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研究インターンシップ体験インタビュー~ パナソニック株式会社 テクノロジーイノベーション本部 ~

産学協働イノベーション人材育成協議会(C-ENGINE)のインターンシップのマッチングシステムを活用し、2ヶ月間の研究インターンシップに参加している村松さん。企業で働く経験を通して、どのような学びを得ているのでしょうか。大学での研究とのギャップや、思い描く将来のキャリアパスについてお話しを聞きました。
また、インターンシップ先でメンターを担当された村瀬氏にもお話を伺いました。

※早稲田大学は、2020年3月をもちまして、産学協働イノベーション協議会(C-ENGINE)を脱退しました。
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インターンシップで学んだ思考法や研究手法を将来に生かしたい

早稲田大学 先進理工学研究科 先進理工学専攻
無機合成化学 黒田・下嶋・和田研究室 一貫制博士課程4年

村松 佳祐

 

 

将来を考え、より幅広い経験を得るために、インターンシップに参加

– インターンシップに参加したきっかけをお聞かせください。

私は、「材料の力で諸問題を解決し、人々の豊かな暮らしに貢献したい」という思いを抱きながら、博士課程に進学し、研究を続けてきました。ですが、私がこれまで取り組んできた研究は物質・材料合成の基礎的な部分の発展に寄っていて、自分が合成した物質を材料として評価する段階まで行き着くことは多くありませんでした。

もちろん基礎研究そのものは楽しく取り組んでいるのですが、基礎から応用まで横断的に活躍できる材料研究者となるには、もっと評価段階の研究にも携わる必要があるのではないかと考えました。自分に新たな刺激を与え、さらに将来自分がどのような形で研究に関わるかを考えるため、応用研究に強い企業での研究を体験してみたいと思うようになりました。
また、現在所属している5年一貫制博士課程の先進理工学専攻では企業での長期インターンシップが必修となっていることも、後押しとなりました。

– インターンシップ先はどのように選んだのですか?

長期でオープンの研究型インターンシップを実施している企業はあまりなかったので、博士キャリアセンターに相談したところ、C-ENGINEを紹介していただきました。そこでさまざまな企業のインターンシップ募集情報を見て、さらに博士キャリアセンターのコーディネータから過去のインターンシップ事例や、企業から求められることなどを教えていただき、指導教員を含めて様々な先生方と相談したうえでパナソニック社を選ばせていただきました。
私の専門に近い分野の募集は他にもいくつかあったのですが、パナソニック社であれば、より自分の専門を生かせそうでしたし、実際のデバイス開発を通じて実習ができるという点に魅力を感じました。また、パナソニック社の募集要項のなかに「目的思考を身につける」というテーマが掲げられており、中長期的な計画立案が苦手な自分にとって、大きな学びを得られる機会になるのではないかと考えたこともひとつの理由です。

 

企業での研究に触れ、自分の課題と向き合う日々

– ご自身の研究内容と、インターンシップでどのような研究に携わっているのかお聞かせください。

大学では、無機物質のナノ形態制御をテーマとしています。触媒材料や電極材料といった環境・エネルギー系の応用に使える物質の設計ですね。水酸化マグネシウムに代表されるような層状構造を持つ層状金属水酸化物(M(OH)2)や層状複水酸化物を研究対象とし、有機化合物の力をうまく使いながら、その結晶成長を制御し、粒子形態の精密制御に取り組んでいます。インターンシップに来たことで自分の研究自体はストップしていますが、研究室運営の仕事や後輩の指導にはメール等で対応しているので、研究室と隔絶しているというわけではないですね。

インターンシップでは、水を電気分解して水素をつくる技術の開発に携わっています。水を電気分解する技術はさまざまなレベルのものがありますが、そのなかでも、再生可能エネルギーの大量導入のために必要とされる、貴金属を使わない水電解を研究するグループに所属しています。
具体的には、チームの皆さんがつくった触媒や外部から調達した部材でデバイスを組み上げ、それを電解試験にかけて、どれくらいの効率で電気分解できているかを調べたり、デバイスの耐久性などを評価したりする作業になります。構成要素が多い中でで、要素の組み合わせや試験条件でどのように性能が変わるのかを比較し、高効率化と高耐久特性を実現するというのがチーム内で私に課された課題です。

– 大学とのギャップ、またインターンシップで学んだことについてお聞かせください。

研究分野という意味では、もともとこのテーマは自分の研究の出口として調べていた分野のひとつなので、そこまで戸惑いはないですね。ただ、数値を出して比較するだけなら割合簡単なのですが、そこから一歩踏み込んだ議論をするとなると、今持っている知識だけでは足りませんし、研究のプロセスそのものにも満足できていない部分はあります。もっと知識を深めることと、バックキャスト思考を持って、目標から逆算したプロセスを踏めるようにならないといけないと感じています。
インターンシップで気づいた大学の研究との違いは、企業ではチーム全体のことを考えて自分の役割をしっかりと担う意識が高いことです。大学では、どうしても各々が自分の研究のみに没頭してしまう傾向があるので、やるべきことや目標を明確にして、それに向かってチームの一員として取り組む仕事の進め方は、とても勉強になります。また、ある事象が起きたときに、しっかりその裏に潜む科学的な根拠を重視する姿勢も、想像以上でした。
また、行動を起こせば変化が起きるということも今回実感することができました。
さらに、安全に関しては、研究室では個々人で意識にばらつきがあると感じていましたが、企業では安全意識が高いレベルで共有されていることが分かりました。

 

ここで得た経験は、将来の自分に必ず役立つ

– このインタビューの時点でインターンシップ開始から1ヶ月ですが、残り1ヶ月をどのように過ごしたいですか?

条件を変えて結果が変わったときに、その要因を探るため、仮説を立てて検証していくのですが、私はこれまでこのプロセスを感覚的にやっていた部分が多いことに気づかされました。いまは、全体を考えて、一つひとつの要因を潰していくプロセスのやり方と重要性を教えていただいているところなので、残りの期間でしっかり習得したいと思っています。
また、インターンシップでは実験データを素早くまとめて、メンターとディスカッションし、自分の頭の中を整理したうえで課題を明確にし、次のプロセスに進む、というサイクルがうまく回せていると感じています。研究室に戻っても、この感覚を忘れないようにすれば、苦手だった中長期の研究計画も立てやすくなると思います。

– 後輩の皆さんに向けたメッセージをお願いします。

インターンシップに行くと、さまざまな世代の方と一緒に研究をすることになります。すると、5年先、10年先の自分の姿がイメージできるので、研究室を出たあとのキャリアパスを考えるうえで、とても参考になります。また、研究の成果がどんな使われ方をするのかは、企業でないと実感することができないと感じました。どれくらいの市場規模が見込めるか、どれくらい競合相手がいるか、といった情報網が張り巡らされている企業の実態に触れられたことは、今後の研究生活にとても役に立つと感じています。博士は誰しも、研究室での研究がとても忙しいと思います。ですが、あえて一度研究室を飛び出してみるのもよいのではないでしょうか。その後どんなキャリアパスを歩むとしても役に立つ経験が必ず得られるはずです。

 

メンターの声

パナソニック株式会社
テクノロジーイノベーション本部 資源・エネルギー研究所
クリーンエネルギー研究部 先進材料研究課 主任研究員 博士(工学)

村瀬 英昭

 

村松さんは、素直で明るいキャラクターで、コミュニケーション能力も高く、チームにもすぐに馴染んでいただけました。また、研究に取り組む姿勢も極めて真っすぐで、こつこつとデータを積み重ねて自分なりの考察をしながら進めてくれています。村松さんにお願いしている業務は、いわゆる「重要だが緊急性の低い」テーマで、タイミングが合わずになかなか着手できていませんでした。今回成果をきちんと出していただけましたし、来ていただいて本当によかったと感じています。

今回のインターンシップで、企業における研究グループ内の情報共有の素早さやその重要性、ディスカッションの規模に合わせてデータの視認性の質を変えていく工程の必要性などを体感していただけたことは、村松さんにとってよい経験になったのではないでしょうか。また、必要とされている材料の具体的な性能も知っていただけたと思いますので、大学に戻って新しい材料を開発するときにも、最終ゴールを見据えて、そこからテーマに落とし込むバックキャスト思考を持って研究を進めていただければと思います。

当社のインターンシップには、村松さん以前にも多くの方に参加していただいていますし、今後も受け入れる準備・体制はあります。ただ、短期だとなかなか私たちの仕事を伝えきれない部分もありますので、村松さんのように長期で来ていただけるインターンシップが理想だと感じています。

 

 

 

 

 

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