早い段階から動き始め 、ターゲットを絞った就職活動を
株式会社IDホールディングス(IDグループ)
ヴァイトクテ・ヨアナ(VAITKUTE, Joana)さん 2018年アジア太平洋研究科修了
日本人女性の仕事と家庭の両立を研究
リトアニア出身で、2013年に交換留学生として1年間を早稲田で過ごしました。留学を終え帰国してからも日本に戻りたいという気持ちが強く、リトアニアの大学を卒業して2016年秋にアジア太平洋研究科に入学。日本人女性のワークライフバランスに興味があり、ゼミでは日本人女性の子育てと仕事の両立に対する主観的幸福をテーマに、数十名の女性にインタビューを行い、結果を分析するなど、研究に熱中していました。
学生時代、研究が忙しくサークルには参加しませんでしたが、銀座の和食店でアルバイトをしました。利用客の求めるレベルが高く接客は大変でしたが、日本の伝統文化がとても好きだったので、和服を着て働くことができ、楽しかったです。
研究も就職活動も一点集中
大学院に通った2年間で日本にも慣れ、「このまま帰国するのはもったいない」と考えるようになり、日本で働こうと決意。就職活動を始めました。しかし研究第一で修士論文に集中していたので、始めるのが遅くなり、動き出した頃には大手企業の採用募集はほぼ終わっていました。そこで通年採用の企業などを調べたところ、私が現在勤めているIDホールディングスのことを知人から教えてもらいました。魅力的に感じたのは、グローバル採用を積極的に行っており、モチベーションや能力、積極性があれば外国籍社員でも日本人の社員と同じスピードで活躍できる環境です。グローバル採用の場合、外国籍であれば4月入社ではなく通年入社が可能なことも、9月卒業の私にはありがたいことでした。
たくさんの企業にエントリーするのではなく、まずは一番働きたい企業を受けてみようと決め、会社説明会に参加し、エントリーシート、一次面接、SPI、二次面接を経て、内定をいただきました。選考過程で苦労したのはやはり日本語です。ボキャブラリーが足りなくて言いたいことをどうしても伝え切れず、面接が終わったあとで「こういえばよかった」と思うこともありました。
大学院修了式のヨアナさん
相手の立場で考えていくマネジメント業務
IDホールディングスは企業向けにワンストップITサービスを提供している企業です。私は特別なデジタルスキルは持っていませんでしたが、ちょうど英語ができるスタッフを募集していたため、強みを活かすことができました。入社したのは2018年10月で、現在5年目。就活の時点でマネジメント職を希望し、入社から現在まで採用業務を担当しています。自分も数年前は選考される側だったので、候補者の不安などを理解した上で、相談やムードづくりを含め、採用にあたって自分なりに過不足のない判断ができていると思います。採用を担当した人が社内で活躍していると聞くと、とてもやりがいを感じますね。
学生の頃に思い描いていた社会人像とのギャップは、自由な時間が少なくなること。特に日本人は働くのが好きだからかもしれません(笑)。ただし、その分、仕事に没頭できる時間が多いので、自分のキャリアに集中し、スキルアップできるのは良いところかと思います。
社会人になった現在、趣味は休日のツーリング
しっかり考え、早めのスケジューリングを
私は採用の時期やビザの期限に焦りながら就職活動を進めたので、他の留学生には早めに動き出してほしいと思います。一方で大切なのは、自分の将来について一度落ち着いて考えること。しっかり悩むことで、次に必要な行動を見極めることができるはずです。自分の中で進路をよく考え、日本で働くことを決心した場合は、すぐに情報収集を始め、さまざまな企業を見てから進路を定めていくことが大切だと思います。
留学生の場合、秋卒業も多いと思いますが、グローバル採用を積極的にしている企業は4月入社だけでなく、海外の大学に合わせて通年採用を行っているケースも多いです。そうした採用時期の情報収集も含め、アンテナを張っておいてください。右も左もわからない状態であれば、まずは大学のキャリアセンターに相談するのもおすすめです。さまざまな企業の会社説明会などにエントリーし、もし選考過程で不採用になることが多い場合は、就職エージェントに相談してみるなど、諦めずに多角的にアプローチすることが大切です。
修士論文と就職活動の両立で大切なのはタイムマネジメントだと思います。1週間のうち、それぞれにどの程度時間を割けるかをスケジューリングすることが大切です。真剣に就職活動に取り組みたいのであれば、できるだけ早い段階から論文の準備を進めることで、余裕を持って就活に打ち込めますが、両方ギリギリでやると、結果的にどちらも中途半端になってしまうと思います。
また、コロナ禍をきっかけに、オンライン形式の選考を行うようになった企業も多いです。特に外国籍社員の採用ではオンラインで面接を行う場合が多いですが、可能であれば一度は会社に足を運ぶことも、実際の雰囲気を確認する上で有効です。