Intercultural Communication Center(ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

ICC学生スタッフリーダー体験記(瀬田真)

早稲田大学法学研究科1年
瀬田 真
ICC学生スタッフリーダー在職期間
2006年7月~2007年7月

 

このレポートは、早稲田大学で国際交流をしてみたいという方、これからICCに関わりたいという方に向けて、ICCの学生スタッフリーダー(student staff leader 以下、SSL)として、ICCに深く関わった立場から、自分がこのICCに関して思うことを書いていきたい。

志望理由

もう1年も前になるため、記憶がおぼろげな部分もあるが、私がICCのスタッフリーダーに応募したのは、インターナショナル・スチューデント(以下IS)とローカル・スチューデント(以下LS)の交流の活性化という、その理念に魅力を感じたというのが一番のところである。私は当時学部の4年生であったため、早稲田大学で既に3年以上を過ごしていたわけだが、日常の生活でISと触れ合える機会はなかったため、自分と同じように、ISと交流を持ちたいと思いながらそれが叶わないでいる人の役に立てればと思って応募した。もちろん、それ以外にも、自身が留学を考えていたため、英語を使う仕事をしてみたかったし、文化祭などイベントの企画・運営をすることがが好きであったため、それと同じような仕事をしてお金をもらえるのは幸せといった気持ちもあったし、引退したサークルに代わって何か打ち込めるものを求めていたというのも事実である。そんなこんなで、私はSSLに応募し、およそ10倍という倍率の中、幸いにもSSLとして選ばた。

 

SSLとは・・・

まず、SSLとして初めに行ったのは、センターの下見である。当時はまだ工事中であったが、自分の職場になるところが素敵な立地に、学内に類を見ない充実した設備を備えていることに、これから始まる仕事への期待を膨らませたことを覚えている。SSL同士の初の顔合わせでは、国際経験豊富な人が集まっているに違いないという予想はあったものの、自分以外がみなISか、帰国子女か、留学経験ありという学生で構成されていたため、海外での経験がほとんどないことや、自分の英語力を不安に思ったのを覚えている。また、顔合わせの際に専任のスタッフが、「SSLは早稲田大学の学生であり、普段は大学側からサービスを受ける立場にあるが、それがICCでは逆に学生にサービスを与える立場に立つ」とおっしゃった。それは言われてみれば当たり前のことだが、言われるまで認識しておらず、改めて身が引き締まる思いがした。かくして、SSLとしての仕事がスタートしたが、以下、その具体的内容と、それに関しての自身の体験談や感想をまとめていきたい。

 

業務内容(1) ルーティン・ワーク

これは、電気をつけたり、ドアの施錠を確認したり、掲示物を貼ったり剥がしたり、雨の日に傘立てを出すといった類のことである。電気やドアに関してはオープン時に毎日行う作業で、掲示物に関しては、イベントの切れ目などの際に、大量に入れ替えることになるので、人数の少ない日にやったりすると、ちょっとした労働となるが、センターの雰囲気がそのときどきのフェスタの色に染まるのは楽しかった(例えば、ジャパニーズ・フェスタの際には、日本の風景の写真や日本画のポスターなど)。また、自分が入ったときは、センターが新設された時期ということもあって、インフォメーション・エリアの充実を目指した。国旗と地図をセットにして各国のボックスを作る作業は、サイズの計測やレイアウトから他のスタッフリーダーと話し合いながら決定していったのをよく覚えているし、ボックスに入れる資料を確保するために、各国の政府観光局や、各都道府県の観光局に電話をかけ、FAXを送った。メールが普及した今、FAXなどあまり使わないだろうという認識があった自分には、このFAXを送る作業自体が新鮮でこれまでにない作業であったし、仕事始めから、英語で依頼文を作成したり、実際に電話で英語を用いるなど、英語を使う緊張する仕事ができてとても楽しかった。しかし何より印象的だったのは、面識のない役所の方と電話でやりとりをすることの難しさである。仕事内容を簡潔に、見知らぬ人に的確に伝えることは、使い慣れた日本語でも想像以上に難しかった。このインフォメーション・ボックスに関しては、しばらくの間はICCで使われるであろうから、自分の爪跡をこの大学に残せたというのも考えると嬉しいことである。「地球の歩き方」に関しては、他のSSLと、どちらがうまくカバーを貼れるか競い合いながらコーティングをしていった。あるSSLが定規を駆使してピッタリ付けていく方法を編み出したので、他のSSLもそれを伝授してもらい、地味な作業ながら工夫を凝らしていった。ICCの目玉施設、マルチ映像システムの操作もSSLの仕事である。特に、開所当初は自分が週4のペースで朝のOPENを担当していたため、バイリンガル音声を英語に合わせる作業を毎日のようにやっていたのを覚えている。

 

業務内容(2) 広報

OPEN当初のICCの問題は、何より知名度がないということである。最近は結構認知度も上がってきたと思うが、OPEN当初はとにかく存在自体が認識されていなかった。友達にSSLとしてICCで働くことを話しても、ほとんどの人がICCといえば、国際刑事裁判所(International Criminal Court)か国際商業会議所(International Chamber of Commerce)を連想し、国際コミュニティセンターと言っても、「何それ?」といった感じであった。卒業までに、彼らにICCといえば国際コミュニティセンターという認識を持たせるべく努力しようと思った。そういったわけで、今では、平日の昼には人の絶えないラウンジも、OPEN当初は誰もおらず、カウンターに座っていても寂しい限りであった。そのため、ICCでは広報が重要であったし、今後もイベントの告知のため重要となるであろうわけだが、この作業は個人的には苦手であった・・・。というのも、ポスターを作るにしても、ホワイトボードにイベント内容を記載し外に宣伝用としておくにしても、求められるのは美的センスである。そのセンスが皆無であり、絵心もない自分にとってこの作業がうまくいかないのは当然のことであろう。しかし、他のSSLの作業を見よう見まねしているうちに、自分も少しずつではあるが、そういった技術が身についてきたのではないかと思う。特に、あるSSLはプロ顔負けのポスターを作るので、その人からパワポのより効果的な使い方や、色彩の原則を学べたのは、今後の自分の人生にとってもプラスになるであろう。また、広報はポスターを作るだけで終わりではなく、その掲示を行わなければならない。学内便という、SSLにならなけらば知ることもなかったであろう大学のシステムを利用したり、SILSやGSAPSなど、自分がこれまであまりよく知らなかった学部の事務所を回って掲示することにより、早稲田大学についてより深く知るよい機会となった。更に、SSLによるプレゼンで、ICCの広報を行うこともある。これは、来日したばかりのISを対象にするものや、留学希望者が集まる留学フェア、さらには海外の大学からの来客に対してなどのように、実に様々な場面で行われる。自分も数多くのプレゼンを行ったし、そのための練習もがんばった。特に、英語でのプレゼンは、専任のスタッフの指導チェックを受け、A4四枚ほどの原稿を全部暗記するほど読み込んだのを覚えている。その中でも、留学フェアで300人以上を前にプレゼンをする機会が得られたのは本当に自身のためになった。自身の人生の中でも最大規模のプレゼンであったし、自分なりに納得のいくものができ、専任の方や、そのフェアに偶然来てた知り合いの友達などからもお褒めの言葉をいただき、今後のプレゼンにもつながる大きな自信をつ良いきっかけとなった。こんな経験ができるのも、SSLならではである。

 

業務内容(3) イベントの企画

個人的には、ICCでの事務作業も結構楽しんで行うことができたが、自身が応募する直接的な動機となったのは、先述したとおり、ISとLSの交流を促進するためのイベントの企画がその業務に含まれていたからに他ならない。ICCでは、カントリー・フェスタやランゲージ・エクスチェンジ、ランゲージ・アワーにフィールド・トリップと、実に多種多様なイベントを行っているが、ICCの企画には、SSLが主体となって発案したものも少なくない。個人的に担当した大きな企画としては、「世界の年越し」と、この春の「ジャパニーズ・フェスタ(以下、JF)」が挙げられる。「世界の年越し」は、それまでのICCの国ごとのイベントの切り口と異なり(例えば、ジャーマン・フェスタやコリアン・フェスタ)、「年越し」というテーマによる切り口で立ち上げた2週間にわたる長期のイベントであった。正直、当初はイベントに対しての不安や、実際に何をどうすべきかということが分からず、専任の方やサポーターの方に迷惑をかける部分もあった。SSLでの仕事の難しさはそれまでも度々感じていたが、この「世界の年越し」では、どこまで自分が出るべきか、どこまでやるべきかという、いわゆる仕事の分担が、サポーターと自分との間、専任スタッフとの自分との間の両方において見えていなかったのが問題であった。ICCはSSLの学業を第一に考えてくれ、そこに大きな負担をかけないようにしてくれたこともあり、こちらがどこまでやれてどこからがやれないかということをはっきり示したらそれに応えてくれたため、もっと自分から報告・連絡・相談の3つをしっかりしなければと思った。また、逆にサポーターの方に関しては、イベントの企画を満喫してもらうために、無理な負担をかけないよう、それぞれのサポーターのペースで進めてもらえればと思うので、その点をはっきりと伝えて、仕事の分担を積極的に行えればと思う。個人的には、SSLとは、まさにこの、専任スタッフとサポーター、言うならば、大学と学生の架け橋となることを求められているし、そのためにいるといっても過言ではないのではないかと思う。というのも、業務内容(1)・(2)で述べたような事務的な仕事に関しては、当たり前であるが、学生である自分たちよりも、社会経験のある方を採用した方がずっと効率がよいであろう。それにもかかわらず、ICCがなぜ、事務処理能力が劣り、授業やテストといったことなど、様々な配慮が必要な学生をSSLとして用いるかというと、それはまさに「架け橋」としての役割を期待しているからである。実際、SSLとして働いていると、公共の機関としての大学の性格や事情というものが分かってくる一方、普段学生である以上、学生としての意識は保ち続けることができるため、その役割をこなすことは可能であると思う。JFでは、前回の失敗を活かし、より積極的に架け橋の役割を果たそうと頑張ったが、果たしてどこまでその役割を果たすことができたのかはわからない。しかし、JFでは企業との連携という部分においては、ある程度成功したと思う。ICCのイベントは、多数の人に参加してもらうことが目的であるため、ほとんど全てが無料であるが、JFで行った「お好み焼き教室」のように、中には費用の関係から参加者に経費の一部を負担してもらわなければならないイベントも存在する。そういった場合には、企業に協賛を依頼し、物資等を提供して頂くことにより安価でのイベント開催が実現する。「お好み焼き教室」では、「お好み焼きを世界に広め、新しい食文化をつくる」ことを使命とするオタフクソース株式会社に、自身たちの活動がその使命に共通する部分があることをアピールし、協賛していただくことができた。サポーターが書いてくださった企画書を、自分なりに加筆・修正し、さらに専任の方がチェックするという経緯で協賛依頼書を作成したが、自分が書いた文章がそのまま協賛依頼書の中に残った部分もあって大変うれしかった。そして何より、この企画を行っていくという仕事は、多くの人と出会い、それぞれの体験や興味を話しあう魅力的な側面を有する。実際、共に企画を行われなければ、出会わなかったであろうISやLSとの出会いは自分の見識を広げてくれたし、今後も友人関係が継続しそうな人もたくさんできた。その一方、ごく稀にではあるが、サポーターのやりたいことがICCという大学の一機関が行えるイベントの範囲から逸脱することや、サポーターの企画ではICCの目的が達成できないことなど、ICCと学生の意向が一致しないこともあった。その際には、どのようにすればICCの意向を学生に理解してもらえるかということや、どのようにすれば学生の意向をより反映させることができるかなどを考えた。学部生でありながら、中間管理職が果たすような調整役を任され、それを成し遂げたことも、自身にとってはかけがえのない経験である。

 

業務内容(4) 各種文書の作成

業務内容(3)の部分でも協賛依頼書について軽く触れたが、SSLは様々な文書を作成する。中でも最も多いのがイベントレポートである。深く関わったイベントだけでなく、当日の進行を担当したイベントのレポートを作成していくことは、初めは報告書の作成方法もわからず四苦八苦した。人をひきつける写真とはどういうものか? それらにふさわしいキャプションの付け方は? さらには報告書全体のレイアウトなどなど・・・。しかし、回を重ねる毎に少しづつ専任の方からの訂正が少なくなっていき、書くスピードもアップしていったのは嬉しかった。また、ICCの文書は日英両方が原則であるため、自分が作成した英文をネイティブスピーカーのSSLがチェックしてくれる機会が多々あった。自分の稚拙な英語表現をネイティブがどう表現するのかということを仕事の中で学ぶことができたのは、本当に幸運なことだと思う。

 

最後に・・・

最後になるが、私はSSLとして働くことができて本当に幸せだったと思う。それは、これまで述べてきた業務それ自体が楽しいということももちろん大きいが、何よりも、共に仕事をする専任スタッフや他のSSLに恵まれていたからだと思う。調子にのって暴走しがちな自分を辛抱強く、穏やかに注意してくれたり、SSLの授業・予定を最大限考慮してワークシフトを組んでくれたり、自分で書いたほうが早い各種文書を何回も訂正してくれたり、社会での様々な常識を教えてくれたりと、専任の方々からは、SSLを育てようという意思を感じながら仕事をすることができた。また、時折触れたが、SSLはそれぞれが得意分野を持っており、学年に関係なく互いを尊敬する雰囲気がその間にはあった。一年の間に、僕より先に卒業していったSSLもいれば、新しく入ったSSLもいる。もちろん、それぞれに違う強みがあり、個性も異なるけれど、なにかしらの得意分野を有するオープンな人間という点に関しては皆同じであったし、メンバーは変わっても、本当に、ビックリするくらい、どのSSLとSSLの関係もよかった。また、SSL間でプライベートに食事を取ったりする時も、ICCの活動をどのようにしていくべきかなどを話したりした。それは、SSL皆がICCをより良いものにしたいという思いがあったからに他ならないと思う。高い能力をもった人たちと、共通の目的意識をもって活動できたことは、スキル的な自身の成長とは別に、非常に良い思い出となった。SSLというICCの一員として、本来ならホストとしてゲストであるICC利用者に楽しんでいただかなければならない立場にあったはずだが、個人的には自分が一番楽しんで、いろいろなことを学ぶことができたと思う。このレポートを読んでる皆さんが、今後ICCにどの様な形で関わっていくのかはわからないが、今後も、利用者を楽しませ、彼らに学習の機会を与え続けるであろうICCで、皆さんが自分と同じように素敵な体験をしてもらえればと思う。

 

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