From the Director

所長挨拶

所長挨拶

所長挨拶

商学は、企業や市場をはじめとするビジネスに関わる諸現象を、多様な学術的視点から解明する学問分野です。同時に、現実の経済社会と深く結びつき、その変化と向き合いながら発展してきた、実学としての性格を強く備えています。

ビジネスに関する研究を発展させるためには、現実の企業活動や市場を丹念に観察し、そこから新たな研究課題や着想を見出すこと、実務の現場から得られるデータをもとに厳密な分析を行い、新たな知見を生み出すこと、そして、その成果を学術界のみならず産業界や社会へ還元していくことが不可欠です。さらに、研究成果を実務へと還元することによって新たな対話が生まれ、それが次なる研究課題や観察の機会へとつながっていきます。こうした学術と実務の不断の往還を生み出し、その循環を力強く動かしていくことこそ、商学の発展にとって重要であると考えています。

早稲田大学産業経営研究所は、学術界と産業界を結ぶ架け橋として、学内外の研究者によるビジネス研究を支援するとともに、産業界との多様な接点を築いてまいりました。しかし、当研究所の役割は、研究活動を支えることだけにとどまりません。研究者と実務家を結び、新たな研究課題を生み出し、そこから得られた知見を広く社会へ発信することによって、早稲田大学におけるビジネス研究をさらに前進させる。その原動力となることが、当研究所の重要な使命です。

その使命を果たすため、当研究所では、専門分野ごとに研究分科会を設置し、それぞれの研究課題に即した研究活動を展開しています。また、研究会や講演会の開催、企業・団体との共同研究や受託研究の推進などを通じて、学術研究と実務との有機的な連携を積極的に図っています。研究者と実務家が互いの知見を持ち寄り、時に異なる視点をぶつけ合うことによって、新たな問いが生まれ、新たな知が創り出されます。当研究所は、そうした知的交流を生み出す場を、これまで以上に積極的に創出してまいります。

早稲田大学は、ビジネス関連諸分野において、国際的にも高い水準の研究成果を継続して発信している、日本を代表する研究教育機関の一つです。私たちは、これまで築き上げてきた研究基盤を礎としながら、そこにとどまることなく、さらに高い水準を目指さなければなりません。産業経営研究所は、学内外、さらには国内外の研究者や産業界との連携を一層深化させ、世界に向けて新たな知を生み出し、発信する拠点として、その役割をさらに強化してまいります。

学術と実務を結び、新たな問いを生み出し、新たな知を社会へ送り出す。そして、その知が再び新たな研究を生み出していく。産業経営研究所がその循環の中心となり、早稲田大学のビジネス研究をさらに前へと進めていくことが、私たちの目指す姿です。

その実現に向けて、研究所の活動を一層充実させてまいります。皆様の積極的なご参加とご支援を心よりお願い申し上げます。

早稲田大学産業経営研究所 所長
(商学学術院 教授)
山野井 順一