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【開催報告】国際シンポジウム「平安朝文学のことばと身体」
Dates
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SAT 2026- Place
- 早稲田大学戸山キャンパス 36号館382教室、オンライン(Zoom)併用
- Time
- 9時40分~17時45分
- Posted
- Mon, 08 Jun 2026
国際シンポジウム
平安朝文学のことばと身体
開催報告
この国際シンポジウムは、平安中期から後期、院政期にかけての文学作品、特に物語文学、日記文学、『枕草子』などの「ことばと身体」をテーマとして、最新の議論を展開すべく開催された。発表者の8名は、半世紀前後にわたってこの領域の研究をリードしてきたベテランから、気鋭のキャリア初期研究者まで各世代におよぶとともに、中国・北米などの国外で活躍を重ねてきた方々もふくまれる。
全体は二つのパートに分けられ、「平安朝文学のことば」と題した第1部では、本シンポジウムの企画者であり登壇者の一人でもある佐竹知佳氏の研究課題「源氏物語と平安後期物語の表現世界の解明 ―複合動詞の果たした機能に着目して―」(科研費)に呼応して、特に複合動詞が果たす機能、またその表現によって拓かれたことばの世界を解明しようとする四本の発表がなされた。
- 松岡智之「『源氏物語』の複合動詞「出で立つ」と「立ち出づ」と ―『仙源抄』を起点に─」
- 佐竹知佳「『源氏物語』と『今とりかへばや』の「扱ふ」とその複合動詞 ―他者に扱われる女たち―」
- 千野裕子「『夜の寝覚』の男君をめぐることば ―演技する・嘘をつく男―」
- 三田村雅子「「思ひ」の重畳・「思ひ」の循環 ―『有明の別物語』の複合動詞―」

第1部の討議の様子(左から、橋本氏、松岡氏、佐竹氏、千野氏、三田村氏)
また、「平安朝文学の身体」と題した第2部では、「身体」あるいは「身と心」に関わる描写・叙述、さらにはその国際的な享受などにまで注目することによって見出される諸問題をとりあげた四本の発表が並んだ。
- 馬 如慧「古代文学における「はらから」の姉妹の身と心」
- 前田みどり「『夜の寝覚』の〈病〉む身体/すれ違う心」
- ゲルガナ・イワノワ「スクリーンが変えた『枕草子』―英語圏における受容と変容―」
- 神田龍身「『紫式部日記』寛弘五年記の表現構造 ――心的外傷の現在と、その二つの冷却システム」

第2部の討議の様子(左から、吉井氏、前田氏、馬氏(画面上)、ゲルガナ氏、神田氏)
第1部の発表後には橋本ゆかり氏をディスカッサントとして、また第2部の発表後には吉井美弥子氏をディスカッサントとして、発表者との間での討議がなされ、個々の発表どうしの関わり、また共有されるべき問題点などが確認されることとなった。さらに、最後の総合討議では、ジェンダーの問題、漢語・漢文学あるいは仏教語との関わり、身心にわたる「病い」のありよう、また特に平安後期に顕著となる懐妊に関わる叙述の問題などが話し合われ、さまざまな新見も示された。

総合討議の様子
なお、総合司会は福家俊幸・井野葉子、各発表の司会は小泉咲・馬場淳子・山﨑薫・三村友希、総合討議の司会は陣野英則の各氏がそれぞれ担当した。シンポジウム当日の参加者は、会場での対面参加が73名、オンライン参加が84名で、計157名とかなりの盛況であった。

会場の様子
開催概要
- 日時:2026年5月30日(土) 9時40分~17時45分
- 場所:早稲田大学戸山キャンパス 36号館382教室、オンライン(Zoom)併用
- 主催
早稲田大学総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
早稲田大学SGU国際日本学拠点
JSPS科研費「『源氏物語』と平安後期物語の表現世界の解明 ―複合動詞の果たした機能に着目して―」(24KJ2060)