるのではないかと思い、このキャンプに申し込もうと決めました。

2.キャンプの思い出

実際にキャンプ当日になるまでは、おそらく学部生が多いなか、自分のような院生が行って場違いだったらどうしようといった不安や、本当にホンネで話して、気まずい雰囲気の2泊3日間にならないのだろうかといった不安などがありましたが、実際に行ってみたら、そのような不安は全て吹き飛びました。なぜなら、集まった人の年齢が本当に様々で、年齢関係なく仲良くなれたうえ、プログラムの進行に様々な工夫がこらされていたため、気まずくなることなくホンネで話せる土台ができたからです。以下に、このキャンプで工夫されていると感じた点を3つ挙げます。

まず、1つ目は、本題のトークに入る前に、必ず楽しいアクティビティが入っていた点です。他己紹介や「隣の隣」ゲームで楽しく皆の名前を覚えることから始まり、「秘密の暗号」を使ったグループメンバー探しや、グループ対抗ジェスチャーゲーム、鬼ごっこや王様ドッヂボールなどの童心に帰れるスポーツ交流などを通して、会ったばかりの人たちと楽しく打ち解けることができました。これらのアクティビティのおかげで、これから本題について話し合う相手への認識が、「見ず知らずの人」ではなく、「これから一緒にホンネで話す仲間」へと変わり、その後の活動への信頼の土台ができたように思います。また、アイスブレークの時間に行われた異文化シミュレーションゲームは衝撃的で、楽しく交流できたうえに考えさせられるものだったので、鮮明に記憶に残っています。この先もキャンプでやるかもしれないので、詳細は書きませんが、ぜひ色々な人に体験してもらいたいと思いました。

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次に、2つ目に工夫されていると感じた点は、ディスカッションのテーマが、焦らず徐々に本題に近づいていく形になっていた点です。行きのバスで「2日目の夜まで、本題を話すのは禁止」というルールを聞いていたので、それまではどのような話をするのだろうと考えていたのですが、いきなり重い話題で話し合うのではなく、ホンネで話すためのルール作りから始まり、学生生活や恋愛観、職業選択のような身近な話題でホンネを話す練習を積んでいくことができたため、本題に入る前に、逃げずにホンネを言う勇気や覚悟をもつことができたのではと思います。

最後に、3つ目に工夫されていると感じた点は、「個人」ではなく「○○人全体のイメージ」をあえて書き出してお互いに質問・回答し合う時間と、「○○人代表」ではなく「個人」として繊細な問題についてホンネを話す時間の両方が設けられていた点です。前者はポストイットを用いた「イメージ・ウォール」や「ポストイット・トーク」で、中国人や韓国人全体をイメージする際に、自分たちと違っていて疑問に思うことを色々質問することができ、とても面白かったです。それと同時に、日本のことで自分が普段意識していなかった点について、中国や韓国の学生から質問を受けたことへの驚きから、自分が当たり前だと思っていることが実はそうではないということを考える良い機会にもなり、視野が広がったのを感じました。

そして、後者の時間は、自分の関心のあるテーマの島に集まって政治や歴史についても話す、本題の「アイランド・トーク」でした。こちらは始まる前に、ICCのスタッフの方から、「○○人代表」ではなく、「私個人はこう思う」という形で話しましょう、また、真実はここで議論しても分からないので、そのことを踏まえたうえで、これからの関係を良くしていくにはどうしていけば良いのか考えるという方向で話しましょう、という話があったため、その共通認識をもって、お互いに「その人個人の意見」として受け止め合うことができたと思います。メディアやネットを通してではなく、実際に面と向かって話を聞くことができたため、同じ国の中でも様々な考え方をする人がいるという、本来当たり前なのに忘れてしまっていたことや、育ってきた文化や背景の違いから、一つの行動に対する感じ方や捉え方に違いが生じたり、メディアやネットの影響でお互いに誤解してしまうことに気づくことができました。また、前半は重いテーマについて話す島が目立ちましたが、後半は恋愛の島もかなり盛り上がっており、本当に全部の島を回りたいくらい、様々なテーマの島でそれぞれが真剣に話し合っているのが伝わってくる、充実した時間でした。

3.キャンプから帰ってきて

このキャンプを通して、日本、中国、韓国の様々な学生が持つ真剣な思いを聞くことができ、自分の抱えていた先入観も変化させることができたため、本当に行って良かったと思いました。また、このキャンプ中に聞こうと思っていたことも質問し、自分の先入観からくる勘違いもたくさんあったことが分かり、中国や韓国から来た学生と話すときに必要以上にもっていた不安を解消することができたため、帰ってきてから、友達と今まで以上に自然に話せるようになりました。

また、このキャンプは繊細な話題について真剣に話し合う学びの機会になっただけでなく、とても楽しい夏の思い出にもなりました。鴨川セミナーハウスの涼しく広々とした空間で、おいしいご飯を食べたり、自由時間にも集まって話したり遊んだりと、楽しい時間を過ごすことができました。

申し込んでみようか迷っているという方は、ぜひ申し込んでみることをおすすめします。参加した人の中には、中国や韓国からの留学生と話したことがなかったという人もいますし、学年や年齢に関係なく楽しく学びの多い時間が過ごせるのではないかと思います。「○○人はこう」という先入観をもっていたとしても、実際に一人ひとりと話してみて新たに気づくこともたくさんあると思います。今後もたくさんの早稲田生がこのキャンプに参加して、そこで得た学びを自分の周りの人へも広く伝えていってくれたらと願っています。

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