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将棋部「だから団体戦は面白い」 “優勝の望み薄”からの全国大会2連覇

「大学の団体戦は、組み合わせの面白さが醍醐味」

公認サークル「将棋部」
前主将(※) 社会科学部 4年 竹内 広也(たけうち・こうや)
主将 文学部 3年 江口 幸寛(えぐち・ゆきひろ)

※将棋部では運営を仕切る「幹事長」とは別に、競技のリーダーを「主将」と呼ぶ。

(左から)竹内さん、江口さん

2017年に引退した加藤一二三さんや女流棋士だった竹俣紅さんをはじめ、現役で活躍している広瀬章人八段や中村太地七段など、早稲田大学出身者も多い将棋の世界。公認サークルとして活動する「将棋部」も、毎年全国大会に出場している古豪です。2019年12月末に三重県四日市市で行われた「第50回全日本学生将棋団体対抗戦」では、優勝候補だった東京大学をおさえて2連覇を達成。そんな将棋部で活躍している新旧主将の二人に、同大会のエピソードやサークル活動について聞きました。

※インタビューは2020年3月3日に行いました。

――将棋を始めたのはいつからですか?

竹内

父親が昔から趣味として将棋をやっていた影響で、まず双子の弟が始め、それを見ていた自分も小学校1年のときにルールを覚えました。ですが、その頃は年に数回やる程度で、大会に出たり、週末に公民館などで行う対局に参加するようになったのは小学校4年からです。実は弟も早稲田(人間科学部4年)で、将棋部にいます。

江口

僕もルールを覚えたのは小学校1年ですね。アマチュア初段の祖父から教わったのがきっかけですが、同じく年に数回指す程度でした。教室や大会に行き始めたのは小学校6年生からです。中学生のときに奨励会(※プロ棋士養成機関)入りの試験に落ちてプロ棋士の道は諦めたものの、それ以降も将棋を続けています。

戸山キャンパス30号館(学生会館)にある部室

――将棋の面白さはどんなところでしょうか?

竹内

ありきたりですが、子どもから年配の方まで、いろいろな世代の人と幅広く交流できるところですね。僕は他に趣味もないので、休みの日も将棋を指していることが多いです(笑)。

江口

僕は、技術以外にも“人間”が出るところが面白いと思います。上手下手関係なく、「この将棋、この人じゃないと指せないな」と思うことが結構ありますね。

竹内

「棋風」とも呼ぶのですが、将棋の指し手を見ただけで、誰が指したか分かることもあるんですよ。

――昨年末に行われた「第50回全日本学生将棋団体対抗戦(以下、学生王座戦)」では、2018年に続き2連覇を達成されました。まずは学生王座戦について教えてください。

学生王座戦での竹内さん

竹内

毎年12月に三重県四日市市で行われる学生王座戦は、僕たち将棋部が1年間の集大成として優勝を目標にしている全国大会です。メンバー登録できる14人の中から、対戦ごとに「大将」から「七将」までの7人を選んで同時に対局し、3日間かけて10大学の総当たり戦で勝ち点を競います。対戦大学のメンバーの並びを予想して7人分のオーダー表を作成するのは主将の役目です。

江口

オーダーは実力順である必要はないので、「大将」が一番うまい人とは限りません。高校の団体戦は3人制で、メンバーも実力順の並びで固定でしたが、大学の団体戦は「組み合わせの面白さ」が醍醐味(だいごみ)です。立命館大学戦は相手方の並びの予想が的中して、理想的な当たり方ができましたよね。

――優勝候補は東京大学とのことでしたが、東大戦は異例の引き分け(*)となり、その後の2戦に勝利して優勝されたんですよね。

*3勝3敗となった後、最後の1局が「千日手2回」(千日手1回目は先手と後手を入れ替えて指し直しとなるが、2回目も千日手となること)の規定で引き分けになった。「千日手」とは、同一局面(盤面・両者の持駒・手番が全て同一)が4回現れること。

竹内

2019年はその前に行われた関東予選も含めて東大に3連敗していたので、正直僕たちが優勝できる確率は2割くらいかなと思っていました(笑)。恐らく誰もが東大が優勝すると思っていたはずです。

学生王座戦での江口さん

江口

西では立命館が強く、そこに勝つのも大変なので、無難に見られたら三番手でしたよね(笑)。結果的には立命館にも5-2で勝てましたが…。

竹内

今回は対戦順にも恵まれましたね。リーグ表は前年の地区代表の順位で作られており、早稲田は4位の位置からのスタートでした。うちが負けるなら上位の東大、立命館、京大だと思っていましたが、5戦目の立命館、6戦目の京大に勝って、2日目の時点で優位に立てたのがよかったと思います。

江口

東大は1位からのスタートで、最初は10位の大学と対戦し、次第にあたりがきつくなっていくんです。最終日に強い相手3大学と戦わなければいけないのは、ちょっと不利ですね。仮に東大戦でうちが負けていても、東大にはまだ立命館と京大の対戦が残っていたので、プレッシャーは東大の方が大きかったかもしれません。

「緊張感が半端ない」という学生王座戦を終えて表彰式に臨む二人

――最終日、2連覇が決まったときの気持ちを聞かせてください。

竹内

団体戦勝利のカギとも言えるオーダー決めが主将の大きな役割でもありましたので、連覇できたことはうれしかったです。ただ、自分自身の対戦成績は7勝2敗でした。東大戦と立命館戦という大事なところで負けてしまって、反省しかなかったですね。

江口

僕は関東予選の東大戦で激闘の末に負けてしまい、それ以降、授業が始まる前に部室に来て一人で練習するなど、生活習慣を変えたんです。その甲斐もあってか、僕は9戦中7戦に出場して6勝1敗でした。京大には負けてしまいましたが、明らかに相手が格上でした(苦笑)。

学生王座戦終了後の記念撮影(前列左端が江口さん、左から2人目が竹内さん)

――お二人のような将棋のうまい学生ばかりが集まっているイメージのある将棋部ですが、サークルの雰囲気はいかがですか?

竹内

確かにもともと将棋をやっていた人は、勧誘をしなくても入ってきますね。でも、もちろん初心者もいますし、女性も数人いますよ。土曜日には「研究会」があり、大会と同じ持ち時間で対局をしていますが、終了後は1手10秒ルールで指してみんなでわいわいやったり、打ち上げをしたりしています。

江口

でも、打ち上げと言っても、基本的にアルコールは飲みません。上の代が激しかったらしいので、その反省という説があります(笑)。日曜日は月にもよりますが、大会で予定が埋まることが多いです。

昨年の夏合宿中に行ったペア将棋の様子

――最後に、今後の目標を聞かせてください。

竹内

今年は就活があるので、秋から大会に出場したいと思っています。大学に入るときの目標が「学生個人タイトル獲得」だったので、できれば達成したいですね。

江口

東大は昨年の1~3年生が主力で、今年もメンバーがほぼ変わらないようですが、早稲田はエースだった5年生や強かった4年生が卒業してしまい、昨年以上に厳しい戦いになることが予想されます。今年度は僕が主将なので、団体戦では戦術を考え、うまくメンバーをあてて勝ちに行きたいと思っています。

第756回

【プロフィール】

竹内 広也:山梨県出身。山梨学院高等学校卒業。将棋同好会に所属していた高校2年次に「全国高校将棋新人大会」で優勝、3年次に「全国高等学校将棋竜王戦」で優勝し、全国大会2冠を達成。大学では「第21回学生将棋選手権大会個人戦」3位(1年次)、「関東大学将棋連盟主催平成30年度春季個人戦」優勝(2年次)、「第48回全日本学生将棋十傑戦」3位(3年次)。社会科学部では民法のゼミに所属している。

江口 幸寛:埼玉県出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。将棋部に所属していた高校3年次に「全国高等学校将棋選手権大会」団体戦で優勝。趣味はギター。高校時代の担任の影響もあり、考古学のゼミに所属予定。

将棋部 公認サークルガイドTwitter

早大将棋部員 女流棋士 竹俣紅の大学生活【2018年度入学記念号】


※女流棋士は2019年3月末に引退

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