人間の日常生活活動において、スポーツは深く浸透し、私たちの生活に様々な影響を与えてい
る。スポーツ科学が扱う領域として、スポーツをする身体に着目して医科学的な評価・検証を行
うこと、健康増進や介護予防を通じて医療費削減や幸福な暮らしの実現に貢献すること、スポー
ツを“文化”としてとらえ深く洞察すること、スポーツビジネスの有り方について分析・提言す
ること、スポーツの強化や普及さらには市場の開拓を包含したマネジメントの技法を解明するこ
と等々、日常生活に直結する様々な課題がある。
このようなスポーツに関わる様々な課題を対象として、研究と教育を総合的に実施するために
本研究科が設置された。大学院学生は、所属する研究指導の演習に専念するだけではなく、研究
科に設置される様々な分野の講義・演習を履修することによって、スポーツ科学に関わる最高度
の研究成果を学習することができる。これらの学生が社会へと羽ばたき、スポーツに関わる様々
な分野で活躍することを通じて、“豊かなスポーツ文化の創造”に資することが、本研究科設立
の理念である。
修士課程(2年制)では、スポーツ科学の高度な知識を身につけ、関連する教育分野や
幅広い事業分野における有能な専門職者として活躍する人材を養成する。
修士課程(1年制)では、実務経験を有する人材が高度な知識を身につけ、
活躍の舞台を広げることを目的とする。
博士後期課程では、スポーツ科学に関する高度な研究能力や豊かな学識を有した
研究者養成を主眼とする。いずれも、本学の総合性・独創性を生かし、
体系的な教育課程と全学的な教育環境と学生生活環境のもと、地球社会に主体的に貢献できる人材を育成する。
修士課程では、国際的に通用する幅広い専門力、多様な学問・文化・言語・価値観に根差す考えを分析しながらまとめることができる力とリーダーシップを体得し、スポーツ科学の専門性を活かして、様々な社会活動に取り組むことができる人材を養成する。
博士後期課程では、修士課程で修得した専門性やスキルに加えて、卓越した専門力、論理的に説明するスキルを身に付け、既存の学術の枠組みを乗り越えて、自ら設定した高度な問題に挑戦し、スポーツ科学を基礎とした新たな知を発見し、人間社会にとって新たな価値を築くための基礎力を身に着けた人材を養成する。そのため、以下に挙げる項目を修得させる。所定の単位を修得し、学位論文の審査に合格した学生に学位を授与する。
・修士課程
①高い倫理観を持って、主体的にスポーツ科学の研究を進めるために必要な高度なアカデミックスキルズ(学術的・知的活動の基礎的手法)
②スポーツ科学および周辺学問領域に関する幅広い専門知識
③専門性に根差す独創性、幅広い知識やスキルを活用し、根源的あるいは実践・応用的な問いを自ら設定し、解決する力
・博士後期課程では、修士課程に加えて以下を要求する。
➀スポーツ科学に関わる専門的かつ根源的な問いを自ら設定し、解決し、国際的に発信する力。
②幅広い領域の研究を批判的に捉え、そこから問題点を探索する力
修了要件は該当する年度の研究科要項よりご確認ください。(「単位制度・修了要件・学科目の履修方法・成績」の項目をご参照ください)
研究科要項
ディプロマ・ポリシーを学生が達成できるよう、早稲田大学の全学的な教育環境と研究科の研究環境を活用して、以下の方針に基づきカリキュラムを編成する。修士課程では、スポーツ科学に関連する幅広い専門知識を体系的に学修し、広範かつ体系的に専門知識を学修できるようにカリキュラムを編成する。具体的には、以下の科目を提供する。
①高度なアカデミックスキルズを体得するための演習および講義
②スポーツ科学の専門知識や、専門性の高い研究や実践の手法を学修するための講義や演習
③文献資料やデータの解釈をしながら、専門知識を元に学生と教員とが論議することで専門知識の理解を深める演習
④自ら設定した課題を主体的に、科学的な手法に則って解決する基盤を修得する研究指導
なお、1年制(エリートコーチングコースを除く)では、社会人が勤務に支障をきたすことなく授業を履修できるように配慮する。
博士後期課程では、幅広い先行研究を批判的に捉えて、学生自らが立てた問いを科学的手法によって解決し、博士論文を作成できるよう、研究指導を行う。博士論文を構成する原著論文や著書の執筆、学会発表についても指導し、国内外に発信するスキルを磨く。高度専門職・研究者としての能力を向上させるように研究指導を行う。
スポーツ科学研究科では早稲田大学の教旨に基づき、スポーツ科学分野における新たな知の創造とその活用を通じて、豊かな社会の実現に貢献できる人材を輩出する。将来的にスポーツやスポーツ科学の分野を中心に、グローバルリーダーとして活躍できる人材を育成することを目指している。
そのために、スポーツ科学分野の研究活動を通じて自らの成長のみならず、スポーツひいては社会の発展を成し遂げようという強い意志や利他の精神に加えて、以下の能力や素養をもつ学生を国内外から広く受け入れる。
■グローバルに活躍するために十分な語学運用能力
■これまでの学習、研究、スポーツ・社会活動で培われた高度な専門知識や思考力および分析力
■スポーツ科学分野の専門的かつ学際的な研究や活動を通して豊かな社会の創造に取り組もうとする意欲
スポーツ科学研究科では、ディプロマ・ポリシー 、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーに基づき、多様な学問・文化・言語・価値観の交流を育み、地球社会に主体的に貢献できる人材、具体的にはスポーツ関連の幅広い事業分野で専門職として活躍し、スポーツ科学の発展に大いに貢献できる人材を養成している。
その成果である大学院生の学修到達度を、スポーツ科学における「リテラシー」「専門性」「学際性」「国際性」「独創性」を軸として、GPAや修士論文及び博士論文を通して総合的に評価・検証する。アセスメントの結果は、本研究科の特色や現状把握、カリキュラム改訂、学修支援の改善、外部評価対応のためにも利用する。
学修成果の評価項目(修士課程)
測定時期 | 学修成果 | 測定方法 |
1-2年次 | リテラシー | 直接評価:研究倫理・安全衛生講習合格者割合、スポーツ科学演習成績、修得単位数
間接評価:授業アンケート |
1-2年次 | 専門性
国際性 |
直接評価:演習成績、GPA、学会発表数、学振DC申請・採択数、海外学生派遣数・派遣率
間接評価:授業アンケート |
修了時 | 学際性
独創性 |
直接評価:出版学術論文数、学会賞・研究費などの獲得数、学位授与者数・授与者率、修士論文の評価 |
学修成果の評価項目(博士課程)
測定時期 | 学修成果 | 測定方法 |
1-3年次 | リテラシー | 直接評価:研究倫理・安全衛生講習合格者割合
間接評価:授業アンケート |
1-3年次 | 専門性
国際性 |
直接評価:学会発表数、学振DC・PD申請・採択数、海外学生派遣数・派遣率
間接評価:授業アンケート(研究指導) |
修了時 | 学際性
独創性 |
直接評価:出版学術論文数、学会賞・研究費などの獲得数、学位授与者数・授与者率、博士論文の評価 |