僕を構成する要素はたくさんあって、その中のひとつにトランスジェンダーであるということがある。
それなりに大変なこともあったけれど、女子として過ごしてきたからこそ、仲良くなれた友達や経験できたこと、得られた価値観がある。それらがなかったら確実に今の僕はない。だから、その女子として過ごした時間も僕の大切な部分だって今なら思える。
僕がカミングアウトしてから、何人かの友達から自分もLGBTであるとカミングアウトされた。「こんなに身近にいたのか!」と当事者である僕も驚いてしまった。いないんじゃなくて、本当に見えていないだけなんだってわかった。
僕は、カミングアウトは必ずしも必要なことではないと思っている。だってセクシュアリティが重要な関係性なんてそんなにないと思うから。でも見えないからといって、LGBTの人が周りにいない前提で話すのは違うと思う。そして、カミングアウトしたいと思った人が安心してカミングアウトできる環境が増えてほしいなと思う。LGBTのことに限らず、みんなが互いのちがいを楽しめたり、個性を尊重し合えたり、そんな社会になりますように。
文学部3年
イベント企画サークルqoon所属
とも