インターンシップで関心を深めた
マーケティング職に就く目標を実現。
メーカー花王株式会社
有地 拓也さん
Arichi Takuya
(2017年 人間科学部卒業)
図書館で手にした1冊の本が転機に
専攻分野とは全く異なるマーケティングの世界に興味が芽生えたのは、大学の図書館でたまたま手にした本がきっかけでした。そこからマーケティング関連の本を多く読んでいく中で、職業の選択肢として関心が高まり、3年生の夏休みに大学公認のインターンシッププログラム(WIN)を利用して、広報PR事業も展開するベンチャー企業で就業体験を行いました。
私が任された業務は、就業先企業が運営する学生参加型メディアの広報活動でした。SNSのフォロワー数や投稿への反応を増やすための施策を考え、実際に自分のアイデアをいくつか試す機会を与えてもらいました。それまで本で勉強するだけだったマーケティングについて、実務を通して理解を深めることができ、漠然とした関心から明確な目標へと変わりました。
バイトを通して生活に近い商品に関心
職業選択に影響を与えたもう一つの経験が、在学中の衣料品店でのアルバイトです。生活に密着した商品を扱う仕事に魅力を感じ、就職活動では「BtoC領域でマーケティング力が強い企業」を志望し、花王を選びました。入社後はマーケティング領域専門のデータ分析チームに所属し、消費者購買データなどの分析を通じて商品開発やマーケティング戦略を支援する業務を担っています。
大学入学当初は、学びたい分野も将来進みたい方向もはっきりとは決まっていませんでしたが、いろいろな科目やプログラムを通して実体験を積むことで、自分のやりたいことが明確になっていきました。皆さんもぜひ、大学全体の制度や設備を最大限に活用してください。特に国内屈指の蔵書数を誇る中央図書館はお薦めです。私がそうだったように、この先に進む道を左右する大切な出会いがあるかもしれません。
>> Encounters at WASEDA >>>
研究室のゼミ活動で身につけた主体的に学ぶ姿勢と伝える力
所属した教育工学の研究室では、先行研究や関連文献を輪読して意見交換する機会が多くあり、得た知識を自分の頭の中できちんと整理して伝えることが求められました。「自分で主体的に学ぶ習慣」や「考えを整理して分かりやすく伝える力」は、仕事でも日常的に求められることであり、専攻分野は今の仕事と直接的に関係していないものの、経験は間違いなく活きています。
インターンシップは個人で申し込んだものも含め10社以上経験しましたが、最も有意義に感じたのが WINでした。 期間が長く、企業の方と密にコミュニケーションをとりながら、より実務に近い業務を経験できたことが印象に残っています。
MITを訪問し最先端研究に触れる
研究室の活動の一環で米国マサチューセッツ工科大学を訪ねて現地の学生と交流したことも心に残っています。
ワークショップで記者の仕事を体験
日本経済新聞社と連携したプロフェッショナルズ・ワークショップに参加。記事の取材・執筆に挑戦しました。
スポーツで汗を流しリフレッシュ
各キャンパスにサークルが 豊富にあるのも早稲田の良さ。私も所沢のバスケットボールサークルで活動しました。
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数字を表面的に捉えずその先にいる人を常に意識
データ分析に取り組む際は、チームのメンバーと積極的に議論を重ねることで、客観的で精緻な分析のアウトプットを出すことを心がけています。分析結果から消費者のニーズを可視化し、それを元に商品開発やマーケティング施策に活かせる提案をできたときに、達成感を覚えます。業務に当たる上で心にとめているのは、上司から言われた「データの先には人がいる」という言葉です。数字を表面的に捉えるのではなく、数字の裏にある人の行動や、その行動の理由にまで思考を深めることを意識して以降、分析の質が上がりました。分析官として培ってきた市場や製品を客観的に捉える視点を活かし、将来的にはブランド担当の立場からマーケティングに携わりたいと思っています。
(「みらい設計ガイドブック2021」掲載)