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卒業生インタビュー(楽天グループ):外国籍であるというのは大きな強み。個性を隠さず、自信を持ってアピールを

外国籍であるというのは大きな強み。個性を隠さず、自信を持ってアピールを 

先輩からのメッセージ(1分動画)

取材にご協力頂いた方:
楽天グループ株式会社  韓 嬌(Jiao Han)さん
2024年 商学研究科修了
 

 

日本での社会人経験を経て、人事領域の専門知識を学ぶため大学院へ

 私は中国の大学で、機械工学と日本語の両方を専攻していました。日本のアニメが好きだった影響もあり、「せっかく日本語を勉強しているのだから、チャンスがあれば日本で働いてみたい」という思いがありました。中国の大学を卒業した後、日本企業が中国現地で行っていた採用を通じて就職先が決まり、すぐに日本へ渡ることに。その日本企業でエンジニアとして働く中で、企業・組織というものを初めて意識するようになり、「機械ではなく人を相手に、コミュニケーションを通じて課題を解決したい」という思いから、人事職への転向を決意し転職しました。
 同社で採用担当となった当初は、人事領域の知識もなくゼロからのスタート。しかし、振り返ってみれば、日本の就職活動について学ぶ良い機会だったと捉えています。今後もずっと人事としてのキャリアを築いていきたいと思いが強まり、人事領域の専門知識を本格的に学ぶため、早稲田大学大学院商学研究科へ進学。卒業するまでの2年間で、採用業務や人事に関するデータ分析、研修制度、企業戦略やマーケティング、組織関連の知識などについて学びました。
大学院時代は、学びと実践を行き来しながら経験値を積める非常に有意義な期間でした。在学中にアルバイトで、AIベンチャー企業の採用業務を担当。人事に関する知識を大学院でインプットしながら、実際の現場でアウトプットするという貴重な経験ができたと思います。また、一般社団法人の事務局スタッフとして働くなど、さまざまな活動に積極的に参加していました。この実務経験があったことで、異業種や幅広い分野の方々と交流するとともに、多くの知見を得ることができました。 

                     早稲田祭での写真 


就活では言語の壁を乗り越えるためにひたすら練習

 多くの留学生が「母国の大学を卒業後、日本の大学院に進学する」という選択をする中、私はまず日本で4年間働いてから大学院に進学するという、少しイレギュラーな経歴になりました。日本で再び就職活動を始めたのは、大学院を修了する約半年前です。しかし、その時点ですでに多くの企業は次の卒業年度の採用活動を開始しており、完全に出遅れてしまったというのが正直な感想です。日本の就職活動は本当にスピード感が速いので、情報をいち早く手に入れることが何よりのアドバンテージです。学生の皆さんには、キャリアセンターや支援制度をできるだけ早く活用することをおすすめします。楽天グループには転職(中途採用)で入社しましたが、その時はエンジニアとして勤めていた会社での経験を活かし、転職アプリやエージェント、求人サイトを駆使して就職活動を行いました。
 就職活動の中でも特に大変だったのが、複数の企業で選考の一つとして利用されていたSPI(適性検査)です。テストはすべて日本語で行われます。母国語であればすぐに解けることであっても、日本語の理解に時間がかかり、結果として正答率にも影響します。だからこそ、日本人学生よりももっと努力が必要です。たくさんの問題集を解いたり、練習を繰り返したりして、少しずつ慣れていくしかありません。
 日本語の練習も、面接対策として必要な要素です。私が初めて来日した時は、正直日本人が話している言葉が全くわかりませんでした。中国で学んだ教科書的な「標準語」と、日常会話で使われる表現が少し違っていたためです。その後半年くらいは、言いたいことがうまく表現できず苦労しました。「話す力」を培うためには、実際に日本人と話す機会を作ることが一番の近道です。私もエンジニア時代、同僚と積極的に話すようにしていました。真面目な話だけでなく、「最近何を見ている?」「どんなドラマが好き?」といった、日常のちょっとした会話も練習になります。他にも、日本人と交流できるSNSやアプリなどのコンテンツも上手く活用するとよいでしょう。


村上春樹ライブラリにて 

 

「希望のポジションがあること」と「企業文化への共感」が志望の決め手に 

 企業探しで重点を置いたのは、「人事領域のポジションがあること」「企業文化に共感できること」です。楽天グループはダイバーシティ&インクルージョンといった価値観を大事にし、外国籍の従業員が多く活躍している企業文化があります。先輩従業員のインタビューなども参考にしながら、「企業文化が自分の価値観と合致している」と強く感じたのが、志望の決め手となりました。今は主にタレントマネジメントや人事のデータ分析を担当していますが、大学院で学んできたことがそのまま実務に活かせる形となり、自分にとっては理想的な環境です。自分が分析したデータが実際の社内の施策や課題解決に活かされた時が、一番やりがいを感じる瞬間。今後は、人事分野におけるAIツールの活用にチャレンジしたいと考えています。
 また、面接スタイルが自分に合っているのかも個人的には企業選びのポイントでした。一問一答式で、面接官が機械的に質問を読み上げるような面接は、自分の個性を出しにくく、苦手に感じていました。楽天グループの面接は、「目の前にいるこの人はどんな人か」「なぜその時にそういう選択をしたのか」といったことを丁寧に聞いてくれるスタイルで、私が一番アピールしたい部分を伝えることができたと思っています。 

 

後輩へのメッセージ~自分の個性を隠さずにきちんとアピールしていくこと ~

 これから日本での就職を目指す外国人留学生の皆さんへ伝えたいのは、「自分の個性を大切にしてほしい」ということです。就職活動では、たくさんの失敗を経験することもあり、自信を失ってしまう場面も多いと思います。そんな中でも、自分の個性を隠さず、きちんとアピールすることが大切です。不採用だったからといって「自分がダメだった」ということではなく、「その企業と合わなかっただけ」です。就職活動は企業が一方的に「あなたが企業に合うかどうか」を判断するのではなく、自分自身も「この企業は自分に合っているのか」と判断する立場にあるということを忘れないでください。
 言語の壁や文化の違いに不安を感じることもあるかもしれませんが、皆さんは「外国籍」という立場だからこそ、他の人にはない多様な視点や価値観を持っているはずです。これは大きな強みです。その「自分らしさ」や「個性」を忘れずに、自信を持ってしっかりアピールしてみてください。困難はあると思いますが、自分自身を信じて乗り越えてほしいと思います。きっと皆さんは、自分のキャリアを、自分の手で切り拓いていけるはずです

【開室時間】
 平日10:00~16:00
【連絡先】
 Tel : 03-3203-4332  
 e-mail : career#list.waseda.jp
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