Waseda Weekly早稲田ウィークリー

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早大将棋部員 女流棋士 竹俣紅の大学生活【2018年度入学記念号】

「いつか子ども向けの将棋番組を担当してみたい」

政治経済学部 2年 竹俣 紅(たけまた・べに)

藤井聡太六段の活躍や加藤一二三九段の現役引退、羽生善治竜王の国民栄誉賞受賞など、昨年から話題の尽きない将棋界。女流棋士としてだけでなくタレントとしても活動の場を広げている竹俣紅さんもまた、将棋界を盛り上げる一人です。女流棋士・タレント・学生と“三足のわらじ”を履く竹俣さんに、将棋を始めたきっかけや大学生活について聞きました。

――将棋を始めた年齢ときっかけ、プロを目指した理由を教えてください。

6歳のとき、近所の本屋さんでたまたま子ども向けの将棋の本を見つけ、駒に漢字が書いてあるところが面白いなと思って始めたのがきっかけです。親はピアノやバレエ、バイオリンなどを習わせようと思っていたみたいですが、全然違う方向に行ってしまって…(笑)。家族は誰も将棋ができず、将棋を指す相手がいなかったので、母がインターネットで探してくれた日本将棋連盟の子ども将棋スクールに通いました。そこで将棋の指導をしてくれる大人の方たちがプロ棋士であるということを知り、漠然とプロ(※)を目指すようになりました。

(※)ここでいう「プロ」は女流棋士のこと。棋士と女流棋士は違う制度で対局している(女性の棋士はこれまで誕生していないが、女流棋士でも奨励会を卒業して四段になれば、肩書きは「棋士」となり、男性の棋士と全く同じ条件で対局等を行う)。

――女流棋士として活躍される中、芸能活動はどのように始められたのですか?

竹俣さんが普段学んでいる3号館をバックに

子どもの頃、オーディションに受かってテレビの特番に何度か出演させていただいたことはありましたが、芸能事務所に所属したのは17歳のときです。高校生になって、将棋の対局料などを自分で管理するようになり、女流棋士という職業を持っていながら経済的には全く自立できていないことに気づき、何か他に仕事を持たなければと思いました。今は芸能のお仕事でいただいたお金で、大学の授業料を全て払っています。

芸能活動というと、軽く見たり非難したりする人もいるのですが、芸能のお仕事をする中で学ぶことはとても多いです。人に何かを伝えるときは、聞き取りやすい声量や発音が必要なので、伝え方の勉強もしました。芸能のお仕事で勉強したことが、大学の授業のプレゼンでもとても役に立っています。

――早稲田大学に入学を決めた理由を教えてください。また、どのような大学生活を送っていますか?

将棋部の強い大学で将棋の勉強をしたかったので、東京大学か早稲田大学に入学したいと思っていました。実際、早稲田大学に入学してみて、将棋部(公認サークル)があって本当に良かったなと思います。最初に部室へ行ったときからすごく温かく迎えてくださって、将棋部の皆さんがいたおかげで早く大学になじめました。

1年生のときは月曜から土曜まで毎日授業がありました。授業が終わった後、お仕事などの予定が入っていないときは部室に行ってサークルのメンバーと将棋を指しています。残念ながらプロは大学の大会には出られないので、そこがちょっと寂しいですね。でも、これまで将棋には個人競技のイメージしかありませんでしたが、大学入学後に団体競技の側面もあることを知って、とても新鮮でした。

(写真左)将棋部部室にて
(写真右)昨秋の「早稲田文化芸術週間」で加藤一二三九段とのトークショーに出演後、将棋部メンバーと

――将棋・芸能活動・学業と、毎日忙しそうですね。

公式戦の対局は必ず平日にあるので、対局のときは授業を休むことになってしまいますが、芸能のお仕事は、なるべく授業が終わった後の時間帯にやらせていただくようにしています。将棋の公式戦の対局自体はそれほど多くないですし、芸能活動もそこまで忙しくないのですが、将棋はアスリートの方が日々行うトレーニングと同じように、常に研究をし続けなければならないので、体力的にきつい面も正直あります。でも、師匠(森内俊之九段)から、学業・将棋・芸能活動を頑張るよう応援していただいていますので、続けられる限り頑張りたいと思っています。

――将棋以外の趣味や興味のあることを教えてください。

最初に買った桜の盆栽。毎年春になると満開になるそう

最近は忙しくてあまりお手入れできないのですが、盆栽が好きで、小学生のときからミニ盆栽を育てています。盆栽といっても本格的なものではなく、観葉植物のような小さくてかわいらしい感じのものです。

あとは文章を書くことが好きですね。今の私が考えていること、今までのこと、これからのことを本音でつづったフォトエッセイを通して、文章を書くことが好きだとあらためて感じました。

――今後の目標や夢を聞かせてください。

フォトエッセイ『紅本』(PARCO出版)

早稲田大学にはたくさんの留学生がいるので、在学中に留学生の皆さんに将棋を体験してもらう企画をやってみたいですね。女流棋士としては、公式戦の予選を勝ち抜き、リーグ入りすることが当面の目標です。また、これは大きな野望ですが、いつか子ども向けの将棋番組を担当してみたいです。子ども向けの番組は、子どもだけでなく一緒に見る大人の方にも将棋を普及することができると思うので、そういう番組をやってみたいなと思っています。

――今春入学した新入生に向けてメッセージをお願いします。

私もまだ2年生になったばかりですが、大学の授業も大切にした上で、授業以外の時間を将来の自分のために有効活用してほしいなと思います。また、早稲田大学出身者には第一線で活躍している方が大勢いらっしゃるので、良いところを学んで、自分の将来設計に役立ててほしいですね。私もそうしたいと思っています。あと、将棋部は合宿やコンパ参加の強制もない新入生にお勧めのサークルですので、ぜひ見学にいらしてくださいね!

第694回

(撮影=石垣 星児)

【プロフィール】
東京都出身。渋谷教育学園渋谷高等学校卒業。女流棋士、タレント。「紅」という名前は、祖先である家老の竹俣家が仕えていた米沢藩のあった山形県の県花(紅花)に由来する。2012年10月、中学2年生のときに女流2級としてプロ入り。現在は女流初段。小学6年生のアマチュア時代に、女流王将戦の予選に招待選手として出場して連勝し、アマチュアの小学生として史上初の女流タイトル戦の本戦に進めたことがこれまでで一番印象に残っている対局だと語る。タレントとしては高校時代、フジテレビ系列「ワイドナショー」に出演して一躍有名に。現在もクイズ番組や情報番組など多数出演。
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