このたび、宮下政司准教授と花王株式会社(ヘルスケア食品研究所)との共同研究グループは、無作為化二重盲検プラセボ対照試験法(条件の割り付け者を第三者とし、参加者及び実験実施者ともに用いる飲料の区別ができないよう実施する試験)を用いトレーニング習慣のある成人男性に対して、2週間の高濃度茶カテキン含有飲料(総茶カテキン639 mg/500 mL:茶カテキン濃度として市販ペットボトル飲料の5〜6倍)の継続摂取を実施し、間欠性の運動(運動と運動の間に休息を挟む運動)テストから評価した全身持久力にどのような影響をもたらすかを検証しました。その結果、高濃度茶カテキン含有飲料の摂取試行(条件)において、対照飲料試行(条件)(総茶カテキン0 mg/500 mL)と比べ間欠性の運動テスト時の総走行距離が有意に延長することを明らかにしました。ヒトを対象とした茶カテキンと全身持久力に関する報告は少なく、限られた先行研究においてそのすべてが実験室内にて自転車エルゴメータやトレッドミルを用いた連続性運動による全身持久力を評価しています。しかし、競技者人口として上位を占めるスポーツであるサッカーやバスケットボール等の球技スポーツは、先行研究で用いられている連続性の運動とは異なり、間欠性の運動であります。従って、本研究の結果は実践の場に応用可能である可能性を示唆しています。本研究の成果は、日本スポーツ栄養学会の学術誌である日本スポーツ栄養研究誌に掲載されました。
【発表論文】
山上隼平、宮下政司、長谷川雅、城所哲宏、柳岡拓磨、柏原杏子、和氣坂卓也、松井祐司、吉村賢治、竹下尚男、安永浩一.2週間の高濃度茶カテキン含有飲料継続摂取が間欠性の運動テストから評価した全身持久力に及ぼす影響:無作為化二重盲検プラセボ対照試験.日本スポーツ栄養研究誌. 2017;10:17-25.(責任著者:宮下政司)
【本研究に関する問合せ先】
宮下政司
早稲田大学 スポーツ科学学術院 准教授
〒359-1192 埼玉県所沢市三ヶ島2-579-15
TEL/FAX: 04-2947-6774
E-mail: [email protected]