大学は基本的に集団教育を行うところですので、学生の学力は揃っていた方が教え易くなります。このため、入学試験で学力試験を課したり、それでも揃え切れない点は、同じ科目で学力別のクラス分けをしたり、ゼミ・研究室においては個別指導をしたりします。一方、例えば社会科学では人の価値観の多様性自体を扱いますし、自然科学においても多様なアイデアが寄与してきました。多少のコストをかけても、大学の構成員自体が多様であった方が教育研究環境としての利点が大きくなります。画一的に学ぶ点と、多様性に学ぶ点、どちらも大切だと考えます。
井上 真郷
保健センター所長
理工学術院教授