ウィズコロナの時代、社会環境の大きな変化を前にご自身の進路や就職活動、また「働くこと」について漠然とした不安を抱えているという声が学生から聞かれます。
そこで、早稲田大学キャリアセンターは5月17日、ジャーナリスト池上彰さんをお招きし、オンラインイベントを開催。ご講演の後には、池上さんに直接質問ができるQAセッションも行い、約600名の学生が参加し、活発な質疑応答が行われました。
歴史を振り返り、未来から現在を振り返る視点
池上さんのご講演では、過去における感染症の世界的な蔓延が歴史にどのように影響を及ぼしたかを振り返り、ウィズコロナ時代の今、まさに私たちが歴史を作っている最中であると教えていただきました。社会が新型コロナウィルス感染拡大の影響により大きく変わり、日本経済は未だK字回復の状況と落ち着かない中、学生にとっては今まで以上に就職活動における企業選びが難しくなりました。その点について、池上さんよりことをアドバイスしていただきました。そんな企業を見極める為のキーワードは「SATORI」だそうです。
Society:社会の要請にこたえている
Agility:いち早く変化に対応ができる
Technology:技術を持っている
Overseas:海外進出、グローバル視点を持っている
Resilience:すぐに復活できる、立ち直れる
Integration:統合する(例:M&Aなど)
例えば、社名が変わっている、事業内容が変わっている企業というのは、時代のニーズに沿って会社の形態を変えてきた企業であると言えるかもしれません。企業研究をする際は、「SATORI」の視点で企業を見てみましょう。ウィズコロナ時代に必要な力を企業が持っているかどうかを見極められるかもしれません。
また、「今は、フィジカルディスタンスが必要な時期ですが、私たち人間は社会的存在であり一人では生きていけません。世の中の役に立っているのか、人のためになっているかという視点を持って仕事をえらんでほしい」とも学生に語ってくださいました。
更に変化が加速していく社会において「どう働くべきか」
講演後のQAセッションでは、多くの質問にご回答いただきました。学生は示唆に富んだ解答を通して多くの学びを得ただけでなく、「悩んでいたのは自分だけではない」ということにも気づきがありました。
池上さんからは「挫折はあなたの人生の財産になる」「リタイアする時に、ああいい人生だったなと振り返られるような働き方はなんだろうと考えてほしい」「T字型人間を目指して、縦軸を探すという観点で横軸をどんどん広げていこう」「大学で批判する力を身に着けたと自信を持って。批判精神を持っているからこそ、世の中をどうしたらいいかを考えられる」ということを回答としていただきました。
学生は、今回の講演を通して、更に変化が加速していく社会において「どう働くべきか」についての視座を養い、不安を希望に変えることが出来たようです。
具体的には、「自分が自分らしく生きられる場所を働く場所として探したい」「眼の前のことに対して悲観的にならず、長期的な視点をもつことにより希望が持てた」といった感想をいただきました。
キャリアセンターでは、学生が主体的に自身のキャリア選択ができる様、今後もこのような機会を設けていきます。
*WEBイベント開催一覧(オンデマンド視聴を含む)はこちら
以 上