わたしは、「社会のどこかにいる誰か」のためではなく、「いま隣りにいるあなた」のために、アライでありたいなぁ、と思っています。
アライという言葉を知ったのは、大学2年生の時に受けた、マイノリティをテーマにした授業でした。学ぶうちに、わたしもアライになりたいと思うようになりました。そういう勉強をしたよ、と周りの人に話していたら、一緒に大学生活を送ってきた友人が、自分が当事者であることを教えてくれました。そして、そうしてくれた人は、ひとりではありませんでした。わたしは、打ち明けてくれて嬉しかったのと同時に、自分の身近に当事者が何人もいたことに驚きました。そして、それまで心のどこかで「でもやっぱり自分とは違う世界」と思っていたことに気づき、謝りたい気持ちになりました。また、大学生活を共に過ごしてきた友人であっても、さらりとは話せないというのが現実なのだな、ということを思い知りました。そんなことから、わたしは、いま目の前にいる人から「この人なら話しても大丈夫」と思ってもらえるような存在になれたらいいな、と考えるようになりました。わたしのように、「応援したいけど、自分の周りにはいないからなぁ」と思っている人は、たくさんいると思います。でも実は、「本当に、びっくりするくらいすぐそばにいた」ということも、多くの人に当てはまると思うのです。それは、セクシュアリティのことに限りません。自分のことも、他人のことも、決めつけないでいられたらいいな、と思います。
文化構想学部卒業 原田 莉佳