スポーツ科学研究科の東矢宅史さんと田中航希さんは2022年度秋学期ドイツ体育大学に留学してきました。授業やキャンパスライフについてインタビューしました。
東矢宅史さん
■氏名
東矢宅史 (とうやたくじ)
■所属学部・研究科等
スポーツ科学研究科 修士
■学年(留学開始時)
修士2年
■派遣国:ドイツ
■派遣先大学:ドイツ体育大学ケルン
■参加プログラム:箇所間協定に基づく交換留学プログラム
■留学期間: 2022年10月3日から2023年2月28日
■留学を決めるまでの経緯:
研究室の1つ上の先輩である井村さんがドイツ体育大学ケルンに留学しているのを見て興味を持ったのがきっかけです。元々留学自体も興味を持っていたため、このようなプログラムがあるなら是非参加したいと思いました。実際に留学に応募しようと思ったのは2022年3月に井村さんが帰国をして話を聞いてからです。指導教員である松岡先生と両親に相談し、承諾を頂いて応募をしました。
■留学先で履修した授業科目と単位数:
German sport culture
International day
Cycling
■興味深かった科目とその理由:
German sport culture
日本よりもeスポーツへの理解が進んでいることが興味深いポイントでした。この授業は基本的に受講している学生が知りたいことを中心に、議論して進めていくのですがeスポーツについては様々な国の留学生が集まっている中、皆が興味をもって議論した話題で本当にいろいろな知見を得られたと感じます。他にも、ドイツで開催されたオリンピックや歴史について触れることでスポーツや国の関わり方を見直すきっかけになりました。
■学習・研究以外の活動で取り組んだもの:
寮に滞在をさせて頂いたのですが、寮に住んでいる皆との交流は力を入れて取り組みました。自国とは違う人との共同生活は本当に新鮮で楽しく、いい経験でした。他の国の料理、音楽、生活スタイルを知るいいきっかけになりました。
■経験した困難とどう乗り越えたか:
ドイツのスーパーや電車は基本ドイツ語表記しかないため、わからないことが多くありました。その時にただ調べるのではなく、英語でいろんな人に話しかけてコミュニケーションをとって理解することに努めました。特にドイツの電車は遅れることが多く、調べるだけでは解決できません。違う言語で知らない人にコミュニケーションを取ることは本当に勇気のいることでしたが、徐々に慣れ、いろいろな人とコミュニケーションを取ることを楽しめるようになりました。
■週末や長期休暇の過ごし方:
寮のメンバーと出かけたり、自身で一人旅に行ったりと外にでていることが多かったです。限られた時間で行きたい国や都市すべて行けるよう積極的に出かけました。
■設備:寮の部屋にはトイレとシャワー、冷蔵庫がついています。キッチン、洗濯機は共有です。
■サポート体制:International officeの講師陣が本当に親切に対応してくれます。対応スピードも速く本当に助かりました。
■宿泊先の種類: 寮(Dorm D)
■宿泊先の様子、どのように見つけたか: 学校の紹介
■気候、大学周辺の様子、交通機関、食事等:
冬はやはり寒く晴れないため、きつい部分はあります。大学周辺の治安はよく、トラムを使用すれば街も近いため便利です。食事に関してはレストランを利用すると高いですが、スーパーで食材を購入し自炊すればお金は節約できます。アジアンスーパーもあるので多少は工夫できます。
■お金の管理方法、現地の通貨事情: 現地口座(n26)の口座開設、ユーロで管理
■治安、医療関係事情、心身の健康管理で気をつけたこと等、危機管理: 日本よりもコロナに関して規制がないので、特に気を遣わずに自由に過ごしました。寂しい時はすぐに親や友達に連絡をするようにしていました。
■留学先への入学手続き: メールでのやり取り、特に難しいことはなし
■ビザの手続き:入国後に行う
現地の役所の人は丁寧なので特に問題なし。ただ、メールの返信が遅いため早めに対応する必要あり
■医療・保険関係の準備:
早稲田大学の留学に関する保険に加入
ビザの申請のため現地保険にも加入
■留学前の学内手続き
応募フォームに則って出願
留学に関しては、メールで詳細が来るのでそれに則り手続きを進める
■語学関係の準備:
IELTSの勉強
オンライン英会話レッスン(週3回以上)
■卒業/修了予定:2023年3月
■留学の意義、その他感想/
まず本当に経験できてよかったと思っています。英語力に不安はありましたが、フレンドリーに自信をもって話すことの重要性に気づくことができたこと、日本に帰国しても英語をもっと勉強しようというモチベーションになれたことが何よりも収穫だと思っております。また、海外で暮らすという学生だからこそ行いやすいことを「今」できたことが本当によかったです。留学に興味が少しでもあれば行くべきというのが経験した私の意見です。
他にもドイツで出会えた友達、学んだ文化、勉強を日本での生活に活かしていけるようにしたいと思います。このような機会を用意していただき、本当にありがとうございました。
田中航希さん
■氏名:田中航希
■所属学部・研究科等:スポーツ科学研究科
■学年(留学開始時):1年
■派遣国:ドイツ
■派遣先大学:ドイツ体育大学ケルン
■参加プログラム:箇所間協定に基づく交換留学プログラム
■留学期間:6ヶ月
■留学を決めるまでの経緯:
昔から留学をすることが一つの夢であり,大学院進学にあたり,その夢を目標にしようと思ったため.日本にいるだけでは得られない価値観や考え方を取得することが1番の目的であった.最終的には,親との資金面の相談を何度も繰り返し,合意が得られたため留学することを決めた.
■留学先で履修した授業科目と単位数:German Sport Culture, Swim rescue, Modern Olympic Movement, Cycling, Dance, Volleyball. 単位数合計13.5
■興味深かった科目とその理由:
German Sport Culture. ドイツの歴史とそれに対するドイツ国民の認識,それに対してドイツのスポーツがどのように絡み合っているのかがよくわかった.特に,戦争という失敗から反省を生かし,スポーツ界でも多様性を重んじようとするドイツのスポーツ体制に感銘を受けた.また,ドイツはスポーツクラブが日本に比べて何倍も多く,その背景や理由を知ることができて面白かった.
■学習・研究以外の活動で取り組んだもの: 週一回のドイツ語の講習
■経験した困難とどう乗り越えたか :
言語の面でも苦労することが多かった.私自身,英語を聞くことに苦手意識を持っているために授業中だけでなく友達との会話でも聞き取れないことが日常茶飯事であった.そうした中でも,自分の英語の範囲で質問をし,友達に分からないことを後から聞いてみることを徹底していた.そのため,少しは聞き取れるようになったし,友達からも上達したと言ってもらえた.
■週末や長期休暇の過ごし方:
長期休暇では旅行をした.EU圏内はパスポートなしで行き来することができるので,とても簡単に旅行することができた.週末は近くの公園で散歩をすることから1日を始めるのがルーティンになっていた.
■設備:
学食があるのだが,早稲田よりコスパがよく,初めのころは感銘を受けたことを覚えている.スポーツジムやプールが設備された施設は,使用時間は決まっているが常に学生に解放されており(休暇期間も含めて),早稲田との違いに感銘を受けた.
■サポート体制:
国際部署が設置されているのだが,困ったことや聞きたいことをメールすればすぐに対応してくれた.
■宿泊先の種類: キャンパス内にある寮
■宿泊先の様子、どのように見つけたか:
学部生時代に住んでいた早稲田の寮よりも広さがあり,また共同のキッチンが設備されていた.キャンパス内に寮があったためにアクセスの良さが目立った.しかし,寮にはWi-Fiが設置されておらず,それを事前に知らされなかったために辛い思いもした.
■気候、大学周辺の様子、交通機関、食事等:
ケルンの都心部よりも少し離れた,自然が豊かなところに位置しており,近くにはブンデスリーガのケルンFCの本拠地もある.そのため,ホームゲームがある際には大勢の人で盛り上がっていた.気候に関しては,冬セメスターに留学をしたため,曇りの天気が多く,寒さは日本と同じか少し低い程度であった.
■お金の管理方法、現地の通貨事情:
現地では現金しか使えないところが多いと聞いていたが,全くそんなことはなく,カードで払えるところは日本と同程度である.現地で現金を下ろせるカードを日本で用意し,かつカード払い用のカードも持ち,この2枚を上手に活用していた.
■治安、医療関係事情、心身の健康管理で気をつけたこと等、危機管理:
治安はすごく良かった.日本と比べたら汚いと感じる箇所もあるかもしれないが,個人的には気にならないことが多かった.ただ,現地で風邪をひきやすかったと感じている.現地で薬を手にするのは言語の面で難しいので,日本から薬を持っていくことをお勧めする.
■留学先への入学手続き:
国際部署に指定されたようにオンライン上で登録をしたが,とても簡単だった.
■ビザの手続き:
ドイツのビザの取得はすごく複雑で,閉鎖口座といい「月に決まった金額した使えない,留学生のための銀行口座」をドイツの銀行で作る必要がある.海外で銀行口座を作るのでさえ大変であるのに,元々用意していた日本の口座と併用しなくてはならなかった(私は結局,ビザ取得のためだけに閉鎖口座を作り,ビザ取得後は放置した.留学が終わった今は,閉鎖口座を閉じる準備をしており,これがまた苦労する.)ドイツのビザは、厳格さを求めるあまりに留学生側の負担が多くなると思う.
■医療・保険関係の準備:
ドイツの大学が準備した保険に加入するのみであった.
■留学前の学内手続き
早稲田の学内手続きに関しては,特に言及することはない.
■語学関係の準備:
オンライン英会話を利用し,個人的にはYouTubeやInstagramを用いて特にスピーキング(音読)の練習をしていた.
■卒業/修了予定:2024年3月
■留学の意義、その他感想:
内側から見た海外,外側から見た日本を知ることができる.また,日本の授業システムが全く違うので自分の意見を求められることが多い.そのような点でも,自分の意見を持ち相手に伝えることの重要性を感じる日々であった.そのため,留学をする意義はこのようなところに求めることができる.感想として,留学をする日々を通して一度も「留学をしなければ良かった」を思うことが一切なかった点が1番の収穫であった.