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- 【著作紹介】『基地問題から沖縄を知るための60章(上杉勇司・小松寛・波照間陽編著)』(文学学術院准教授 小松寛)
【著作紹介】『基地問題から沖縄を知るための60章(上杉勇司・小松寛・波照間陽編著)』(文学学術院准教授 小松寛)
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- Tue, 23 Jun 2026

明石書店 初版 刊行日2026/4/6 判型 四六版 360ページ ISBN-13: 978-4750360645
本書は明石書店「エリア・スタディーズ・シリーズ」の221冊目として、基地問題を通じて沖縄を知るために編まれた書籍です。同シリーズは世界各地をカバーする地域研究の入門書として広く知られていますが、「日本」の一地域を対象とするのは「北方領土を知るための63章」に続いて2冊目となります。
構成はⅠ概論、Ⅱ米軍基地問題、Ⅲ歴史、Ⅳ国際関係・安全保障、Ⅴ政治・経済、Ⅵ社会・文化となっており、60本の解説のほか、13本のコラムも掲載しています。
本書の特長を私なりにまとめれば以下の通りとなります。まず、各章のテーマについて、その分野の第一人者に執筆いただくことができました。ただし執筆者間で沖縄の基地問題について何らかの共通見解があったわけではなく、執筆者それぞれの視点から論述されています。多様な見方とさまざまな意見がある点も、沖縄の基地問題の複雑さを表していると言えるでしょう。
また、米軍基地だけではなく、自衛隊配備の問題についてもかなり紙幅を割きました。これは宮古・八重山を中心に進められている「南西シフト」をめぐって、軍事力の向上を目指す日米両政府と米軍との一体化が進む自衛隊が配備されることへ懸念を抱く地域社会との対立が、近年の沖縄の基地問題をめぐる重要なトピックとなっていることを反映しています。
さらにコラムでは多くの「若者世代」の声を掲載することができました。昨今、おおむね30代以下の年齢層では基地問題への関心低下や政治への諦めがあると各種世論調査で指摘されるようになりました。しかしながら、だからこそ、沖縄の基地問題について積極的に声を上げようとする若者がいるのも事実です。この世代がこれからの社会を変革していく原動力になっていくでしょう。
本書が沖縄の基地問題への理解を深め、その解決に少しでも資することができれば、編者のひとりとしてそれ以上の喜びはありません。ひとりでも多くの方々に手にとっていただきたいと思います。
〈研究内容紹介〉
沖縄の人々のアイデンティティ、特に沖縄が平和と自立を目指す上でそのアイデンティティが果たす役割に着目しており、近年では沖縄県の地域外交(自治体外交)を研究対象としています。
本書では「第20章 沖縄占領の統治制度」「第25章 日本復帰運動」「第38章 沖縄県の地域外交」「第41章 政権交代と沖縄」「第50章 沖縄のアイデンティティ」「第51章 沖縄独立論」を執筆しました。
早稲田大学文学学術院准教授
小松 寛(こまつ ひろし)
1981年生、沖縄県出身。早稲田大学社会科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。成蹊大学アジア太平洋研究センター主任研究員などを経て2025年4月より現職。専門は国際関係論、平和研究、戦後沖縄政治。共編著に『沖縄県の政治史ー基地と経済をめぐる相克ー』(2025年、法律文化社)、共著に『「いくさ世」の非戦論 : ウクライナ×パレスチナ×沖縄が交差する世界』(2024年、インパクト出版会)、『沖縄県史 各論編7 現代』(2022年、沖縄県教育委員会)など。
(2026年6月作成)