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質の良い睡眠をとるためには?

保健センター保健管理室 保健師 川邊(かわなべ)

「ちゃんと寝たのにすっきりしない」と感じる多くの場合、“睡眠の質”が影響している可能性があります。人間は寝ているときに、記憶の定着や神経系の修復を行います。質の良い睡眠をとることで、心身の健康にもつながります。

睡眠パターンや睡眠状況を知りましょう

人間は睡眠中に、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しています。個人差はありますが、約90分周期で繰り返し、朝の起床へと準備をしていきます。まずは、自分の睡眠パターンや睡眠状況を知ることが大事です。睡眠の記録をつけてみることもよいでしょう。「ピッツバーグ睡眠質問票」の他に、近年では睡眠リズムを知るアプリも開発されてきています。

体内時計(サーガディアンリズム)を整えましょう

人間の体の中にある体内時計(サーガディアンリズム)は、24時間+α(数分のズレ)が生じています。ここで重要なのは、このズレを含め体内時計をリセットさせることです。日中に光を浴びることで、リセットされるとともに、睡眠ホルモン(メラトニン)の生産を高め、夜間の眠りを促進する効果もあります。

<ポイント>
◆朝起きたら目に光を入れる(太陽の日差しを浴びる)
◆平日、休日共に入眠時間と起床時間を一定にする
◆朝食、昼食、夕食を取る時間を一定にする

睡眠環境を整えましょう

<理想な睡眠環境>
◆寝具:枕の高さは、首と布団の角度が約5度になる高さ
枕と首の隙間の深さは一般的に1~6cm(個人差による)
掛け布団は、保温、吸・放湿性のあるものを
◆湿度:50±5%
◆寝床温度:33±1℃
◆光:夜間は、蛍光灯より白熱灯を推奨(寝室は、30ルクス以下)
◆音:40dB以下(目安として、深夜の市街地や図書館)

<ポイント>
◆温度 ◆湿度 ◆光 ◆音 ◆寝具

入眠直前まで、スマートフォンのブルーライトに当たる行為はやめましょう。寝室の暗さは、ムードのあるバーをイメージしてみてください。また軟らかすぎる、硬すぎる寝具(ベッドマット、布団)は、身体に負荷が掛かりやすくなります。

アルコール・カフェイン・喫煙を控えましょう

アルコール摂取後は、すぐに深い睡眠(ノンレム睡眠)が現れるため、ぐっすり寝た気になってしまいがちです。カフェインには覚醒作用があることは有名ですが、アルコールやカフェインには利尿作用もあります。入眠中に脱水状態に陥り、喉が渇く、トイレに行きたいという状況から睡眠が分断され、疲れが取れづらくなります。また就寝前の喫煙も血圧の上昇により入眠を阻害します。

<ポイント>
◆せめて就寝1時間前の喫煙は控える(禁煙を目指しましょう!)
◆アルコール・カフェインは、摂取時間と量を考えて摂取する

※アルコールの血中濃度のピークは、飲酒後15分~2時間後と言われています(体質により異なります)。
※エナジードリンク・緑茶・チョコレートにもカフェインが含まれます。目安として、インスタントコーヒーには57㎎/100ml、エナジードリンクには32~300㎎/100ml(製品により異なります)が入っています。100mg以上のカフェイン摂取は、寝つくまでの時間が長くなる、睡眠時間が短縮されるという報告がされています。また体質にもよりますが、カフェインの半減期は4~6時間とも言われています。

それでもどうしても日中に眠たくなるときは…

仮眠をする場合は15分程度にとどめておきましょう。眠たいからと言って、1時間・2時間の仮眠をとると、夜間帯の睡眠欲求が減ってしまい、夜間の入眠の妨げになります。

※睡眠時無呼吸症候群(SAS)や、むずむず脚症候群(RLS)、睡眠時随伴症候群(歯ぎしりなど)、睡眠相後退(前進)症候群など、病的な疾患が睡眠の質へ影響を及ぼしている可能性もあります。工夫をしても改善が見込まれない場合は、睡眠外来にて検査・治療が必要なこともあるので注意が必要です。

参考
健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)
e-ヘルスネット眠りのメカニズム(厚生労働省)
e-ヘルスネット快眠のためのテクニック(厚生労働省)
e-ヘルスネット快眠と生活習慣(厚生労働省)
睡眠に関するセルフチェック(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所・精神生理研究部)

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