東日本大震災の発生以降、日本の、特に若者層を中心として、ボランティア活動への関心は飛躍的に高まりました。2011年公開の映画『僕たちは世界を変えることができない』が大きな話題になったことなど、国際協力は大学生にとって関心の高い分野の一つと言えます。今回のICCトークセッションでは、本学在学中に学生主体のNGO「日本ソマリア青年機構」を設立し、紛争解決という分野を頑なに突き詰めて活動されている永井陽右氏をゲストに迎えます。
永井氏が「日本ソマリア青年機構」を設立した2011年当時、ソマリアは内戦によって無政府状態にあり、国連や国際機関も容易に立ち入ることのでき ないといった状況でした。また、各地で戦闘が継続するなか、史上最悪規模の飢餓を経験し、「比類なき人類の悲劇」とも呼ばれていました。永井氏はそのような状況に置かれたソマリアに目を背けることなく、「学生だからこそできることがある」という想いで活動を始めました。
日本ソマリア青年機構では、ソマリア人難民移民居住区を拠点に、窃盗や恐喝そして殺害といった犯罪行為の撲滅運動に従事し、地域犯罪を生み出しているソマリア人ギャングの社会復帰プロジェクトを実行してきました。早大生と同年代である彼らはソマリアの武装勢力からの格好のリクルート対象ですが、プロジェクトでは「テロリスト予備軍」と呼ばれる彼らを脱過激化させて社会に統合していくことにより、テロの予防に繋げることを目指し活動しています。ご講演会当日はプロジェクトの様子のほか、紛争解決や平和構築といった分野がなぜ今必要とされているのか、お話しいただきます。現在国際協力に関心を持っている学生は勿論、何か新しいことを始めたいと考えている学生も、是非お越しください。
日時 | 2016年5月18日(水)16:30~18:00 (開場16:10) |
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会場 | 大隈ガーデンハウス(25号館)1階 |
対象 | 早大生・教職員・一般 |
言語 | 日本語 |
参加費 | 無料 |
事前登録 | 不要(先着順80席・立ち見可) |
ゲスト | 永井陽右(ながい・ようすけ) 日本ソマリア青年機構全体代表。1991年神奈川県生まれ。早稲田大学在学中にソマリアの大飢饉と紛争の問題を知り、日本で唯一のソマリアに特化したNGO「日本ソマリア青年機構」を設立。2015年4月早稲田大学教育学部複合文化学科卒。同年9月よりロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの紛争研究修士課程に在籍。南スーダン共和国の和平調停プロセスにリサーチアシスタントとして携わるほか、ガーナ共和国で武装解除研修を受ける等、今現在もその専門性を磨いています。これまで人間力大賞、小野梓記念賞など受賞や選出多数。著書:『僕らはソマリアギャングと夢を語る――「テロリストではない未来」をつくる挑戦』(英治出版)2016(5月10日発売予定) |
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