Waseda Institute for Advanced Study (WIAS)早稲田大学 高等研究所

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研究所の活動内容や所属研究員の研究成果等を定期的に情報発信しています。

最新号

研究者紹介

高等研究所では、2017年度に11名の所員を新しく迎えました。各所員より研究内容を簡単にご紹介します。

石川 真衣

株式会社は物的会社の代表例とされますが、株式会社に関する一般規定を19世紀初頭にいち早く設けたフランスにおいては、株式会社は人的会社と同様に組合契約を基礎とすると解されました。契約という人的結合に基づく理論の発展及び展開の研究を通じて、現代株式会社法制における同理論の意義を明らかにすることを目指しています。

石川 真衣

 

笠原 晃恭

主として、コーポレートファイナンス、アセットプライシング、ゲーム理論の分野で研究を行っております。より具体的には、1) 企業の資金調達におけるレバレッジ選択と税制の関係、2) 企業による効率的な資金調達を可能とする金融証券の設計、3) 効率的なOTC取引市場の設計、4) 動学的ゲームにおける解の一意性といった問題について考えています。

笠原 晃恭

 

北村 美穂

声の抑揚や姿勢といった普段あまり意識しない身体的特徴は、コミュニケーション場面で私たちの印象形成や意思決定に重要な影響を及ぼします。またこれらの身体性は対人のみならず自分自身の内的状態をも変容させ、さらに対人的な関わりに影響するというループ構造を生み出しています。こうしたプロセスの潜在的・非潜在的側面について、認知科学的手法を用いてアプローチしていきます。

北村 美穂

 

砂井 紫里

飲食と社会について文化人類学の立場から研究しています。現在は、現代ハラール産業のグローバル化の動態とその影響を中心に、暮らしの中の多様な実践と、政府・産業レベルの商品・サービス、標準化の双方から調査をしています。私たちは何をどのように消費し、どのように人と交わるのか、多文化社会における協働のあり方について考えています。

砂井 紫里

 

佐野 勝宏

我々ホモ・サピエンスの生物学的特異性を理解するため、人類進化と道具の製作・使用体系の発達史に関する研究を進めています。現在、特に狩猟技術の発達史に焦点を当て、人類が投槍器や弓矢を用いた複合的投射技術を開発した時期を解明し、人類の進化や拡散の歴史との関連について明らかにすることを目指しています。

佐野 勝宏

 

ダンドワ レジス

Régis Dandoy has a PhD in Political Science from the University of Brussels. Before moving as assistant professor at Waseda University, he was lecturer and research fellow at the University of Zurich, FLACSO-Ecuador and the University of Louvain. His main research interests deal with comparative politics, federalism and decentralization, regional politics, sub-national elections and party manifestos. His current research deals with the comparative analysis of executive and legislative elections at national and regional levels.

DANDOY, Régis

 

チェスノコバ タチャナ

My research focuses on the issues in the areas of international trade and development economics.

The aim of my current project is to understand the effect of globalization on renewable resource management such as fisheries. I and my coauthor conduct an empirical examination of fisheries access agreements on a global scale which will allow us to systematically distinguish the key determinants of these agreements and contrast them to the determinants of fish-product trade flows.

CHESNOKOVA, Tatyana

 

冨永 靖敬

テロ組織など反政府武装組織に対する対反乱政策(Counter-insurgency)の影響を計量的に検証する研究を中心に行なっています。研究には観察データを用いていますが、推定手法の工夫を通して、可能な限り政策の妥当な因果効果を得るよう努力することに加え、単なる政策分析に終わらないよう組織のダイナミズムの理論的分析を通して政策効果のメカニズムの解明を試みています。

冨永 靖敬

 

中 惇

物質中の電子の間に働く電気的な反発力は、磁性をはじめとした様々な物性の源です。一方、特定の価数をスキップする不思議な元素(バレンススキッパー)を含む物質では、電子間に引力が働き、負熱膨張など従来物質と全く異なる性質が現れます。私は数式と大型計算機を駆使して、新物性の解明や新機能の発見を目指して研究を行っています。

中 惇

 

ブレーム ウィリアム

Will Brehm is an Assistant Professor at the Waseda Institute for Advanced Study, Waseda University (Tokyo, Japan). His research interests focus on the intersection of comparative education and international relations. He is currently conducting a research project that explores historical memory and schooling across Cambodia, Laos, Myanmar, Thailand, and Vietnam. He also conducts research on higher education regionalization in the Asia Pacific, consults for the World Bank in Cambodia, and hosts a weekly podcast on education, globalization, and society called FreshEd.

BREHM, Will

 

八尾 史

インド仏教の学派のひとつ根本説一切有部の聖典では、僧院規則集である「律蔵」に、教義を説く「経典」が数多く埋めこまれています。これらの経典をサンスクリット語、チベット語訳、漢訳として伝わる律蔵から抽出し、その文脈を分析することによって、失われた「経蔵」の内容を解明することをめざしています。

八尾 史

活動紹介

金子守教授によるセミナー「Logic and Game Theory」、「分野横断研究のやりがい、楽しさ、難しさ、苦労について」を開催しました(2017年5月16日)

藤原 誠 助教

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セミナーの様子

5月16日(火)、早稲田大学高等研究所において、高等研究所セミナー「Logic and Game Theory」および、ランチタイムセミナー「分野横断研究のやりがい、楽しさ、難しさ、苦労について」を開催しました。講師には、数理論理学、ゲーム理論、政治経済学にまたがる分野横断研究の第一人者である金子守教授(早稲田大学政治経済学術院、特任教授)をお迎えし、上記2つのテーマについて講演をしていただきました。

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参加者からの質問に答える金子守教授(右)

高等研究所セミナー「Logic and Game Theory」には、数理論理学、ゲーム理論、経済学、哲学、心理学、政治学、法学、人工知能、計算機科学など、様々な分野の研究者や学生、有識者が早稲田大学内外から20名あまり参加し、和やかな雰囲気のもと、終始活発な議論が行われました。講演の中で、金子教授は、蒟蒻問答のような記号化とその解釈の問題が、ゲーム理論や経済学においても重要な問題として現れることを、ゲーム理論の具体例を用いてわかりやすく説明して下さいました。金子教授の研究の革新的な点は、ゲーム理論や経済学において現れる記号化とその解釈の問題を、数理論理学を利用して巧妙に取り扱うところにあります。講演を通して、記号とその意味を分けて考えるという数理論理学の視点を他の分野に取り込んでいくことの有用性を知ると同時に、数理論理学を他分野へ応用するための多くの示唆を得ることができました。

引き続き行われたランチタイムセミナー「分野横断研究のやりがい、楽しさ、難しさ、苦労について」では、分野横断研究のやりがい、楽しさ、難しさ、苦労などを分かち合う時を持ちました。まず、高等研究所所員や関係者からなる参加者全員が自己紹介し、研究分野および分野横断研究についての意見や問題意識などを分かち合いました。その後、金子教授にこれまでの研究生活における体験談や分野横断研究についてお話しいただき、最後に参加者全員でざっくばらんに議論をしました。その中で、特に、数学の理論研究を多分野に応用する可能性について話題にのぼり、ゲーム理論や経済学に限らず、他の多くの分野においても数学の理論研究を応用できれば利点は大きいが、実際にそれを行うには困難も大きいという現状を再認識し、その解決策についても考えることができました。また、通常の学会や研究会などでは話題にしにくい、研究の視点、分野横断研究のための環境づくり、数学者の研究興味、などについても気兼ねなく話し合うことができ、大変有意義な議論を行うことができました。

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ランチタイムセミナーで進行をする藤原誠助教(中央)

高等研究所には様々な分野、背景を持つ研究者が集まっていますが、それぞれの研究コミュニティーによって、その常識や研究手法、用いる言語から発信方法まで研究内容以外にも様々な違いがあります。そして、問題意識や研究起源が近くても、そのような文化の違いによって研究協力が難しくなっている場合も往々にしてあります。互いに協力し合い、様々な違いを逆に強みとして生かしていくためにも、今回のような高等研究所所員同士の研究交流や、学内外の関係者との相互理解の機会を今後も大切にしていきたいと思っています。

 

アジアの奥地にヒトと動物の暮らしを探る ~モンゴル西部地域の2016年度フィールドワークを振り返って~

相馬 拓也 助教

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図1 霊峰ムンフハイルハン

私が主要調査地としているモンゴル西部アルタイ山脈でのフィールドワーク調査も、今年で11年目を迎えました。2016年4月~2017年3月までの期間、わたしの研究対象地ホブド県、オブス県、バヤン・ウルギー県に6回の渡航を行いました。「ヒトの極限環境への生存戦略」の調査以外でも、大自然とふれあう実り多い調査を行うことができましたのでご報告します。

 

図2 「天の花」バンシンブル

夏季2016年7~8月の主要調査地ホブド県では、モンゴル国内の第三峰となる霊峰ムンフハイルハン(標高4,362m)(図1)の山麓を中心に、おもに遊牧民の生活誌や労働量の調査を実施しました。日々の暮らしはもちろん遊牧民のゲルで寝泊まりさせていただきます。夜はときおりトビネズミやハリネズミが侵入してきて、寝袋の上を跳ね回って行くこともしばしばあります。ムンフハイルハン山麓は美しい峰々、水、動植物の世界が広がります。とくにモンゴルでも「天の花」とあがめられるトウヒレン属の一種バンシンブル(雪蓮花)(図2)が咲き誇るのは、アルタイ山脈でもこの土地だけです。そしてムンフハイルハンには「一八歳の乙女」が守護霊として宿ると言われており、天の花とともにあがめられる霊験あらたかな場所でもあるのです。

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図3 テスに広がる砂漠での調査風景

アルタイ山脈北方のロシアと国境を接するオブス県では、過酷な環境への適応・生活戦略の調査を実施しました。モンゴルでもっとも生活の過酷な場所を紹介してほしいと打診したところ、テスという場所に赴くこととなりました。テスとは現地の言葉でまさに「忍耐」を表します。この場所はほぼ砂漠に近い砂の大地が広がります(図3)。

図4 「モンゴルの死海」ダブス・ノール

 

 

過酷な生活は灼熱の大地だけではなく、この場所はモンゴル有数のシベリア蚊の大群が大発生する土地で、夏には人と家畜に襲い掛かります。薄暮のころに野外に出すると、あっという間に全身を蚊に覆われるほどの大群が血を求めてむらがって来ます。これにより家畜群も蚊を避けて宿営地にじっとしていることができなくなります。また死海に似た「塩の湖」が存在し、塩田として利用されるほか、健康療法に訪れる人もいます(図4)。

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図5 ユキヒョウ生態観察の調査風景

冬季2017年1~2月調査では、「ユキヒョウの生態観察・民俗調査」を実施しました。ユキヒョウの糞、尿スプレー箇所、足跡などのライフサインを追跡し、生態行動の調査(図5)とドキュメンタリー・フィルムの撮影を合わせて実施しました。観察地点までは雪と落石で何度となく自動車が座礁してしまい、途中からはラクダに荷を積んで訪れました。現地では隙間だらけの観察小屋(室内でも-25℃)で凍える夜を過ごしながら、ユキヒョウの観察を行う過酷な日々でした。酷寒の毎日でしたが、毎晩空を美しい星空が彩ってくれました(図6)。

 

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図6 アルタイ山脈の夜空

現地でのフィールドワークは決してやさしいものではありません。日々繰り返される定量調査は単調な行動や計測の連続であり、集中力と忍耐力とのがまんくらべでもあります。それでも、アルタイ山脈は一人前のフィールドワーカーとなる機会を与えてくれた場所でもあり、その大自然と人々の暮らしの解明に、これからも使命感をもって取り組んでいきたいと思います。

 

インフォメーション

訪問研究者

WIASでは国際的に活躍する優れた研究者を海外から招聘し、本学研究者との学術的交流やセミナー等を通じて、 本学の研究活動の活性化に寄与しています。詳しくはこちら

  • 2017年4月1日~2017年4月30日 KELLERHALS, Ruth; Professor, University of Fribourg, Department of Mathematics(スイス)
  • 2017年5月1日~2017年6月1日 NORNES, Mark Howard; Professor, University of Michigan, Department of Screen Arts and Cultures, Department of Asian Languages and Cultures(アメリカ)
  • 2017年6月1日~2017年6月30日 ZATTONI, Alessandro; Professor, LUISS University, Department of Business and Management(イタリア)
  • 2017年6月20日~2017年7月20日 LEE, Soohyung; Associate Professor, Sogang University, Department of Economics(韓国)
  • 2017年7月1日~2017年7月31日 YIU, Wing Yee; Professor, Chinese University of Hong Kong, Department of Management(香港)

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