Intercultural Communication Center(ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

SSLとしての8ヶ月(新実真木)

政治経済学部4年

新実 真木

在職期間:2009年6月~2010年2月

 

ICCで働いた約8ヶ月間、大変なときもあったが色々と気づかされることも多く、とても良い経験ができた。学生スタッフリーダー(以下、SSL)の日々の仕事に関しては諸先輩方のレポートで詳しく書かれているので、ここでは私がSSLとしてどのように働いてきたかということを中心にまとめたい。

 

1、学生スタッフリーダーに応募する。

SSLに応募したきっかけは、就職活動が終わり時間に余裕ができた中で、「大学で何かをやりたい」と感じていたことだった。もちろん、「アルバイト」を探していたのもあったが、ただ普通のアルバイトをするよりも自分のためになり、人のためになる何かをしたいと思っていた。そんな中、「ICC学生スタッフ募集」というお知らせはジャストインタイムだった。実はそれまでICCのイベントに参加したことがなかったが、「早稲田のLS(日本で教育を受けた学生)とIS(外国人学生)をつなぐ」という理念や多種多様なイベント開催実績に惹かれ、以前携わっていたディスカッション・イベント運営の経験を生かして、早稲田でLSとISがともに考え・語ることができるようなイベントをICCで作っていきたい、と考えて応募した。

 

2、SSLとして働き始める。

ICCで働き始めて、まず驚いたことは他のSSLが非常に優秀なことだ。英語は当然のこと、3ヶ国語を操るのは普通で、「国際色」あふれるメンバーばかりであった。また、当時はWGF(ワセダ・グローバル・フェスタ)という大々的なイベントが進行中で、担当のSSLは平然とものすごいスピードで仕事をしていた。こんな人たちに囲まれて、卒業までのわずか数ヶ月間で自分はSSLとして何ができるのだろうか、と少し不安に思ったことを覚えている。入った時期の関係で、当初やっていたことといえば、カウンター業務や広報物の発送・ポスター貼りなどの事務作業とイベント時の椅子・テーブルなどの搬入および撤収といった力仕事がほとんどであった。単純ではあったが、「縁の下の力持ち」的な役割を持った重要な仕事だった。

 

3、「働く杯」の中心スタッフとなる。

試験期間が終わり夏休みに入ると、秋に留学予定のSSL5人がICCを去り、後期のイベント運営は数人のフルタイムスタッフ(FS)に加え、旧SSL2人と新SSL5人によって運営されていくことになった(その後9月にもう2人SSLが加入する)。

話は少し前後するが、ICCでは、次学期が始まる数ヶ月前からその学期に何をするか検討し始める。2009年度後期に向けての打ち合わせでは、各SSLから様々な企画案が出された。「LSとISでのディスカッションの機会を増やしたい」、「模擬サミットや模擬国連のようなものをしたい」、「貧困問題について取り上げたい」、「ICCのイベントで実務的なスキルを磨ける機会を提供したい」など、テーマ・形式ともにさまざまであった。そんな過程で、後期はアカデミック系のメインイベントを開催することになり、SSLそれぞれの提案が総合されて誕生したのが、LSとISがチームをなして2ヶ月間対象国の「働く」に関するテーマを追い続けてビデオ・レポートを作成するという、グループ・リサーチ・プロジェクト「働く杯」だった。私はこのプロジェクトの進行管理を担当することになった。

それまでの経験から「進行管理」がどんな仕事なのかはぼんやりとはイメージを持っていて、しっかり準備立てればうまく進んでいくだろうと楽観していた。しかし、実際には考えていたほど簡単ではなかった。プロジェクト全体としていつまでにどのような状態になっている必要があるか、そのために誰が何をいつまでにやるか、そのために今決めるべきことは何か、決めるためにはどのような手順を踏むべきか、内容はどうするか……などの大小さまざまなことを考えつつ行動に移し、スケジュールに沿ってタスクを進めなければならなかった。プロジェクトの準備が本格的に始動するにつれて、この難しさを味わうことになる。もっとも、プロジェクトの大枠は決まっていたから、基本的にはまったくのゼロから全てを組み立てるということではなく、曖昧な部分を具体化することと、具体的に決まっていることを実行していくための様々な準備をすること、それを他のSSLとともに円滑に進めていくことが私の主な役割だった。

その中でも一番大変だったのが、参加者同士の初の交流の場となる「合宿」の準備だった。1泊2日の合宿では、参加者たちがこのプロジェクトの趣旨・目的を理解し、チームのメンバーと親しくなり、同時にプロジェクトに必要なスキルを磨いてもらうことを目的としていた。そのためのコンテンツをSSLで企画し、1泊2日という短い時間で実現していくことになった。私はコンテンツごとに担当者をつけ、節目節目で相談をしつつ、それぞれ準備を進めていってもらうことにした。

準備は順調に進んでいるかに思われたが、ディスカッションやディベートをもってして参加者同士の活発な交流を可能にすることを企図したコンテンツを企画する中で壁にぶち当たった。それは、プロジェクトの主題である「働く」に関するテーマで参加者に「深く考えてもらい、何かを得てもらう」ようなコンテンツ内容を企画するには、私たちSSLは「働く」についてあまりにも経験知がなく未熟であることだった。月並みなトピックを取り上げて意見交換を重視したものならば容易だっただろうが、キックオフとして泊りがけの合宿まで行なうのだからそれ以上のものを作り上げたいという責任感や自負心がそれを受け入れなかった。参加者と同じく学生である私たちが何を提供できるのだろうか、「働く」を深く考えられるような切り口はなんだろうか、とひたすら考える日々だった。仕事が終わった後もSSL何人かで話し合ったり、フルタイムスタッフに意見をもらったりと、検討に検討を重ねて、それでも企画は何度もボツになった。結局、「これでいこう」とコンテンツ内容が固まったのは合宿の直前だった。このように企画内容を考える傍らで、その他の担当SSLの進捗状況をチェックしたり、当日の細かい進行表を作ったり、全体の打ち合わせを開催したりと合宿が近づくにつれてばたばたとしていた。進行管理役として計画的に進められず、他のスタッフにはとても迷惑をかけてしまったが、皆の協力でなんとか合宿の準備を整えることができた。どんな参加者が来るのだろうか…と緊張しながら合宿当日を迎えた。

 

4、「働く杯」が始まり、終わる。

合宿では、用意したコンテンツはスケジュール通り次々とこなされていき、特に大きな問題もなく終えることができた。前述したディスカッションのコンテンツも、参加者が「働く」を考える一つのきっかけになったという点で、成功裏に終えることができた。合宿が無事終わり、メンバーやチーム、リサーチ対象国が決定したことで、名実ともに「働く杯」が始まった。いったんプロジェクトがスタートしたら、私たちSSLのできることは、研修会の引率、ビデオカメラ貸出手続き、報告会の開催、などに限られていた。「働く杯」は参加者主体のプロジェクトであるから、どのようなリサーチをどのように行うかは参加者次第だからだ。それでも、SSLの存在意義を考えて、参加者が困った際にはすぐサポートできるように意識がけた。各チームが真剣に取り組む姿を見続けて、ビデオ・レポートの完成を楽しみにしているうちに、12月の発表本番を迎えた。発表は大隈講堂で行われたが、私はプログラム全体の司会をつとめた。各チームとも発表を終え、最後に第二部で講演した日本代表の岡田武史さんと記念撮影をして「働く杯」は無事閉幕した。

「「働く杯」は成功した」、終わった後の打ち上げで参加者の方々から色々な話を聞いているうちにそう確信した。「とても大変だったけどとても楽しかった!」「来年もまた参加したい!」など、色々なことを言ってもらえた。もちろん、プロジェクトの細部やICC/SSLの役割などで改善すべき点や反省点はいくつかあった。しかし、「働く」というテーマを軸にLSとISの間で「アカデミックな国際交流」を促進する、という「働く杯」のベースにある「ねらい」は確かに達成できたと感じた。それと同時に、このようなアカデミック系プロジェクトの意義の大きさと、中心となってこれに携われた喜びを実感した。

 

5、おわりに

これまで紹介してきたように、私のSSLとしての仕事の大半を占めたのは「働く杯」であった。既に述べたが、「働く杯」は、「アカデミックなイベントを中長期でしたい!」というSSLの提案を土台にして作り上げられたものだ。ICCでは、このように自分たちの問題意識をすぐにイベントに反映させられる土壌がある。そして、問題意識を磨き上げ、常にアンテナを高く張っておくことがSSLの役割であり、イベントを通じてその問題意識/関心に多くの人を巻き込んでいくという点が、SSL=学生スタッフ「リーダー」であるゆえんなのだと思う。

私が8ヶ月間SSLとして取り組んだ仕事は、本来SSLが担うべきこと、あるいはSSLとして実現できることのごくごく一部でしかない。それだけ、早稲田の国際交流を担う「リーダー」としてSSLの役割は幅広く、期待は大きい。また、私はSSLとしての経験を通じて、自分の未熟さは当然のこと、プロジェクトマネジメントの難しさや国際交流の様々なあり方など多くを学んだが、これもまたごく一部でしかない。ICCでは取り組めば取り組んだだけ何かしら学ぶことができる。このスタッフ体験記を読んでICC/SSLという存在に魅力を感じてくれるならば喜ばしい限りだ。

合宿 記念撮影with岡ちゃん(最後) 働く杯本番(司会)

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