ICC学生スタッフリーダー(SSL)Misaki
はじめに
2023年1月17日(火)にイベント「機内食×異文化交流~世界に愛されるJALと共に空のメニューを考えよう!~」を開催しました!
日本航空(JAL)の方に協力いただき、機内食がどのように作られているのか、どのようなこだわりがあるのかを学び、実際に多様なお客様を想定したメニューを考えてみることで、JALのおもてなしや異文化への理解を深めるためのイベントでした。

広報のポスター(image by ICC, JAL)
企画背景
私は、世界の中でもトップクラスといわれる日本の航空サービスに興味があり、日本のおもてなしのプロともいえる航空会社の方々はどのようなことに配慮し、なぜ世界中から愛されているのか学びたいと思っていました。
航空会社が提供するサービスの中でも「機内食」は、世界中の多様なバックグランドを持ったお客様に、上空の飛行機の中という特殊な環境で提供するために、様々な配慮が必要なのではないかと考えました。特にJALの機内食は、日本の有名飲食店とのコラボレーションや和食メニューの提供により日本の食文化を感じることができたり、誰もが安心・安全でおいしい食事を味わうことができ、世界からも評価されています。これには多様なお客様の文化やバックグラウンドを理解し、一人一人に寄り添う工夫が重要なのではないかと感じました。
そんな、世界中のお客様に愛されるJALの「機内食」の魅力と、背景にある思いを知ることで、異文化への理解を深められるのではないかと思い、本イベントを企画しました。
講演の様子
講演は、国際線の機内食企画業務の経験をもつ日本航空の福田氏に行っていただきました。機内食のコンセプトや企画ステップ、SDGsに関する取り組みなどを紹介していただきました。
機内食は航空チケット代には含まれない付加価値でありながら、お客様により良い体験を提供するために、JALでは「空の上のレストラン」をいうコンセプトを掲げ、細部にまでこだわったレベルの高いものを提供しようと取り組んでいるそうです。
機内食ができるまでには、提供環境やお客様に配慮した食材選びから、飛行機というの制約された環境のなかでの保存・調理方法、客室乗務員の提供方法まで、多くの点を考慮しなければならないことが分かりました。長時間の保存が難しい生ものを避けたり、多くの人に好まれやすいものや旬の食材を選ぶようにしているそうです。
また、最近ではSDGsをテーマとした「未来の食材50」を使ったメニューや、フードロスを減らすために事前に機内食の提供をキャンセルするできる「Meal Skip Option」といった取り組みも行っているそうです。
講演の最後には、後半のディスカッションに向け、アレルギーや宗教による食事制約のあるお客様などに配慮された「特別食」についても紹介していただきました。
普段は知ることのできない機内食の舞台裏について知ることができ、メニューを考えるにあたって様々な観点に注意しなければならないということが分かりました。
- 講演の様子(photos by ICC)
ディスカッションの様子
後半の参加者同士のディスカッションタイムでは、春のエコノミークラスで「ベジタリアンのお客様」と「宗教による食事制約のあるお客様」に提供するメニューをグループごとに考えました。
お肉の代用となる食材を調べたり、春や日本らしさを感じられる方法を考えたり、オリジナルのテーマを設定したりと、どのグループも真剣に話し合ってたくさんの面白いアイデアが生まれていました。
- ディスカッションの様子(photos by ICC)
ディスカッションの後には代表で2つのグループから発表しました。
「宗教による食事制約のあるお客様」へのメニューを考えたグループは「和食」と「春の日本が感じられるもの」をテーマに、「鰆の西京焼き 春キャベツ添え」や「菜の花のおひたし」といった日本の春を詰め込んだメニューを発表してくれました。デザートにはお餅だとのどに詰まってしまうかもしれないと考え、「鯛焼き」にしたそうです。
「ベジタリアンのお客様」へのメニューを考えたグループは「お花見」をテーマに、なすを使ったうな重をメインに考え、”fake”とは言いたくないため”Vegetarian-friendly Unaju”という名前にしたそうです。デザートには抹茶味のアイスをサクラ味の餅で包むことで彩りも意識していました。
見た目から食べやすさ、日本らしさ、料理名など、非常に幅広い視点で意見を出し合い、それぞれが魅力的なメニューを考えてくれました。
- 発表と参加者の様子(photos by ICC)
イベントを終えて
今回、短い時間ながら参加者のみなが想像以上に真剣に議論し様々なアイデアを出してくださったことで私自身も楽しむことができました。多様なバックグラウンドをもった方が集まりそれぞれの視点を活かしながら異文化交流ができたのではないかと思います。JALの方々からも、新たな気付きや刺激を得ることができたとのお言葉をいただいています。
参加者のアンケートでは、「作られる工程が非常に興味深かった」「宗教上の観点など、今まで考えたこのない観点から機内食のことが学べた」「全てのお客さまの安心、そして快適な旅のために、深く追求されたものであるということを実感しました」などの声をいただきました。日々たくさんの検討を経て世界中の多くのお客様のもとに提供される機内食のレベルの高さを改めて感じることができました。
今回のイベントを通して、少しでも新たな学びや機内食を通した異文化交流の楽しさを感じていただけていたら幸いです。今後飛行機に乗った際には、改めて機内食の魅力や航空会社の方々のおもてなしを直接感じてみてください。
最後に、改めて協力していただいた日本航空の方々、イベントに参加してくださった皆々、準備や広報に協力した全ICCスタッフに感謝申し上げます。

日本航空ゲストの方々とイベントスタッフ(photo by ICC)