Waseda University Junior High School早稲田大学 高等学院 中学部

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芸術鑑賞教室 活動報告

 今年度の芸術鑑賞会は、6月15日(木)に行われました。今回は「東大和市民会館ハミングホール」にて青年劇場の演劇「あの夏の絵」を鑑賞し、演劇終了後、希望者が座談会に参加しました。

◆演劇「あの夏の絵」を鑑賞して
 「あの夏の絵」は、主人公である恵と、恵と同じ美術部の部員である奈々と篤人が、被爆証言者である白井さんの話を元に原爆投下直後の光景を絵に描いて再現するまでのプロセスを描いた物語でした。これは広島市立基町高校と言う高校で実際に取り組まれているプロジェクトが舞台化された作品でもあり、リアリティのある劇でした。
 戦争に関する劇と言われると、なんとなく戦時中を描いたものを想像してしまいがちですが、この劇は被爆体験の継承がメインテーマになっており、今までになかった角度からの刺激を受けることができました。
 僕が一番印象に残ったことは、白井さんが描いている途中の絵を見ることによって徐々に過去の記憶が蘇るところです。僕ら若い世代が積極的に戦争や原爆に興味を持ち、行動することは単に被爆体験の継承により僕達が新しい知見を得るだけでなく、証言者の方々も得るものがあるのだと感じ、自ら行動を起こすことの大切さを学べました。
 また、作中で美術部の3人ははじめ険悪な関係で描かれています。そんな3人が被爆体験の継承に触れる中で、その恐怖を分かち合い、最終的に一つの目標に向かって協力して努力する姿を見て、友達や友情の大切さも学ぶことができました。
 実体験を元にした現実味ある物語を鑑賞し、戦争や被爆、またそれ以外についても広く学ぶことができ、非常に良い経験となりました。

◆座談会を終えて
 演劇終了後、希望者20人程度が参加した座談会では、恵役の傍島さん、白井さん役の平戸さん、恵の祖母役の藤井さんのお三方にお話を伺い、質問をさせていただいたり劇の感想を伝えたりしました。
 質問は、役作りや舞台演出に関すること、劇中での気付きなど多岐に渡り、充実した時間を過ごすことができました。
 僕が特に印象に残ったのは、僕らは証言者の方々から直接話を聞くことができる最後の世代であると言われたことです。劇中で白井さんが突然倒れるシーンがあったこともあり、迫られている感じがして焦りを覚えました。また、その話の流れで、クラスメイトの1人が「自分達が大人になった時どうやって原爆のことを伝えていけば良いのか」と言った内容の質問をしていました。この劇が確実に僕らの被爆体験の継承への意欲を高めているのだと実感しました。演劇の持つメッセージ性を感じることができ、その貴重さを実感しました。

(2年・金井)

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