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全てのゴールは救命のために 早大ライフセービング、全日本学生選手権優勝

「最大の使命は、未然に事故を防ぐことです」

公認サークル「ライフセービングクラブ(W.L.S.C)」
前幹事長 スポーツ科学部 4年 田中 悠紀子(たなか・ゆきこ)
人間科学部 4年 宮澤 あみ(みやざわ・あみ)

(左から)田中さん、宮澤さん。ライフセーバーのユニフォームは赤と黄色

2019年9月に開催された「第34回全日本学生ライフセービング選手権大会」。この大会に「ライフセービングクラブ(W.L.S.C)」(公認サークル)のメンバーとして出場し、個人種目の「サーフレース(※1)」で優勝したスポーツ科学部4年の田中悠紀子さんと、「オーシャンウーマン(※2)」で優勝した人間科学部4年の宮澤あみさんは、チーム種目「オーシャンウーマンリレー(※3)」でも早稲田大学優勝に貢献しました。水辺の安全を守るライフセービング。競技があることを知らない早大生も多いのでは? 「日本ライフセービング協会」の強化指定選手にも選抜されている二人に、競技や日頃の活動、ライフセービングの魅力などを聞きました。

インタビューは2020年3月19日に行いました。

(※1)約170m沖合に設置されたブイを泳いで回り、泳力を競う種目。
(※2)スイム・マリブボード・サーフスキー・ランを連続して行う種目。マリブボードは、競技用のボードに乗り、パドリングで速さを競う。サーフスキーは、全長5m超えの扱いにくいカヤックをオールでこぐ種目で、ライフセービングの競技の中で最もスピードが速い。
(※3)オーシャンウーマンの4種目を、4名でリレー形式で行う。チームの総合力が問われる競技。

――ライフセービングクラブに入ったきっかけを教えてください。

田中

小学生のころから通っていた水泳のクラブチームの先輩が、早稲田のライフセービングクラブに入ったことがきっかけです。写真を見せてもらってかっこいいなと思い、大学に入学したら入ろうと決めていました。

宮澤

3歳で水泳を始め、高校までずっとタフな生活だったので、大学ではサークルで楽しく過ごしたいと考えていました。新歓で憧れのフットサルなどいろいろ参加しましたが、水泳しかやってこなかったので他のことが全くできませんでした。また、自分はやはり「水」が好きなんだと気付きました。それからフィンスイミングやダイビングなどを見学して、最終的にサークルの雰囲気でライフセービングクラブに入りました。

「第34回全日本学生ライフセービング選手権大会」の様子(左が宮澤さん)

――サークルではどのような活動をしているのですか?

田中

主な仕事は夏のライフガードです。メンバーはそれぞれ、伊豆から茨城の各海水浴場のクラブに所属し、監視活動をしています。また、戸山キャンパスの高石記念プールや、所沢キャンパスのアクアアリーナでも、空きコマなどに監視をさせてもらっています。

宮澤

他にも、普及活動として子どもたちへの海の安全指導教室や、地域の方との交流なども行っています。環境保全活動として、海辺のゴミ拾いなども私たちの仕事です。

監視活動中の田中さん。トランシーバーを使い、本部や他の場所にいるメンバーと連絡を取りならが海水浴客の安全を守る

――さまざまな社会貢献活動をする一方で、ライフセービングには競技もあるのですね。

宮澤

ライフセーバーの最大の使命は、未然に事故を防ぐことです。でも万が一、沖に流されている人がいたら、できるだけ早くアプローチし、岸まで確実に運ばなければいけません。そこでライフセーバーは、日頃からスピードやスキルの向上に努めているのですが、その成果を競い、救助能力を高め合うために開催されるのがライフセービングの競技会です。

田中

ライフセービングは人命を守るためのスポーツです。試合なのでもちろん勝つことは大事ですが、競技の目的はあくまで水難事故の防止・人命救助能力の向上。そこが他のスポーツと異なるところです。

(写真左)サーフレースでは田中さん(右)が優勝、宮澤さん(左)が準優勝。ワン・ツーフィニッシュを果たした

(写真右)2019年7月、宮澤さんイタリア初遠征の様子。ライフセービングの競技会は海の大会(オーシャン競技)とプールの大会(プール競技)があり、イタリア大会は後者

――昨年の「第34回全日本学生ライフセービング選手権大会(以下、インカレ)」では、個人種目とチーム種目で優勝を果たしました。お二人は日本ライフセービング協会のハイパフォーマンスプログラム(JHPP)強化指定選手にも選抜され、宮澤さんは今年初めにイタリアへ派遣されたのですよね。

田中

リレー(チーム種目)は、一昨年も同じメンバーで出場しましたが、思うような結果が残せなかったので、「次こそは」という意気込みで臨みました。結果を出すことができ、最高の試合になりました。

宮澤

メンバーは海水浴場の所属クラブから競技に出ることも多く、早稲田大学として出られる大会は限られています。その中で一丸となって優勝できたので、思い出深い試合になりました。イタリアへは、強化指定選手として海外での経験を積むことを目的に、今年2月に派遣していただきました。今回出場した「2020 Italian Age Group Championship」は、今年秋に予定されている世界選手権大会(※)と同じ会場での開催だったので、事前に雰囲気をつかむことができ、また目標タイムも達成できたので、収穫は大きかったです。

※新型コロナウイルスの世界的影響を受け、来年以降に延期することが3月20日に発表された。

救助者がレスキューチューブを使い、泳いで救助する「レスキューレース」のゴールの様子(中央が溺者役の田中さん)

――ライフセービングの魅力ややりがいを教えてください。

宮澤

日々練習を積み、その集大成として無事故でお客さまの命を守っていることが達成感につながっています。海岸に来る方々に楽しんでもらいながら安全を確保することは、難しさもありますが、同時にやりがいもあります。

田中

監視活動では、たくさんの人と関わることができるので楽しいです。毎年来てくださるお客さまから声を掛けていただいたときはうれしかったですね。責任がある分、頑張ってきて良かったと思えます。

(写真左)サーフレースで勢いのある泳ぎを見せる田中さん、(写真右)サーフスキーの練習をする宮澤さん

宮澤

競技は自然相手のスポーツなので、パワーや体力だけでなく、刻々と変化する波や風や潮流を読み、海に対応する力や技術も必要です。最後まで誰が勝つか分からないところが面白いです。毎日充実していますし、ライフセービングに出合えたので、早稲田に入って本当に良かったと思います。一つのことを4年間やり遂げる経験ができるサークルだと自信を持って言えます。

田中

毎年、25mも泳げないメンバーも入ってきますが、サークル内には「一緒に頑張ろう」という雰囲気があるので、先輩から指導してもらい、練習してみんな泳げるようになります。競技への参加は強制ではありませんが、早稲田にはスキルアップを目指して切磋琢磨(せっさたくま)できる環境があります。頑張った分、人のためになる活動ですし、ライフセーバーは思いやりのある人ばかりです。

インカレ後にサークルのメンバーと

――最終学年ですね。今後の目標は?

宮澤

卒業まで活動を全うしたいと思います。秋のインカレと来年1月に開催されるプールでのインカレは、早稲田から出場できる最後の大会なので優勝したいです。そして、卒業後もライフセービングの活動に関わっていきたいと考えています。

田中

私も最後までとにかく楽しんで、秋と1月のインカレ優勝を目指して頑張りたいです。

第755回

【プロフィール】

田中 悠紀子:東京都出身。早稲田実業学校高等部卒業。高校3年のときに競泳リレーでインターハイに出場。「第34回全日本学生ライフセービング選手権大会」優勝が評価され、個人・団体で2019年度「早稲田学生文化賞」を受賞。「救急処置法」「救急処置法実習」の授業や、宮下政司准教授(スポーツ科学部)のゼミ「運動代謝学研究」が活動に役立っているそう。新入生へ「少しでも興味が湧いたら気軽に連絡してください」。

宮澤 あみ:東京都出身。都立北園高等学校卒業。高校3年のときに競泳でインターハイ出場。田中さん同様、個人・団体で2019年度「早稲田学生文化賞」受賞。健康心理学に興味があり、竹中晃二教授(人間科学部)のゼミ「応用健康科学」に所属。新入生へ「ほとんどの人が大学から始める活動・競技なので、それぞれの目標に向かって挑戦できます」。

早稲田大学ライフセービングクラブ 公認サークルガイドTwitterFacebookInstagram

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