Intercultural Communication Center(ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

ICC学生スタッフリーダーを経験して(施依依)

早稲田大学第一文学部4年

施(せ) 依依(いい)

在職期間:2006年6月~2009年8月

WGF 無国籍キャンプ ミュージカル

国際コミュニティセンター(以下ICC)は、早稲田における外国人学生(International Students、以下IS)と日本人学生(Local Students、以下LS)との相互交流を促進するイベントやプログラムを提供する機関として、2006年7月にオープンした。早稲田大学は、日本の大学において留学生受入数が最も多い大学であるにも関わらず、ISとLS間の交流機会があまりないという声が多かったため、そういった機会をもっとも増やすために、ICCが設立された。

もちろんそれまでも早稲田大学には国際交流団体が存在していた。WICや国際交流虹の会といった学生サークルがその代表的なものであろう。しかし、ICCが設立される2006年前後は、学生による早稲田内の国際交流が特に活発化していった時期であると思う。

2005年12月には、早稲田イルミネーションプロジェクトが始まり、2006年には早稲田インターナショナル・フェスティバルが開催され、以来どちらも、早稲田を代表する国際交流イベントとして多くのIS・LSが参加してきた。これらは新たな学生団体であるが、その成長・発展ぶりは目を見張るものがあり、同時に参加した学生にとって本当にかけがえのない経験を与えてきたと思う。私自身もこれらのイベントに参加していたが、IS・LS関係なく色々な人に出会い、本当に多くの刺激を受けた。

こういった学生主体の活動と比較すると、ICCのイベントは少し堅苦しく、とっつきづらく感じるかもしれない。やはり大学の公的機関の一つということで、学生団体と比べて制限も多く、やりたいことを何でもできる、というわけではない。しかし、だからこそICCでイベントを行うことは非常に意味のあることだと思う。

例えば、私が友人と考え付いて、2008年10月と2009年2月に1回ずつ行った「無国籍キャンプ」というイベント。これは、よくある既存の「国際交流」に対する疑問から生まれたイベントである。ICCは現在に至るまで実に多様な異文化交流プログラムを提供してきており、それは各地域ごとに文化を紹介していくものから、学術的な切り口のものまで、また、短期のイベントから長期のプロジェクトまで、切り口、規模など、どれを取っても実に様々なものがある。しかし、「国際」交流という名前自体、すでにそういったイベントやプログラムに参加する学生に無意識のうちに国籍や国境を意識させるものとなってしまっているのではないだろうか。無意識のうちに、「この人は~人だから」などといった色眼鏡で人と接しているのではないか。しかし、それらを取り除いていかなければ、表面的なきれい事で終わる薄っぺらい国際交流となってしまう。「国際」という言葉に惑わされず、人間としてぶつかり合い、それを乗り越えていく中にこそ真の交流がある。そのように考え、このような真の交流を追求するためにも、「無国籍キャンプ」を提案した。

無国籍キャンプには簡単なルールがある。「国籍・本名・所属を言わない」というルールだ。これらは、普段初対面の人に自己紹介する際、必ず最初に言う情報だろう。しかし、こういった情報を最初に言うことによって、それらの情報から引き出されるイメージや固定観念の枠に当てはめたままその人と接し、無意識のうちに固定観念から相手を規定してしまっているのではないか。ならばそういった情報を取り払って、その人自身と接するようにしてみよう。そして、国籍等、社会に存在する様々なborderから生じる固定観念について考えよう。そんな非日常的なキャンプが無国籍キャンプであった。

このように、無国籍キャンプというイベントは、ICCが普段開催しているイベントに対していわば疑問を投げかけるものであった。ICCがよく開催している「○○カフェ」やカントリー・フェスタ、ランゲージ・アワー等のイベントで隣に座った初対面の人と最初に話すであろう会話を否定してしまっているのだから。

ではICCがこのイベントを行おうとしなかったかというと、そうではない。むしろ今までにない斬新なイベントとして、快く一緒に進めてくれた。ミーティングを重ね、アクティビティの内容について詳細に打ち合わせを重ねた。ICCのフルタイムスタッフは、無国籍キャンプをよりよいものにしようと、常に一緒に考えてくれた。

もちろん、この無国籍キャンプを学生団体として立ち上げ、自分たちだけで進めてもよかった。でもそうしなかったのは、このイベントをICCでやるからこそ意味があると思ったのだ。なぜなら、この無国籍キャンプをICC主催で行えたということは、その理念を早稲田大学の公的機関であるICCが認めたということであり、早稲田大学が認めたということに等しいからだ。無国籍キャンプにおいて扱うデリケートな話題は、多くの場合大学等の公的機関にとっては扱いづらく、それ故に回避されることが多い。しかし、ICCは果敢にそれに挑戦し、素晴らしい成果を得ることができた。こういったチャレンジ精神はICCの大きな魅力の一つであり、その大部分を担うのが学生スタッフリーダーである。

そういった意味で、ICCは学生の力を束ねていく可能性を秘めた場であると思う。「大学の公的機関」と聞くと、なんだかとっつきづらくて縛りが多く、学生の自由が利かない官僚的組織と考えられがちだろう。しかしその先入観だけで立ち止まらず、一歩踏み出してほしい。面倒くさがらずにICCにとっついてみてほしい。これは学生スタッフリーダーとして、ということのみならず、学生団体やサークル等も同じことだ。今年度ICCの3周年記念イベントとして開催されたWaseda Global Festival (WGF)のように、大学側、学生側関係なく、早稲田全体として団結して世界に対して発信できることが、早稲田には多くあるはずだ。必要以上に所属に囚われず、自分たちの中だけで壁を築きすぎることで、大きなものを見失わないようにしてほしいし、自分も今後どのような世界に飛び込んでいくとしても、その心を忘れないようにしたい。

早稲田は世界中から多くの外国人学生を受け入れようとしている。その早稲田が世界平和を叫ばずして、日本のどこが世界平和を叫ぶのだろう。今こそ、世界へ向けて早稲田が団結して発信すべき時なのだと思う。そして、その中心にICCがいる。ICCを前進させることは、すなわち早稲田を前進させることなのだ。その大事な一翼を担っているのが、ICC学生スタッフリーダーなのである。

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