早稲田PoC Fund Program 2023年度 新規研究課題4件を採択
近年、大学の研究成果による社会貢献、社会課題の解決への期待が非常に高まっています。
早稲田大学アントレプレナーシップセンターでは、早稲田大学から生まれた研究成果の早期実用化をめざし、研究開発型スタートアップの創出を加速化するための様々な取り組みを行っています。
2020年から始まった『早稲田PoC Fund Program』は、早稲田大学の研究成果をもとにしたビジネスアイデアを、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)と呼ばれるビジネス仮説検証を行うことによってビジネスモデルを確立させ、スタートアップ創出を支援するプログラムです。
このたび学内の公募・選考を経て、2023年度の研究課題4件を以下のとおり決定しました。採択された研究課題は、仮説検証を行うための研究開発費と、ビジネスの専門家による伴走支援、そして起業活動に役立つ様々なWSの受講機会など、手厚いサポートが提供され、事業化をめざしていきます。
- 2023年度 採択課題 (すべてタイプS)
研究代表者 | 所属 | 研究課題名 |
田中 大器 次席研究員 | ナノ・ライフ創新研究機構 | 化学合成・分析マイクロデバイスの開発 |
谷口 卓也 准教授(任期付) | データ科学センター | 有機固体MIのWebプラットフォーム開発 |
神平 梨絵 助教 | 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 | ヒストン修飾のシングルセルパネル解析システムの構築と検証 |
北 智洋 教授 | 先進進理工学研究科 物理及応用物理学専攻 | 小型・多機能ハイブリッドレーザ光源の研究開発 |
(事業期間:2023年度末まで)
活動のキックオフは「研究成果の事業化の手順」を習得するWSから
今年度はそれぞれのPoC活動の開始に先立ち、株式会社ScaleOutより飯野、山形氏を講師に迎え、「事業化の手順を学ぶWS」を開催し、すべての採択グループのメンバーが参加しました。
研究のもたらす価値と、ユーザーのニーズをどう適合させ、事業化を実現していくのかを考える、日頃の研究活動とは異なる視点で研究に向き合う新鮮な時間となりました。WSを通じて事業化実現への一歩を踏み出したとともに、事業化をめざす研究者同士が交流を深めました。
3月末にそれぞれの研究がどのようなビジネスアイデアに変化しているのか、期待が高まります。
4年目を迎えた早稲田 PoC Fund Program これまでに6件のスタートアップが創出
早稲田 PoC Fundは、これまでの3年間でタイプAを4件、タイプSを14件採択。 教員・研究員・大学院生を代表とする研究チームが、それぞれの研究課題にビジネスの創出プロフェッショナルの方々からの支援(ハンズオン的支援)を受けながら、試作品の研究開発や市場・インタビュー調査などを実施し、研究シーズを活用したビジネスアイデアのブラッシュアップに取組んできました。
その結果、これまでに6社が起業を果たし、うち、2社は早稲田大学のベンチャーキャピタルである、早稲田大学ベンチャーズから資金調達を行うなど、『早稲田PoC Fund Program』から着実な研究開発型スタートアップが生みだされています。
- これまでに早稲田PoC Fund Programから生まれた企業
研究代表者 | 法人名 |
三宅丈雄 教授(情報生産システム研究科) | ハインツテック株式会社 |
中尾洋一 教授(先進理工学部 化学・生命化学科 ) | Ussio Lab.(株) |
大橋啓之 客員上級研究員(ナノ・ライフ創新研究機構) | 株式会社こころみ |
青木隆朗 教授(理工学術院・応用物理学科) | 株式会社Nanofiber Quantum Technologies |
陽 品駒 次席研究員(次世代ロボット研究機構) | 株式会社HatsuMuv |
伊藤 悦朗 教授(教育・総合科学学術院) | 株式会社 BioPhenoMA |
早稲田大学は、これからも早稲田大学発の研究成果を安心・安全・便利な世界の実現に貢献するビジネスアイデアにし、新たなイノベーションの創出をめざしてしてまいります。『早稲田PoC Fund Program』の取り組みに、どうぞご期待ください。
研究室から生まれた成果が事業化されるまでのストーリーを語るMovie
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早稲田PoCファンドプログラムとは?
2020年からアントレプレナーシップセンターが実施している、ギャップファンドプログラム。研究成果をもとにしたベンチャー企業を創出するために必要なビジネスアイデアの仮説検証(プルーフ・オブ・コンセプト)を行うための開発資金(ギャップファンド)の提供と専門家による伴走支援体制を構築。起業を通じた研究成果による社会貢献の実現を目的としています。提携ベンチャーキャピタルからの寄付を財源とするタイプA、B、JST START 大学・エコシステム推進型 大学推進型を財源とするタイプSの3つのタイプがある。
本件に関するお問合せ
早稲田大学リサーチイノベーションセンター
アントレプレナーシップセンター 早稲田PoC Fund Program事務局 (担当:喜久里、酒匂、武藤)